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減俸は解雇通知に等しい

メンバーが一斉退社、残った人の給料を大幅アップ
ある日、Aさんを除く他メンバーがいっぺんに転職した。突然の出来事だったので、替わりのリーダー人材を補充することができなかった。Aさんの上司は、唯一残ったAさんの給料を大幅アップするよう指示。その後、この会社はAさんと同等の能力を持つ複数の人材を月給15万円弱で採用。これで、体制崩壊の危機を脱し、一件落着かと思われた。しかし、更なる問題がこの会社を襲った・・・。

・本誌第560号より

(先週の続き)

●中国ベンダーで働くローカルスタッフから聞いた実話。

・Aさんの昇給額
 15万円弱 → 25万円強 (+10万円)

・後から雇用されたAさんと同等な人材の給与
 15万円弱

・Aさんの負担が減ったので、その後に減俸された
 25万円 → 20万円


しばらくすると、このような状況になった。

後から雇用された社員は一生懸命働いた。そのおかげで、この会社は危機を脱した。しばらくすると、Aさんの負担は激減した。すると、会社はAさんに対して減俸を通知。状況が変わったので当然の処置だという。(それでも、以前より高水準)

プロジェクトの進捗は順調だが、その一方で、減俸されたAさんは月給20万円でも不満たらたら。次第に、かつての輝きは失われて、とうとうAさんは「怠け者」の烙印を押されるようになる。

この会社では、自分の給与を人に教えてはいけない契約になっているが、ほとんどの情報は社員の間で筒抜けだった。高給取りのAさんの勤務態度は、やがて、月給15万円で一生懸命に働く社員にも飛び火した。

その後、当該プロジェクトが終わると同時にチームは崩壊した。そして、部署全体が閉鎖されてしまった。やがて、Aさんもこの会社を去っていった。ちなみに、Aさんの上司は「日本人」である。


2006年12月25日 11:55 in | コラム , 人材関連/ブリッジSE | 固定リンク |

 

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コメント

「減俸は解雇通知に等しい」が会社側の理解済み内容だとしたら、これは「更なる問題」ではありませんね。Aさんの言動は賛成できませんが、会社としては予測済みの上にわざと減俸したでしょう。「それでも、以前より高水準」は関係ないと思います。

投稿者Park yongjin:2006年12月25日 15:46

Aさんの上司は日本人であることを分かったら、とても複雑な心境です。中国の日系企業に増俸/減俸権利を持っている人は殆ど日本人です。同じ状況はまず日本で起こったら、Aさんの上司の日本人は同じような対応しないと思います。なぜ、中国でこのような対応になってしまうのか、理解できません。

投稿者zhang:2006年12月25日 23:57

>なぜ、中国でこのような対応になってしまうのか
結局は、多くの日本企業が中国を植民地としてしか見ておらず、対等のビジネスパートナーとは考えていないせいだと思います。
それと日本国内にも同様の問題は存在します。A:正社員の中高年管理職、B:正社員の(若手の)平社員、C:A,B以外の者(ex.派遣社員や契約社員)。このように分類すると、A > B >> Cのような階層構造が存在します。現在はオフショアとしてD:中国などのオフショア先の現地社員、というのが上記の構造に追加され、A > B >> C >> Dとなったわけですね。AにとってB,C,Dは、使い捨ての道具にすぎません。

また、このような問題が起こるもう一つの原因は、日本人の管理職(manager)の多くがmanagementの知識も経験もないということです。本来なら報酬や評価制度というのはmanagementの基本となるものですが、管理職のほとんど全員は自分で評価することも、報酬を決定することも、戦略を決めることもできません。いわゆる「上意下達」で、上から言われたことをそのまま下に伝えるだけで、他に何もできない人もいます。
こういう人が中国に渡っても、managementもできませんし、現地の状況に合わせた独自の判断もできません。彼らは日本と同じやり方を押し付けるか、さもなくば場当たり的な対応で終始し、今回のような問題に発展したりすると考えられます。

投稿者貧乏神:2006年12月26日 13:12




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