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Vol.0002
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【週刊】SEの失敗学「営業・経営・政治」編
2003/07/27(第2号)
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初めて部下を持つSEリーダーに贈る、小規模案件だからこそ
見えてくる開発責任者の苦悩と喜び。雑誌懸賞金で稼いだ
元パソコン少年が、大手企業研究所を経てベンチャー経営者
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- 目次 -
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1. 迷ったときの判断基準は顧客が51、会社が49
2. SEがプロジェクト最中に営業活動したら?
3. お客様は神様であったためしがない
4. プロジェクトは誰のためか
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1. 迷ったときの判断基準は顧客が51、会社が49
(馬場史郎 グローバルナレッジネットワーク副社長)
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◆「SEを極める50の鉄則」(馬場史郎著、日経BP社)というオスス
メの本があります。有名な本ですから読んだことがある方も多い
でしょう。まだの方はぜひ。
※アマゾンドットコムのカスタマーレビューより
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・時々読み直したい本
・忘れた頃に読み返したい本
・自信喪失の時や、迷い、悩みが生じた時には、響く
・あいまいなSE稼業に鮮烈な一言
◆その中に、「迷ったときの判断基準は顧客が51、会社が49」、
という一節があります。
細かい比率はともかく、「顧客と自社の利益はどちらも同じくら
い重要で、バランス感覚が大事であり、両立させることを追求し
ていかなければならない」といえます。
当たり前だと思われるかもしれませんが、日々の現場で実践する
のはなかなか難しいものです。
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2. SEがプロジェクト最中に営業活動したら?
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◆例えば自社の利益や都合しか考えずに顧客を置き去りにするケース。
自社製品の導入事例にしようとか、客先に派遣エンジニアをあと
3人送り込もうとか、利益率を社内規定に合わせようとか、よく
ある話です。
売り上げを増やす努力は必要だし否定しませんが、まず先に信頼
を得ることです。
私の経験から言うと、プロジェクトの最中に現場が営業的な動き
を見せると顧客はうさん臭さを感じて敬遠し、協力や譲歩が得ら
れにくくなり、かえって仕事がやりづらくなります。
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3. お客様は神様であったためしがない
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◆一方、顧客の利益を優先するあまり自社の利益をかえりみない
ケースもあります。
よく見かけるのが、プロジェクト・リーダーとして初仕事、さあ
顧客志向で頑張るぞ!…残念ながらこの張り切りが仇になるパタ
ーンです。交渉の術を知らないという側面もあります。
この場合、実はリーダーが顧客のイエスマン、御用聞きにすぎな
いことが多いのです。顧客は、本当はプロのSEならではのアイデ
アや提案やリスク検討を求めているはずなのですが。
◆そして最初は何でも要望を受け入れていたのに、いざ開発が始ま
ると、技術的に困難、予算不足、スケジュールが間に合わないと
泣きつくことになるのです。
泣きつかれる顧客も、無理なら無理と最初に言ってほしかった、
と不満を漏らします。
◆どちらのケースも、現場はみな身を削って頑張ったにもかかわら
ず、いざプロジェクトが終わってみると顧客の不評を買っていた、
次のビジネスにつながらない、という残念な結果をもたらしかね
ません。
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4. プロジェクトは誰のためか
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◆リーダーはつねに顧客と自社の双方の利益を考えて判断を下し、
行動する必要があります。
ところで私の場合、顧客と自社ともう一つ、社員(チームメンバー)
の利益にかなっているか? を問いかけるようにしています。
◆標準プロセスだソフトウエア工場だと言っても、システム開発は
まだまだ属人的な要素が大きく、個々人の力量にかなりの部分を
依存しています。よい人材を育て確保しておくためにも、社員の
利益を無視することはできません。
それぞれのプロジェクトが、顧客に価値と満足をもたらし、自社
に収益と信用をもたらし、社員に報酬と成長をもたらす…そんな
Win-Win-Winの関係が築ければいいなと思っています。
(執筆:内山 ITコーチング・ラボ 指導員)
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監修者は、私(幸地)の大学の後輩&親友で、裏業界では
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【編集後記】
◇馬場史郎さんのこの言葉は有名ですね。
「迷ったときの判断基準は顧客が51、会社が49」
はじめてこの言葉に出会ったとき、最初は何を言っているのか
理解できませんでした。
『馬場さん、SEならそれで良いかもしれないが
経営者はどうするのよ?』 って感じ。
◇詳しくは本を読んで欲しいのですが、このようにわかり易く
噛み砕いて説明することがどれほど大切か、ということを実感
させられたことを覚えています。
◇特にSEという人種は、他人からのフィードバックを素直に
受け取れない一面を持ちます。これからも切れ味鋭いIT参謀で
ありたいと願っています。
(執筆:幸地 ITコーチング・ラボ 代表)
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