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Vol.0160
仕様変更の最上の策
2005/1/4
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■ 日本唯一の中国オフショア開発専門マガジン
新・中国ビジネス入門
〜初めてでも失敗しない対中交渉〜
『仕様変更を依頼するときの最上の策』
━━━━━━━━━━━2005/01/04(第160号)読者数:1,787名━
新年あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。中国オフショア開発専門メール
マガジンの読者の皆さまに感謝の言葉をお伝えいたします。読者の
皆さまがいなければ、オフショア開発のノウハウをこれほど短期間
に体系化することは出来ませんでした。
貴重な情報をご提供していただいた方々、会社のメンツが潰れるの
を顧みず失敗プロジェクトの状況を明かしてくださった方々、皆さ
まには感謝の言葉しかありません。
今後も、さらにノウハウに磨きをかけて、本誌や中国オフショア開
発実践セミナーなどのサービスでお返ししていくことを約束いたし
ます。今年もご愛顧をよろしくお願いします!
アイコーチ有限会社スタッフ一同
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■ 仕様変更を依頼するとき
例の給与システム開発の帳票機能ですが、お客様の都合で仕様を変
更してもらいたいんです。出力帳票の種類を増やして、さらに承認
ワークフローにも若干手を加えていただきたい・・・
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■■ 最上の策は、追加発注をほのめかすこと
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───────────────────── アイコーチ解説 ─
●今回は、「仕様変更はやむを得ない」という前提で話を進める。
一般にプロジェクトの目標はQCDの3要素あるが、さらにスコー
プ(S)を追加すると、全部で4要素を考慮しなくてはいけない。
●納期を絶対視するならば、費用(Q)を多めに支払うなど、少なく
とも残り3つの要素の中の1つを犠牲にしなくてはいけない。通常
は、品質(Q)を落とすことはないので、開発費はそのままにして、
代わりにスコープを狭めるという選択肢もよくある。
●同様に、仕様変更を依頼するならば、納期を遅らせるか、作業範
囲を狭めるか、追加費用を支払うつもりでなければ対等なビジネス
関係とはいえない。つまり、「仕様変更はやむを得ない」という前
提は、「QCD+Sのどれかが影響を受ける」ことを認めることに
他ならない。
●そこで、受ける影響を出来るだけ小さくするような努力と工夫が
求められる。この場合、日本側でコントロールできる要素が3つあ
る。
1.仕様変更通達の時期を早める
2.暫定仕様を段階的に実装させる(段階的発注)
3.別の仕事を追加発注する可能性を示唆する
現実的には、3.が最上の手段だ。「発注取り下げ」という極端な
手段もあるが、本誌の趣旨に反するため、これ以上は扱わない。
●仕様変更を依頼したら、中国ベンダから理由や背景などの詳細を
聞かれるだろう。「どこまで細かい情報を伝えるべきか」について
は、オフショア開発の初心者ならずとも、判断に迷うところかもし
れない。
●本誌のスタンスは、「情報は可能な限り中国に伝える方が望まし
い」である。つまり、仕様や設計内容の説明だけではなく、業務背
景やエンドユーザの風土や方針などについても言及したい。
●しかしながら、中国に情報を与えすぎたことによる弊害も見過ご
せない。『対中交渉の落とし穴 〜7つのケーススタディ』にも1つ
事例があるので、まだの方はぜひダウンロードしていただきたい。
http://www.ai-coach.com/report01.html
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■ 成功の勘所 ■
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中国と良好な関係を構築し、より一層のコスト削減を目指すには、
ベンダと一体となった情報共有の仕組みが欠かせない。ところが、
情報の与えすぎによる弊害にも注意を向けよう。
●最終納期を自分勝手に解釈する
エンドユーザのカットオーバーまで、まだ1ヶ月残っている。
ここで残業しなくてもまだ間に合う!と、日本の作業量を考慮
せず勝手に判断して、定時に帰宅する(涙)
●悪い事例をモノマネする
VBで構築された業務アプリケーションをWebアプリケーション
で再構築することになった。ところが、旧システムの画面を新シ
ステムでソックリそのまま再現しようと試みたため、Webアプ
リの定石から外れた画面設計となってしまった。
●とんちんかんな提案を受ける
「この業務は効率が悪い。パッケージを使ってこうしなさい」
等と、もっともらしい提案を次から次へと口にするが、日本的な
商慣習を無視しているため、ユーザから総スカンを食らう。
オフショア開発専門コンサルタント 幸地司
http://www.ai-coach.com/
━━━━━━━━━(インフォメーション)━━━━━━━━━━
■■■■ 中国オフショア開発実践セミナー(完全先着順) ■■■■
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【2005年1月】
1月14日(金)/東京/開発コーディネータ初級講座(A+B)
1月19日(水)/東京/オフショア推進スタッフ講座(C+D)
1月26日(水)/東京/開発コーディネータ初級講座(A+B)
※今年こそオフショア開発を成功させたい!セミナーを受講すれば、
ケース学習だけではなく、専門家からアドバイスが受けられます!
詳細&申込→ http://www.ai-coach.com/seminar/x21.html
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【編集後記】
年末年始は、本誌バックナンバーを必死にまとめていました。おか
げさまで、ページ総数230以上の大作が完成!文字ばっかりですが、
内容はかなり濃いです。
今週中に製本して、来週には発送できるよう手配しています。
詳細→ http://www.ai-coach.com/products/a48.html
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意見・感想・質問・相談等 → mailmag@ai-coach.com
購読登録・解除→ http://www.ai-coach.com/cipmag.html
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発行元:アイコーチ有限会社 http://www.ai-coach.com/
発行責任者:幸地司
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□『まぐまぐ』(ID:0000113402), 『melma!』(m00094560)より配信
□過去記事→ http://www.ai-coach.com/backno/ciplatest.html
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