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Vol.0022
『情報システム戦略の失敗学』ITコーチング・ラボ提供
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■ 【週刊】とまらないソフトウェア開発の中国シフト
「エンピリカルソフトウェア工学」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2003/11/25(第22号)━
こんにちは、幸地@ITコーチです。
今回はこんな読者メッセージが届きましたので取り上げます。
<読者メッセージ>
件名:メルマガ発行のスタンス
●ところでこのメルマガ、
中国オフショア開発を進行中の会社が
時限爆弾だの地雷だのを踏まない為に読む分には
本当にいろいろと勉強になります。
かなり「生の声」だし、読んでいて楽しい。
しかしもしこれから中国に投げてみようかな、
と思う人には「リスキーだ」という印象で終わりますよね。
●幸地さんは基本的には「リスクはあるもののオフショア開発推進」
ですか?それともありのままの現状を伝えればOKでしょうか。
<コメント>
◇鋭い突っ込みメール、ありがとうございます。
当然ですが、私は「リスクはあるもののオフショア開発推進」
の立場を取っています。
メルマガを書くときには、いつもできるだけ「生の声」やリス
キーな部分を取り上げていくつもりです。過去にこのメルマガ
が原因で中国オフショア開発が敬遠されてしまうと配したこと
は一度もありません。
その理由は単純です。
企業がソフトウェア開発の中国シフトを検討する際、意思決定
のプロセスに現場リーダーの声はほとんど反映されません。
必ずトップダウンで決まるからです。
「来期からうちの社でも中国オフショア開発を始めること
になったから。そのつもりで準備してくれたまえ」
◇このメールマガジンは現在まさに案件を抱えて苦労している案
件リーダーやマネージャをはじめ、真剣に中国シフトを検討さ
れている経営者、情報担当役員を対象に実践的で楽しくドキド
キするような情報提供を心掛けています。
ご質問・ご意見はこちら。
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━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. エンピリカルソフトウェア工学
2. 成功の鍵はトップのコミットメントにあり
前回の記事を読む⇒ http://www.ai-coach.com/backno/ciplatest.html
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1. エンピリカルソフトウェア工学
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◇このメールマガジン 2003/11/11(第20号)の編集後記で、エン
ピリカルソフトウェア工学について紹介したところ、もっと詳し
く教えて欲しい声が多数寄せられました。
> 【編集後記】
> ◇先日、エンピリカルソフトウェア工学という分野の国際フォーラム
> に出席しました。ソフトウェア開発の定量評価に関する諸技術です。
> 成熟した学問ではなくこれから実践的に伸びる分野との印象でした
> が、海外オフショア開発への応用が期待されます。
>
> EASE Project ホームページ
> http://www.empirical.jp/
※バックナンバーを読む⇒ http://www.ai-coach.com/backno/ciplatest.html
◇エンピリカルソフトウェア工学とは定量的なデータに基づいて生
産性や品質の向上を目指す諸技術のこと。
"Empirical Approach"は実証的アプローチと訳されます。
この学問で最も主張したいことは、ソフトウェア開発の品質保証
とはすなわちプロセス管理の品質保証に他ならない、ということ
です。
私がエンピリカルソフトウェア工学に興味を持ったのは、ソフト
ウェア開発の分野に、他の工学分野と同様に計測、定量化と評価、
そしてフィードバックによる改善という実践的手法を取り入れよ
うとしているからです。
ある特定分野のソフト開発は間違いなく工業化(=ユニクロ化)
できます。
みなさんご存知の通り、ソフトウェア開発の中国シフトはもはや
誰にも止められません。先日はNHK朝のニュース番組でも中国
オフショア開発の話題が特集されていました(※)。
※姉妹メルマガ「SE失敗学」で詳しく紹介
http://www.ai-coach.com/backno/failprojlatest.html ←バックナンバー閲覧
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2. 成功の鍵はトップのコミットメントにあり
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◇話題を国際フォーラムに戻します。
先日東京で開催された第一回EASE国際フォーラムでは4名の
海外トップクラスの研究者が基調講演を行ないました。
講演はエンピリカルソフトウェア工学の概念的な話がメインでし
たが、彼らが口を揃え唱えていたのが次の言葉です。
『ソフトウェア開発の品質保証の仕組みを構築するには
トップのコミットメントが最重要!!』
私たちはISO9000シリーズや経営品質に関する諸活動に馴染みが
深い方ので、トップのコミットメントが何たるたを熟知していま
す。肌で知っています。
エンピリカルソフトウェア工学が単なる学術的話題で終わるのか、
それとも開発現場で実際に役立つのかの鍵を握るのは、まさに
「トップのコミットメント」だと断言できます。
◇ちなみに、フォーラム参加者はシステム開発会社と情報システム
部門ならびに研究期間の人間が多くその内訳は次のとおり。
スタッフ部門 約7割
ライン部門 約3割
◇基調講演に続いて行なわれたパネルディスカッションでは、事例
を中心に展開されました。簡単にその内容を列挙します。
・現時点ではエンピリカルソフトウェア工学が適応される業種/業
態は限定的である(軍事、航空)
・ラインとスタッフが一丸となり最優先課題として臨む姿勢が重要
・会社組織の文化や風土に大きく依存するので品質保証活動に絶対
的な正解はない
・ライン部門が改革ポリシーの原案を作成し、スタッフ部門は補助
的な推進役にまわる体制が原則
◇最後に全体を通して得られた私の所感を述べます。
・まだアカデミック要素が強いため一般の開発ベンダーが積極的
に関わる段階ではないものの、決して避けて通れる道ではない
・品質保証スタッフに求められる要素は専門知識よりもコーディネ
ート能力だということを改めて認識
◎EASEプロジェクト(奈良先端科学技術大学院大学)
http://www.empirical.jp/
◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇
みなさんの感想もどんどん取り上げていきたいと思います。
質問メール・情報提供は大歓迎です。
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【編集後記】
◇「エンピリカルソフトウェア工学」
日本では軍事、航空業界の市場はあまり大きくないが、組込系
やITSなどの分野で強みを発揮しそうな予感。いずれも中国オフ
ショア開発に向く分野です。
(文責:幸地司 ITコーチング・ラボ 代表)
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