|
|
まぐまぐ!
中国ビジネス入門
|
|
|
|
▼前号へ
次号へ▲
→最新号へ
Vol.1054
トヨタ式カイゼン手法をオフショア開発に適用すると
2009/4/23
■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ オフショア大學公認 Global Sourcing Review 姉妹誌
オフショア開発プロフェッショナル・オンライン
━━━━━━━━━━━2009/04/23(第1,054号)読者数:4,248━
★ 究極の三択 (編集後記)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━読者アンケート━
留学生が日本企業で活躍するために必要な要因は何でしょうか?
(複数選択可)
◆評価・処遇の透明性の確保
┗ http://clickenquete.com/a/a.php?M0000628Q0029125A16f53
◆日本人社員の異文化理解力
┗ http://clickenquete.com/a/a.php?M0000628Q0029125A257f4
◆ビジネスに必要な日本語教育の充実
┗ http://clickenquete.com/a/a.php?M0000628Q0029125A360ef
◆留学生を人材として活かす方法の共有・蓄積
┗ http://clickenquete.com/a/a.php?M0000628Q0029125A433f5
◆その他
┗ http://clickenquete.com/a/a.php?M0000628Q0029125A575d2
○結果を見る
┗ http://clickenquete.com/a/r.php?Q0029125C984e
○コメントボード
┗ http://clickenquete.com/a/cb.php?Q0029125P00C4060
締切:2009年04月28日18時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/
参考:2006年度経済産業省委託事業「日本企業における外国人留学
生の就業促進に関する調査研究」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■
■■ トヨタ式カイゼン手法をオフショア開発に適用すると
■■
──────────────────────オフショア大學─
●ものつくり名人が書いたトヨタ式「ジャスト・イン・タイム」の
解説書から、オフショア関係者に役立つ会計のヒントを届けします。
この本は製造業を題材とした入門書ですが、ソフトウェア開発にも
十分に適用可能だと思います。
※
売上金額=1億5000万円の仕事を、日本国内で開発した場合と、中国
で開発した場合で、どちらが「儲かるか」、を比較します。
・売上金額=1億5000万円
【日本国内開発】
・上流工程=5000万円
・製造工程=5000万円
・開発日数=3ヶ月+3ヶ月=6ヶ月
【中国開発】
・上流工程=5000万円
・製造工程=2000万円
その他、間接費が1000万円
・開発日数=6ヶ月+4ヶ月=10ヶ月
(ベンダ選定、仕様伝達、トレーニング、検収期間を含む)
開発費から粗利益率を出して比較します。
・日本:1億5000万円 - 5000万円 - 5000万円 = 5000万円
・中国:1億5000万円 - 5000 - 2000 - 1000 = 7000万円
粗利益率を比較すると、中国開発が断然有利です。粗利益率を比べ
ても、中国開発の優位は明らかです。
・日本:5000万円÷1億5000万円 = 33.3%
・中国:7000万円÷1億5000万円 = 46.7%
この計算では、中国開発の方が儲かることが証明されました。とこ
ろが、時間概念を加えると、中国開発が「儲かる」とはいえません。
「Jコスト」と呼ばれる本書独自の指標を求めます。詳細な定義は、
本書をご覧ください。Jコストは、製造コストに平均リードタイム
(単位調整済み)を乗して求めます。
・日本:10,000万円× 6ヶ月=60,000(万円・月)
・中国: 8,000万円×10ヶ月=80,000(万円・月)
Jコスト換算では、日本開発の方が有利です。最初の計算結果から
逆転しました。最終判断するためには、Jコストに対して、どれく
らいの粗利益をあげているのかという比率を比較します。
・日本:5000万円÷60,000(万円・月)= 0.0833/日
・中国:7000万円÷80,000(万円・月)= 0.0875/日
この指標では、中国の方がぎりぎり「収益性」が高いことが判明し
ました。オフショア発注の各種リスクを織り込み済みだと仮定すれ
ば、上記ケースでは中国開発の方が「儲かる」という収益計算の結
果です。
参考:田中正知「トヨタ式カイゼンの会計学」第8章 中国工場で生
産するのは、本当に得なのか?、p190-204、中経出版(2009)
http://amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806132853/aicoach-22/ref=nosim
●上記は、トヨタ式カイゼン手法がオフショア開発にも適用できる
と仮定しました。田中正知(2009)のJコスト論によると、単純に製
造コストだけを比較して「中国オフショア開発に出すと原価が30%
抑えられる」と結論づけるのは早計です。
時間を考慮したJコスト比較によると、上記ケースでは日本開発と
中国開発の収益性の差はわずか5%未満に過ぎません。会計上の開
発原価が同額でも、工期が違えばJコストは変わります。
工期短縮と稼働率向上は、別概念です。技術者の稼働率を向上させ
ても、収益改善に寄与しない事例はいくらでもあります。厳しい言
い方ですが、時間をかけて一生懸命に頑張っても、方向性を間違え
れば全く無意味です。
参考:よかれと思って残業 → 不良在庫の山
http://aicoach.tea-nifty.com/offshore/2008/07/post_39c5.html
──────────────────────────────
■ 問いかけ ■
──────────────────────────────
オフショア事業を評価する際には、原価計算に基づく開発費削減の
追求だけでは不十分です。KPI(Key Performance Indicators)は、
原価削減ではなく、稼働率でもなく、"time to market"を実現する
リードタイムに軸足が移ります。
×:稼働率向上
×:工期削減(部分最適)
△:原価削減
◎:工期削減(全体最適)
あなたは、この主張に同意しますか?
オフショア開発コンサルタント 幸地司
http://www.ai-coach.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】
三択問題です。
3秒以内に答えを出してください。
自分の直感を信じましょう。
お金と、健康と、若さ。
あなたはどちらが欲しいですか?
私は思わず「○○」を選んでしまいました。
出題者:幸地司
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
意見・感想・質問・相談等 → mailmag@ai-coach.com
過去記事→ http://www.ai-coach.com/backno/ciplatest.html
──────────────────────────────
発行元:オフショア大學 http://www.offshoringleaders.com
発行責任者:幸地 司
Copyright オフショア大學 All rights reserved.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□ まぐまぐ!、melma!、Yahoo!メルマガ、自社配信
□購読登録・解除→ http://www.ai-coach.com/cipmag.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
↑先頭に戻る
|