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Vol.0164
ブリッジSEの定義が曖昧
2005/1/11
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■ 日本唯一の中国オフショア開発専門マガジン
新・中国ビジネス入門
〜初めてでも失敗しない対中交渉〜
『第3者的な立場でプロジェクトの隙間を埋める調整役』
━━━━━━━━━━━2005/01/11(第164号)読者数:1,808名━
こんにちは、オフショア開発専門コンサルタント 幸地司です。
今朝、中国オフショア開発実践セミナーに3名のお申込みがありま
した。最近は「検索エンジンで見つけました!」というコメントが
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中国人と日本人の価値観の違いに着目し、ケーススタディを通して、
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■ 「わが社の人材戦略(2005/1/7)」に対する反論
>> うちは、基本的にブリッジSEを信用していませんから。
中国人が信用できないのであれば、オフショア開発をやるべきで
はないと思います(怒)。(メルマガ読者/中国人SE)
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■■ ブリッジSEは、プロジェクトの隙間を埋める調整役
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───────────────────── アイコーチ解説 ─
●先週の内容に対して、親しい中国人SEの方からお怒りのメール
を頂戴した。
「うちは、基本的にブリッジSEを信用していませんから。たとえ
時間がかかったとしても、日本人の開発コーディネータをすべて
自前で育成します」
詳細→ http://www.ai-coach.com/backno/cip0163.html
※
●この中国人SEの言うとおり、中国が信用できないのなら、オフ
ショア開発をやるべきではない。私も同感である。ところが、先週
の記事の本意はそこではなかった。誤解を与えてしまったようだ。
●先述の「基本的にブリッジSEを信用していませんから」と言い
切った会社は、決して中国に偏見を持つ会社ではない。にも関わら
ず、読者に誤解を与えてしまった理由は何だろうか?
●その理由は明確である。
「ブリッジSEの定義が人によって異なるから」に他ならない。
ニュアンスを伝えにくいのだが、メルマガ(1/7号)の本意を説明しよ
う。
※
◆オフショア開発が失敗する原因は、伝統的な日本的開発アプロー
チに因るところが小さくない。
曖昧な仕様、丸投げ体質・・・。
通常は、日本企業の「いい加減さ」を補うためにブリッジSEを使っ
て仕様書の行間を埋めたり、コミュニケーションの円滑化を促進する。
◆このように、両国のPMやPLの橋渡しをする役割が、私が考え
る「ブリッジSE」の定義である。
◆一般に、多くの方が想像する「ブリッジSE」のことを、本誌で
は「中国側リーダ」と表記して、私が定義する「ブリッジSE」と
は明確に区別している。
中国側リーダ:中国ベンダで、中国のために働くプロジェクトリーダ
ブリッジSE:第3者的な立場でプロジェクトの隙間を埋める調整役
◆つまり、私が定義する「ブリッジSE」は、設計力・管理力・人
間力・コミュニケーション力・日本理解力を備えるスペシャリスト
である。当然ながら、並大抵の人間には務まるはずがない。
以上を踏まえて、先日の発言に戻る。
> 「うちは、基本的にブリッジSEを信用していませんから。たとえ
> 時間がかかったとしても、日本人の開発コーディネータをすべて
> 自前で育成します」
◆優秀なブリッジSEは、簡単には見つからない。
しかも、本来ならば、ブリッジSEに頼る前に、日本企業は自分達
の伝統的な悪習慣を正すべきだと考えている。そこで、前述の発言
が生まれたのだ。
◆たとえ「日本で5年も開発経験があります!」というような、自
称ブリッジSEを雇っても、本当に優秀かどうかはきわめて怪しい。
それならば、むしろ時間をかけてもよいから、伝統的な日本的開発
アプローチを正すことを優先すべきだ!
それには、自社社員の育成(開発コーディネータ)が重要だ!!
※
●と、このような意味をお伝えしたかったのである。ポイントは、
多くの人が想像するブリッジSEのことを、私は「中国側リーダ」
と呼んでいることである。
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■ 成功の勘所 ■
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本来は「ブリッジSE」は不要な職務だ、というのが個人的な見解
である。ブリッジSEが不要となる条件は、日本型開発アプローチ
の欠点が見直されることである。ちなみに「中国人リーダ」は絶対
に必要であるので、そこのところは混同しないように。
いずれにせよ、言葉の定義(価値観)が異なるために、誤解を生ん
だよい例である。○○さん、ご指摘ありがとうございます。また1
つ勉強になった。
オフショア開発専門コンサルタント 幸地司
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総勢9名の一族郎党が東京に遊びにきました。87歳の老人から5歳
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ぷり堪能しました。親戚旅行は戦争です。
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