|
|
まぐまぐ!
中国ビジネス入門
|
|
|
|
▼前号へ
次号へ▲
→最新号へ
Vol.0955
強化すべき項目、あえて手放すべき項目
2008/11/11
■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 日本最大のオフショア開発専門マガジン
中国ビジネス入門 〜初めてでも失敗しない対中交渉〜
━━━━━━━━━━━━2008/11/11(第955号)読者数:4,692━
★ プロコン(promoter complex) (編集後記)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━PR━
■イベント名
「オフショア開発フォーラム 2008」
■テーマ
「グローバルソーシングを担う国際IT人材戦略」
■日時
2008年12月1日(月) 9:00−17:00
■会場
キャンパス・イノベーションセンター東京(JR田町駅から徒歩1分)
■主催
オフショア開発フォーラム実行委員会
■後援
東京工業大学大学院イノベーションマネジメント研究科
琉球大学産学官連携推進機構
北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科
法政大学大学院工学研究科
全日本中国人博士協会
■メディア協賛
アイティメディア、技術評論社
■講演者(順不同、敬称略)
慶応大学、東京工業大学、中国浙江省人民政府、北京NTTデータ、
東芝、TIS、富士ゼロックス、スイングバイ2020、他
詳細はこちらから
→ http://www.offshoringleaders.com/forum2008/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 汝自身を知れ
あなたの会社が戦略的に強化すべき領域を下記から選びなさい。
・ソフトウェアアーキテクチャ
・ツール
・プロセス
・外注
・要求管理
・組織構造
・戦略
・パフォーマンスマネジメント
・スキル能力
・社風、心構え
──────────────────────────────
■■
■■ 強化すべき項目、あえて手放すべき項目
■■
──────────────────オフショアリング研究所─
●米国のコンサルティング会社「マッキンゼー社」が発表した、
ソフトウェア企業の成功要因に関する短いレポートを紹介します。
※
ソフトウェア開発では、全分野で過不足なく遂行する能力が求め
られます。ただし、あらゆる領域で卓越する必要はありません。
大規模なソフトウェア開発が成功する秘訣は、
一部の重要な「製品」と「顧客」に焦点を絞ることです。
では、あなたの会社が焦点を絞るべき領域を見極めるには、
どうすればいいでしょうか。
調査では、ソフトウェア企業(組織)には4つの異なる路線が
あることを示されました。さらに、路線ごとに、それぞれ、
異なる領域に注力すべきだと示唆しました。
・低価格路線(Cost champions)
・革新路線(Innovators)
・職人路線(Perfectionists)
・インテグレータ路線(Integrators)
例えば、低価格路線を標榜するソフトウェア企業では、1に標準化、
2に標準化、3,4がなくて5に標準化。全ては、原価削減のため。
一方、インテグレータ路線の会社でも、成功のカギは標準化です。
ですが、標準化の目的は、原価削減ではなく「○○○○」に力点
を置くのがポイント。
出典:Janaki Akella and Nazgol Moussavi (2008) "Where
software vendors should focus", The McKinsey Quarterly
http://www.mckinseyquarterly.com/
※
●先日オフショア大學でも「オフショア開発成功と失敗」の定義に
ついて議論が交わされました。
【顧客が要求するQCDを満たした】
・成功 グループ全員が頑張って納期&品質を厳守した
・失敗 でも、結局は残業だらけの人海戦術でメンバーは疲弊した
同じ状況を観察しても、ある人は成功と捉えますが、別の人は失敗
と認識します。どちらが正しいのでしょうか。
●オフショア大學では、さらにソフトウェア構造に対する価値観の
違いについても議論されました。
・保守メンテナンスしやすい事を優先する
・不具合が少ない事を優先する
・最小限の手間でプログラミングすることを優先する
・パフォーマンスを優先する
同じソフトウェアを評価しても、ある人は自分の価値観に沿って満
足しますが、別の人は「要求未達成」と不満を漏らします。
──────────────────────────────
■ 問いかけ ■
──────────────────────────────
<問1>
あなたの会社・組織が目指す路線を1つ選びなさい。
・低価格路線
・革新路線
・職人路線
・インテグレータ路線
回答欄:我が社は( )路線です。
<問2>
次に、あなたの会社・組織が強化すべき活動領域を1〜3つ選びな
さい。
回答例:我が社は低価格路線の会社なので、徹底的にツールと開発
プロセスの標準化を図り、内部コストの削減に挑みます。
<問3>
上記の問1,2を踏まえて、あなたの会社がオフショア開発を更に
うまく活用するために、「やってはいけないこと」「あえて自社が
手を出さないこと」を1〜3つ選びなさい。
回答欄:我が社があえて手を出さない領域は、( )と
( )です。なぜならば( )だから。
オフショア開発コンサルタント 幸地司
http://www.ai-coach.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】
最近は研究の幅を広げるために、オフショア開発とは関係のない情
報を漁っています。キーワードは、地政学・経済学・社会学。
これらの分野には、自称専門家がうようよいて、まさに群雄割拠と
いった状態。どれが信頼に足るソースなのか、いまだ判断できませ
ん。
しかも、中には難しい用語をいっぱい並べることで、混乱に拍車を
かける有識者が大勢います。ホントまいっちんぐ。
その一方で、骨太な論評をあからさまに敬遠したり、昔の偉人たち
の書物を読みこなせない自分に戸惑っています。差し迫った危機は
ありませんが、何となく不安を感じる今日この頃。
というわけで、さっそくこれらの問題を自己分析したところ、以下
の三つの問題が浮かび上がりました。
まず語彙力不足。
私は、太平洋戦争はおろか日米安保闘争すら知らない世代ですので、
よほど意識しないとイデオロギー云々に関する単語や概念と接する
機会がありません。ですから、地政学や社会学で頻出する政治っぽ
い熟語やカタカナを目にしても、すんなり腹に落ちません。
次に近代史への認識不足。
私は軍事オタクでもないし、沖縄独特の歴史観で育ってきた背景か
ら、大人になるまで日本の近代史を深く考える経験が足りなかった
ような気がします。ですから、地政学や社会学の単語を理解できた
としても、頭の中に背景や文脈を鮮明に描けません。
三つ目が「考える」ことを軽視する問題。
元来、私は自分の持ち味として、スピード重視・プロフェッショナ
ル指向を自覚しています。一歩間違えれば、「お勉強して満足」と
いう雑学・資格オタクになりかねませんが、幸いにも執筆・講演・
コンサルティンぐといった膨大なアウトプット活動によってバラン
スを保っています。
その代りに、ときおり私には知識偏重の癖が見受けられます。
「守破離」あるいは「古典や歴史に学べ」といえば聞こえはいいで
すが、私の場合は危険信号。過去の成功パターンを鵜呑みにしすぎ
て「思考停止」に陥らないよう厳しい自己監視が求められます。
さらに、もう一つ、私には「考える」ことを避ける理由が思いつき
ます。それは、分析屋コンプレックスです。あるいは、プロモー
ター・コンプレックス(promoter complex)と呼んだ方がいいかも
しれません。
プロコン(造語)とは、普段から左脳の働きが強く、落ち着いて理
性的で分析的な能力を発揮するにも関わらず、「これからは右脳時
代」と煽るビジネス書に惑わされて、「自分はもっと明るく元気に
アイデア豊富で社交的であらねばならない・・・」と長所を伸ばす
のではなく、弱点を補おうとする複雑な心理状態のこと。
いくつか、プロコンの症例を挙げます。
本来は左脳的・分析的な思考が得意なのに、日式カラオケで「あな
たの言っていることは、難しすぎてよくわかんない」と言われると、
ぱたっと思考をやめてしまう。そして、無理して、右脳的な言動に
走ってしまうも、滑稽さだけが目立ってしまいます。
同様に、ベテランPMから、オフショア開発を成功させるには「心の
交流が大事」「酒を飲んでバカ騒ぎすることも大事」と言われたの
で、無理して社交的に振る舞おうとするが、しっくりこない自分に
悩んでしまいます。
さらに画一的なコーチング研修もある意味において危険かも。傾聴
や承認といった言葉を学んだ人が、家に戻って家族相手にコーチン
グスキルを試すも、あえなく撃沈されてしまうことがよくあります。
真面目な性格が災いして、努めてコーチング的にOKな態度をとって
しまい、思慮深く分析的な本来の自分の性格に罪悪感を感じてしま
う・・・、このような悲劇が多数報告されています(当社調べ)。
さらに別の視点では、これまで「コツコツ・地道」をモットーに頑
張ってきた左脳優勢の努力家が、急に売れっ子になって、周囲の求
めるままに走り続け、メディアに登場しまくるような状況に陥った
時は危なさそう。
自分の頭に汗をかいて間違った「考え」を発表するよりも、お客が
喜ぶ条件を調べて、ちょっと味付けして、あたかも自分の「意見」
のように発表する方がはるかに安全です。
私は決して売れっ子タレントではありませんが、意外と根深いプロ
コン症状を自覚し始めています。今後の私の人生において、無意識
に「考える」ことを避けないよう、用心しなければいけません。
以上を読み返すと、やはりプロコンではなく、分析屋コンプレック
スと呼んだ方が適切かもしれませんね。
実はわたし、恥ずかしながら「巨人コンプレックス」症状があるこ
とを、最近になってようやく自覚しました。この件は、また後日改
めて。
[PR]オフショア開発フォーラム2008
http://www.offshoringleaders.com/forum2008/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
意見・感想・質問・相談等 → mailmag@ai-coach.com
過去記事→ http://www.ai-coach.com/backno/ciplatest.html
──────────────────────────────
発行元:オフショアリング研究所 http://www.ai-coach.com/
発行責任者:幸地 司
Copyright オフショアリング研究所 All rights reserved.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□ まぐまぐ!殿堂入り、melma!、Yahoo!メルマガ、自社配信
□購読登録・解除→ http://www.ai-coach.com/cipmag.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記長すぎ! これじゃ、何のメルマガなのかわかりゃしない
↑先頭に戻る
|