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■ 【週刊】
  とまらないソフトウェア開発の中国シフト
    『分かっちゃいるけど海外ソフトウェア開発はご勘弁』
      本音と誤解を解き明かす
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2003/08/25(第13号)━

◇こんにちは、幸地@ITコーチです。

 中国オフショア開発をはじめる際は、リスクを避けて
 簡単な案件からはじめるのが定石です。

 バックナンバー(第7号)参照
 http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000113402

 ソフトウェア開発においては、
 情報開示とリスク管理は密接に関係しています。


━【目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

(前回の内容)
 1. 突然の中国発注指令
 2. 中国企業に宛てたメールの実例

(今回の内容)
 3. 情報開示とリスク管理
 4. 情報開示の成功例
 5. 提言

 前回の記事を読む⇒ http://www.ai-coach.com/backno/ciplatest.html 

 > ■注意1 信頼できる人間を交渉窓口にせよ
 > ■注意2 発注条件をすべて質問せよ
 > ■注意3 案件情報は可能な限り詳しく提示せよ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(前回のあらすじ)
1. 突然の中国発注指令
2. 中国企業に宛てたメールの実例
──────────────────────────────────

◆ある日、経営陣から次のような命令が下った。

 キミが抱えている開発案件の製造工程を中国企業に発注したい。

 これは会社の方針だ。

 直ちに準備するように。

(・・・)


■注意1 信頼できる人間を交渉窓口にせよ
■注意2 発注条件をすべて質問せよ

※中国の祝祭日は国全体がお休みになります。
 特に10月の国慶節には注意。
 日本人にはなじみが薄いのでつい見落としがちです。

(ここまで、前回のあらすじ)


──────────────────────────────────
3. 情報開示とリスク管理
──────────────────────────────────

■注意3 案件情報は可能な限り詳しく提示せよ

◆いよいよ、中国企業に案件情報を伝える段階です。

 相手の担当者は信頼できますか?
 もし、中国企業の担当者に対してちょっとでも不審な点が感じら
 れたら、一旦発注の流れを止めて「注意2」に戻ることをお勧め
 します。

 前回の記事を読む⇒ http://www.ai-coach.com/backno/ciplatest.html 


◆さて、とりあえず信頼できる中国企業担当者と出会えたあなたは、
 次は見積依頼のための案件情報を開示します。

 通常は、見積情報を開示する前に機密保持契約を結びますが、
 現場レベルではあまり意味はありません。

 情報開示で注意すべきは中国への輸出管理についてですが、
 今回は説明しません。


◆中国企業と信頼関係を構築したいのであれば、最初の印象をよく
 することです。

 最大のポイントは、案件情報は可能な限り詳しく提示すること!

 中国企業と付き合って短期間に利益を稼ぐのは難しいですね。
 日本企業の一部には、

 「中国人は信用ならん。ダメだ。・・」

 うんぬんと情報開示に消極的な姿勢を示す者もいますが、長い目
 で考えると、やはり得策だとはいえないのではないでしょうか。


 中国企業に案件情報をオープンに提示したら、どのような損失あ
 りますか。

 私の経験上、こちら側がオープンな姿勢で中国企業に接しても、
 失うものはほとんど無いはずです。

 もし私の意見に同意するのであれば、偏見にとらわれずに中国
 企業を信用することをお勧めします。


◆といっても、システム開発のポイントをはずすと、効率の良い
 コミュニケーションはうまれません。

 こちらから提示する案件情報は、最低でも下記の項目を含めると
 よいでしょう。

 ・システム名称
 ・対象業務について(全体像を説明する)
 ・対象業務のうちシステム化される部分
 ・開発期間
 ・委託する工程や部品
 ・システムアーキテクチャ
  (OS、開発言語、DB、その他開発ツールなど)


──────────────────────────────────
4. 情報開示の成功例
──────────────────────────────────

◆例えばこんなことがありました。

 【例1】
 日本「システムのテストはどのように行いますか?」
 中国「業務の詳細をすべて理解できないことがあります。
    テストデータは必ず日本から提供してください。」
 日本「そうですか・・・」

 この会話から学んだこと:
 「中国人SEは業務を理解しないままシステム開発を行うことも
  ある。当該システムの業務知識を正しく伝えることが成功の
  第一歩だ」

 その結果、日本人の担当者が急遽中国企業(上海)に飛んで
 業務内容を詳しく説明することになりました。


 【例2】
 中国「Javaは、過去にたくさんの開発実績があるので大丈夫です」
 日本「業界標準のオープンソース系ソフトウェアをStruts(※)を
    使ってシステムを構築してください」
 中国「過去にStrutsを使ったことがない。でも2週間で勉強できる」

 この会話から学んだこと:
 「中国企業の"大丈夫"に根拠はない。でも事前に案件情報を与え
  たことで、多少のリスクは回避できそうだ」


 中国オフショア開発の世界では、情報を開示すればするほど
 リスクが低減するものと心得てください。


※Struts 
 Web開発に用いられるオープンソースのソフトウェア。
 ほぼ業界標準。
 知らないのはモグリ?
 Java Servlet, Java ServerPages, カスタムタグとメッセージ
 のリソースを統一フレームワークとして統合します。

◎The Ja-Jakarta Project
 http://www.jajakarta.org/ 


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
5. 提言
──────────────────────────────────

◆少なくとも1ヶ月以上前には発注予告を行いたい。

 あなたの会社では事前にそれだけの準備を整えられるだろうか?
 もし計画策定が不得意ならば、中国オフショア開発には手を出さ
 ない方が無難かもしれない。


◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇

みなさんの感想もどんどん取り上げていきたいと思います。
質問メール・情報提供は大歓迎です。

◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇

【編集後記】

◇「中国でやろうと思ったんですが人材がいない。
  直ぐ辞める。教育しても無駄だ」
 あるメーカの人の言葉です。

 一方で、中国社員と家族のような絆を築いている
 会社もあります。

 どんな大手企業でも、経営者が本気で取り組んでいる
 会社には勝てませんね。

(文責:幸地司 ITコーチング・ラボ 代表)


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