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Vol.0066
リスクを受入れよ、マシン環境問題は避けられない
2004/8/9
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■ 日本唯一の中国オフショア開発専門マガジン
新・中国ビジネス入門
〜初めてでも失敗しない対中交渉〜
『リスクを受入れよ、マシン環境問題は避けられない』
━━━━━━━━━━━━━2004/08/09(第66号)読者数:815名━
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■質問
開発環境の一部に中国で調達できないものがあります。このま
ま中国オフショア開発を実施できますか?
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■回答
プログラム配備環境を複数持つことでリスクを軽減
中国側にプログラムを配備する環境を複数設置することで、リスク
を軽減させる方法がある。一つは、OSを含め、可能な限り本番環境
に近いもの。二つ目以降は、ミドルウェアレベル以上で本番環境と
同じ条件にすること。
[例]
【日本環境】高価なワークステーション、UNIX、Oracle, WebLogic
→中国ベンダではハードウェアが入手できず、アプリケーションサー
バ(WebLogic)のライセンス数が不足していると仮定すると
【中国環境(1)】古いワークステーション, UNIX, Oracle, WebLogic
【中国環境(2)】PC, Linux, Oracle, Apache+Tomcat
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■■ リスクを受入れよ、マシン環境問題は避けられない
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───────────────── ITコーチング・ラボ解説 ─
●中国オフショア開発での開発環境の違いは、次のような問題を引
き起こす可能性がある。
1.性能劣化
2.デグレード
日頃から「中国オフショア開発ではマシン環境に気をつけなさい」
とあれほど口酸っぱく注意しているにも関わらず、開発環境の差異
によるトラブルは一向に絶えない。
●なぜ、同じ現象にいつも悩まされるのか。その秘密は意外に単純
である。
理由1.輸出手続きが面倒だから
理由2.予算がないから
●本誌2004/08/05号で紹介したように、
http://www.ai-coach.com/backno/cip0055.html
法律によると、ドキュメント/PP等、中国ベンダに開示する情報
は全て輸出手続が必要である。日本企業を経由して情報提供する際
も、同様に輸出手続が必要である。
ソフトウェアの輸出ならまだしも、ハードウェアの輸出は正直かな
り面倒なのだ。
●輸出管理の障害に加えて予算的な制限もある。
もともと、中国オフショア開発を実施するようなプロジェクトにお
いては、資金的な余裕はあまりない。
●理由は様々だが、ともかく、日本と中国の開発環境の違い悩む担
当者はかなり多い。これは、当面は解決しそうにない。中国オフショ
ア開発特有のリスクだと捉えてもよさそうだ。
●冒頭の質問に対する回答をもう一度整理しよう。
・開発環境が統一できないことの責任の半分は日本側にある
・日本側がリスクの半分を取る
・そのリスクはプログラム配備環境を複数持つことで軽減できる
この話題については以前にも解説したことがあるの。ぜひ、そちら
の記事もご覧いただきたい。
★2004/07/23 第55号 複数の状況で再現することを確認する
http://www.ai-coach.com/backno/cip0055.html
★2004/07/26 第56号 CPU使用率に着目する
http://www.ai-coach.com/backno/cip0056.html
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■ 成功の勘所 ■
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日本側の担当者が中国オフショア開発に対して先入観を持っている
場合、日本側に落ち度があったとしても、その原因を相手方に求め
る傾向がある。性能劣化、システムの挙動が怪しいなど、原因不明
の障害が発生したら、その原因の約半分は日本側にあるという前提
で調査すること。
ITコーチング・ラボ代表 幸地司
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【読者の声をご紹介します】
私自身もオフショア開発を行う中国ベンダーの日本法人で勤めてお
りますが、オフショア開発の実態はまだ理解してないと思います。
無料特別研究レポートを読んで今後のビジネス展開の参考としたい
と考えております。 (中国ベンダ日本法人/営業/男性)
無料特別研究レポート『対中交渉の落とし穴 〜7つのケーススタディ』
http://www.ai-coach.com/report01.html
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一時期、中国オフショアという名前を出すだけで、あらゆる企業と
簡単にアポイントメントが取れた幸せな時代がありました。この勢
いは、ITバブル崩壊後もしばらく続きましたが、SARS騒動の以
降は徐々に衰えてきた感があります。
私が中国ベンダの方と一緒にお客さんと会っていると、かなりの割
合でヒゲを生やした男達とすれ違ったことを思い出します。そう、
インドIT企業の営業マンです。
過去に何度かインド企業と話したこともあります。そのときの印象
としては、インド人技術者の方が中国人よりもクール。インド人社
長の方が中国人社長よりも知的かつビジネスライクといった感じで
しょうか。
また、フリーの日本人営業マンとして上手に活用しているインド企
業が目立ちました。いまはどうなんでしょうか?
よろしければ、最近のオフショア開発の営業スタイルについて情報
をお寄せください。お待ちしております。(幸地司)
こちらまで情報をお寄せください
http://aicoach.tea-nifty.com/offshore/
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【編集後記】
「いかに強く蹴るかではなく、次の足をいかに速く出すかだ」
200,400m走のマイケル・ジョンソン氏
世界トップアスリートの言葉は、日本古来からの知恵を一致してい
るそうです。身体動作のなぞを解く鍵は、体の中心に一本の軸を作
るのではなく、身体の左右にそれぞれ二つ軸を持つことだとか。
この理論は、私がいままで信じてきたスポーツ科学の常識を根底か
ら覆します。軸がしっかりしていると、ひねり(反動)を使って力強
エネルギーを生み出せます。が、その反面スピードが犠牲に・・・。
国内開発と中国オフショア開発の二つの軸を持つことが、21世紀
型ITサービス業者の必須条件となるということでしょうか。
(ちょっと強引なオチでした)
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意見・感想・質問・相談等 → mailmag@ai-coach.com
購読登録・解除→ http://www.ai-coach.com/cipmag.html
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発行元:アイコーチ有限会社 http://www.ai-coach.com/
発行責任者:幸地司
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□『まぐまぐ』(ID:0000113402), 『melma!』(m00094560)より配信
□過去記事→ http://www.ai-coach.com/backno/ciplatest.html
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