仕様変更を丸く収めたい 初めての中国オフショア開発ですが、当初の想定よりも仕様変更が増えました。明日、追加請求の件で、先方の総経理と直接対談します。どんな点に気をつけたらよいでしょうか? (日本企業/プロジェクトマネージャ)
「仕様変更が収束しない」など一方的に発注側に非があったとしても、単純に追加請求を受け付けるほど予算的な余裕はない。さて、あなたが日本側のプロマネなら、どう対処すべきか。
残念ながら、中国企業との交渉に万能薬はない。そのため、原理原則でお茶を濁すしかないが、以下の4項目はすぐにでも応用が利くだろう。
・十分に時間をかけて交渉を進める 勢いに押されてその場で意志決定しないこと。 交渉場所が( )なら、なおさら焦らずじっくり対話すること。
・相手方の憤りや怒りなどの感情を素直に受け止める 責任論などの理屈はいったん脇に置いて、相手の感情に配慮する。 目的を見失わず、当事者と( )を切り分けて議論すること。
・総論より各論を意識して、的確なフィードバックを与える 一般論ではなく個別具体論で対応する。フィードバックを与える際には、「その場で」「 」「具体的に」の三原則を遵守すること。
・全ての言葉遣いや数字・データを丁寧に正確に扱う 勢いに押されて、何でも「はいはい」と流さないこと。日本語で交渉する際には、主語や指示語の曖昧さに留意すること。文脈に依存する表現(high context)が出てきたら、その都度確認する。
■成功の勘所
どんなに厳しい交渉の場面でも、根底にあるのは効果的なコミュニケーションを支える原理原則である。
・十分に時間をかけて交渉を進める ・相手方の憤りや怒りなどの感情を素直に受け止める ・総論より各論を意識して、的確なフィードバックを与える ・全ての言葉遣いや数字・データを丁寧に正確に扱う
査証申請などの諸手続について 中国人技術者を日本に呼ぶときに面倒な手続きは必要ですか? (よくある質問)
あなたが勤める会社で、中国から技術者を日本に呼び寄せたいと思ったら、査証(visa)に関する一連の申請手続きが必要である。加えて、設計情報などの役務が海外に流れてしまうので、外為法に基づく一連の輸出手続きも必要である。
目に見える法的な手続き以外にも、面倒な作業は山ほどある。連絡先を確保するために携帯電話を持たせたいが、個人で支払うためには銀行口座の開設が先決だったりなど、素人が自力でやるには手間が多すぎる。
リーダ候補の中国人技術者を日本に呼び寄せて、半年後に中国に戻して現地で活躍してもらいたい。こんな思いで、中国との人的交流を図る会社は多い。
でも、せっかく日本で研修したのに、すぐに他社に転職されないかどうかも気になる。中国の労働法改正によって、約束違反に対するペナルティの与え方が大きく変わった。
査証申請などの諸手続について、一般には専門業者や海外技術者の派遣を得意とする人材サービス業者の支援を仰ぐことが多いだろう。システム開発専門の日本人が、こうした申請実務に介入することは少ないが、知識としては知っておいても損はない。
UML普及 オフショア開発でもUMLは使えますか? (よくある質問)
中国向けオフショア開発においては、残念ながらUMLが持つ真の力を十分に発揮し切れていない。オフショア大學にも参画する、日本におけるオブジェクト指向開発の権威である長瀬嘉秀氏は、日本と中国それぞれに原因があると指摘する。
日本側の原因
欧米でのUMLの普及率は7割を超えているのに対して、日本ではまだ1割程度しか普及していない。そもそも実力不足。
中国側の原因
大学などの教育機関で、未だに平然と古いバージョンのUMLを教えている。UML用語の中国語訳が統一しないなど、本格的な普及に向けては課題が山積する状態。
日本側ではシステム分析者、設計者、プロジェクト管理者を配置して、さらにオフショア側からブリッジSEに参加してもらう。オフショア側では、製造と詳細設計を行えるメンバーを揃えて、開発だけに専念する。当面は、この役割分担でUMLによる中国オフショア開発は進められる。
ベトナム人の日本語力 ベトナム人技術者も頑張れば日本語を話せるようになりますか? (よくある質問)
中国との比較において、ベトナム人技術者の日本語力は格段に劣る。一般に、ベトナムとのオフショア開発では、”コミュニケータ”と呼ばれる通訳を介して意思疎通が図られる。
一般のコミュニケータは、日本語を専門に学ぶ文系出身の若者であり、女性の比率が高い。オフショア開発PRESS特集1でも指摘するが、中国と同様に英語を交えて会話する方が日本語だけの会話よりも断然に効果が高い。
オフショア開発PRESS 特集2「ベトナム最新事情」を執筆した霜田氏によると、日本語学習にかかる時間は一般的に中国人の2~2.5倍を要する。霜田氏は、続けてこう力説する。
「文系出身の通訳でも、日本語堪能なブリッジSEでも、日本側が相手に分かりやすく伝える努力は同じである」
笛吹けども踊らない組織 我が社ではトップからオフショア活用の方針が明確に打ち出されています。私自身もオフショア開発には期待しています。ところが、周りの雰囲気は違います。公言しませんが、オフショア開発への反発は相当根強いと感じています。沈滞化した組織の雰囲気をどうすれば改善できるでしょうか? (よくある質問)
オフショア開発に反対する者、口には出さないがオフショア開発に対して不信感を持つ者を総称して”オフショア開発抵抗勢力”と呼ぶ。
ただし、オフショア開発抵抗勢力=悪だと単純に決めつける構図ではない。むしろ、オフショア開発への抵抗は、現場力が強い良い意味での日本的な特徴だと受け止める方が自然な発想である。
※今後、負の印象を与える”オフショア開発抵抗勢力”という呼び方は避けるべき?
さて、相談された「笛吹けども踊らない組織」への処方箋について。私なら、社内にオフショア開発研究会なる非公式コミュニティを立ち上げる。
情報を共有し、社内外に点在するオフショア開発に関する有益な知見を一ヶ所に集積させるのが狙いである。この際、社内掲示板などITの活用は言うまでもないが、あえてアナログな手段の活用を提案したい。
オフショア開発に反対する沈滞化した雰囲気を改善する方法を思いつくまま列挙する。
・オフショア開発研究会なる非公式コミュニティを立ち上げる ・立ち上げ当初は、コミュニケーションの質よりも量を優先する ・「会話」から始めて、徐々に「対話」の雰囲気に移行する ・紙媒体の社内報(○×社オフショア開発通信)を発行する ・相手国とTV会議するなら、相手を大きな画面に映し出す
疑念ぬぐえぬ中国の日本語ドキュメント 中国ベンダは、日本語の納品物を作れますか? (よくある質問)
中国ベンダの日本語ドキュメント作成能力に関する質問は多い。中国オフショア開発では、メールやQ&A連絡などほとんどの意思疎通は日本語で行われる。
だが、最終顧客に納品する報告書の類については、常に心配がつきまとう。もし、あなたが日本人と同等な文章力を望むなら、最終校正を担う日本人を雇った方が手っ取り早い。
例えば、システム管理者向け保守マニュアルは中国ベンダが作成するが、システム利用者向けのユーザガイドは編集能力に長けた日本人が担当する。
あなたが、言葉や文化の壁でお茶を濁さないプロフェッショナルを目指すなら、次の4ステップを参考にして欲しい。
Step1.混沌 Step2.同化 Step3.融合 Step4.統合
中国ベンダに「日本人と全く同じ」を求める姿勢は、第二ステップの「同化」の特徴である。同化とは、どんな料理が出されても、味見する前に無意識のうちに醤油をかける行為に喩えられる。早死にする原因にもなるので、心当たりのある方は要注意。
「同化」は進化の過程に欠かせないプロセスだが、決して最終地点ではない。詳しくは、オフショア開発PRESS特集3参照のこと。 『オフショア開発PRESS』公式サイト
大事なポイントは日本も中国も同じ オフショア開発 PRESSを読みました。結局のところ、マネジメントの要諦は業種や国籍に関係なく共通すると思いました。この考えは正しいでしょうか? ※参考「オフショア開発PRESS」目次+記事概要 (よくある質問)
※参考「オフショア開発PRESS」目次+記事概要 (よくある質問)
オフショア開発の議論を進めると、必ずと言っていいほど「大事なポイントは日本も中国も同じ」といった趣旨の発言が飛び出す。果たして、その考えは正しいだろうか?
正解は「抽象化のレベル」によって変わる。PMBOKのような高度に抽象化された知識体系を念頭に置くなら、大事なポイントは日本も中国も同じ。居酒屋のトイレの壁に貼られた「原理原則」も、基本的には業種や国籍に依存しない。
一方で、文章の書き方、面子への配慮、メールや国際電話の作法、食事や挨拶、宗教、休憩時間の過ごし方といった個別具体論については、業種や地域性がくっきり分かれることは言うまでもない。
オフショア開発を成功させるという共通目標があるにも関わらず、一部の中国開発者は、レビューや品質保証に過度に介入する日本人リーダの言動に対して、次のような疑問を投げかける。
日本人リーダ 「自分が修正した不具合を整理してください。そして,なぜそのような修正を行ったか,つまり不具合修正の理由をまとめておいてください。あとでそれに関する質問を行いますので,しっかり準備しておいてください」
中国開発者 「そもそも,修正理由や関連知識に対する質問をする必要があるのですか?私は,修士号を取得しましたし,これまでも実力で評価を得てきました。一つの不具合を修正するため様々な調査をしました。それは,結果と修正コードを見てもらえれば,わかるはずなのに。明らかに日本人は私を信頼していません。屈辱です」。
中国開発者 「信用していないのなら,なぜ仕事をくれますか?」
第1回 中国開発者から見た変な日本人リーダー
オフショア開発の評価の場で、あなたの部下(あるいは上司)から「大事なポイントは日本も中国も同じ」との発言があった。あなたは、どんな反応をすればよいだろうか。特定の場面を想定して、代表的な問答集を予め準備しよう。
中国でシステム開発を行なう際にも輸出手続が必要ですか? (よくある質問)
日本から外国にモノや情報を持ち出す場合には、基本的に全て輸出手続が必要となる。全てというのは、日本から中国に送る提案依頼書や仕様書をはじめ、無償・有償で貸与するソフトウェアも全て含む。
輸出管理は世界中の法律で定められており、ルール違反すると色々問題になる。
※参考情報 ・ヘリ不正輸出、ヤマハ発動機 ・対共産圏輸出統制委員会 - COCOM(ココム)
(興味ある方はネットで検索してください)
あなたの会社で提供物の履歴を取るのはもちろんのこと、相手先でどのような管理体制にあるのかを事前に知っておくべきである。
基本契約書では「輸出管理手続きをキチンとやる事」と定めることが多いと聞いている。あなたは取引先がどのような仕組みで情報管理しているかを本当に知っているだろうか?
オフショア開発で納期短縮 短納期ですが、それでもオフショア開発できますか? (よくある質問)
これまでの中国オフショア開発のやり方では、納期短縮は極めて難しい。これが私の意見である。
オフショア開発の最大の利点は開発費の低減である。最近は、開発要員の確保を目的と公言する者も少なくないが、理想と現実のギャップは大きい。
米国とインド間のオフショアリングでは、コスト削減だけではなく納期短縮も実現されているという。だが、彼らは「これまでの中国オフショア開発」とは全く異なる仕組みで動いているため、単純な比較は意味がない。
インドで開発期間を短縮したという噂話。
・米国とインドの時差を利用した開発(よく聞く噂だが・・・) ・米国では不可能な世の中にない新製品をインドで開発 ・2交代制による24時間体制で開発 (好待遇の夜間勤務はインド人に歓迎されたという)
あなたは、実際にオフショア開発で期間短縮に成功したことはありますか? 製造工程が短縮されても、前後の工程が長引けば期間短縮とは認めません。
◆期間短縮に成功したことがある ◆国内開発と同期間を実現した ◆国内開発よりも長引いたことしかない ◆その他
○結果を見る ○コメントボード
締切:2008年04月22日23時00分 協力:クリックアンケート
中国人IT技術者の定着率 離職率が高いって本当でしょうか? (よくある質問)
日本人と比べると、中国人の転職率は圧倒的に高い。だから、中国人IT技術者の離職率は高いか?と聞かれたら、答えは「YES」。ただし、日本と比べて中国は広い。さらに、多様な地域文化、方言、少数民族が存在して、一口に「中国は・・・」と語っても意味がないことが多い。
そこで、これから中国オフショア開発を始める初心者は、中国を分析するための有益な切り口をいくつか用意するといいだろう。
・地域別 ・年齢別 ・学歴別 ・役職別 ・年収別 ・・・・・
一般論として、デモグラフィックス(demographics)、すなわち人口統計上の属性によって中国人IT技術者を細分化する分析は有効である。
中国人IT技術者の離職率は、年齢、職務経験、既婚・未婚、勤務地、そして出身地と勤務地の相性などに影響するといわれる。
心理学の専門家は、サイコグラフィックス(psychographics)、すなわち思考や価値観、行動志向などの特性によって中国人IT技術者の勤務態度や職務適性を判断する。アセスメント(accessment)といわれる高度な専門領域である。
中国事情通は、無意識のうちにデモグラフィックスとサイコグラフィックスの両方を総合的に扱って中国人IT技術者の様々な特徴を判定する。
間接オフショア開発 遅ればせながら、わが社でもこれからオフショア開発を始めます。まずは、長年取引を続けてきた国内パートナーを経由して間接的にオフショア発注を始めたいと思います。何か注意すべき点があれば教えてください。 (機械メーカの情報システム部門)
間接オフショア開発とは、従来型の国内パートナー企業を経由してオフショア発注すること。国内のオフショア専業会社や中国ベンダの日本法人を経由することは、直接オフショア開発と定義する。
【読者アンケートより】
・間接オフショア開発のメリットは大きい (44票) 71% ・間接オフショア開発のメリットは小さい (17票) 27% ・その他 (1票) 2%
参考「間接オフショア開発は効果的ですか?」
間接オフショア開発の提案に積極的な営業担当者は、顧客に対して「うちを経由すれば、お客様にはオフショアを一切意識させません」と、従来と全く同じ取引形態であることを強調する。
間接オフショア開発を持ちかけられたユーザ企業の情報システム部門としては、外注管理の手間は従来と同じ。外注費はオフショア活用の分だけ削減される。まるで夢のような世界が待っている。
間接オフショア開発では、原則として海外拠点の開発者とのコミュニケーションは発生しない。したがって、顧客を取り巻く市場環境や開発案件の裏舞台など仕様書で表現されない背景は、国内パートナー企業を経由して海外拠点に伝える。
うがった見方をすれば、下請けいじめ的な発想で「オフショア開発のリスクはパートナーに押しつける一方、オフショア活用のコストメリットは自社が享受する」こともあり得る。
間接オフショア開発に関する質問。営業マンが顧客に対して「うちを経由すれば、お客様にはオフショアを一切意識させません」と提案しました。顧客はオフショアのリスクを負わずに原価低減の恩恵を享受する。あなたは、この営業方針に賛成ですか?
◆賛成 ◆反対 ◆その他(理由をコメントボードにお書きください)
締切:2008年04月14日23時00分 協力:クリックアンケート
バグ多発しても どのような状況でもいざとなれば、自分で修正する・・・もう少し広げて言えば、自社で十分修正できる経営資源の余裕のない会社が、中国と取り組むのは無謀。 (読者アンケートより)
体力のない会社は、中国オフショア開発に挑戦してはいけないのか。リカバリには、金と時間と人、そして強靭な精神力が欠かせない。ということは、四拍子揃った会社でないと、中国発注は無謀だろうか。これは、興味深い問いかけである。
アウトソーシング業界で語られる重要な鉄則を紹介する。
これからアウトソーシングをはじめる企業では、まず自社の保有技術を詳細に棚卸して、企業の競争力の源泉となるコア・ケイパビリティ(capability)を特定するのが定石だ。一般には、戦略的に重要な技術やノウハウをアウトソーシングしてはいけない。
あなたの会社で「中国に出してはいけない分野」を全て洗い出そう。そして、アウトソーシングすべきでない分野(コア・ケイパビリティ)がオフショア発注されていないかを検証せよ。
次に、中国オフショア開発で失敗したときに発生する回収費用、対応時間、そしてリカバリ要員数を概算せよ。あなたの会社が、最悪な状況を容認できるかを検証せよ。作り直しの手間、保守体制、お客様への謝罪と賠償責任など、全ての可能性を考慮せよ。
BPOとは、Business Process Outsourcing の頭文字 企業が自社の業務処理(ビジネスプロセス)の一部を、外部の業者にアウトソーシングすること。社内業務そのものを情報システムの運用とともに、外部に委託するBPOが登場した。 @IT総合トップ > 情報マネジメント > 情報マネジメント用語事典
国内BPOを立ち上げる際の留意点を考える。まずは、先日のプレミアム版メルマガで紹介したケーススタディをご覧あれ。
【Case study】後発組のコールセンター参入
東京に本社を構えるA社は、中国大連にオフショア開発の拠点を構える独立系ベンダである。顧客の要望に応じる形で、ソフト開発だけではなく、BPO(データ入力、事務処理、コールセンター)分野にも進出済みだ。A社は、大連に自社ビルを建設する予定である。A社の大連への入れ込みは、紛れもなく本物である。
そんなA社が、ある金融機関からコールセンターBPO案件の引き合いを受けた。現在首都圏で稼動する数百席のコールセンターを大連に移管したい構え。ところが、顧客は、すべてを中国BPOするのは経営リスクが高いと考えている。
そこで、A社は、主部隊を大連に、補助部隊を国内の田舎に配置するコールセンターBPO体制を提案したいと考えた。ただし、A社は国内でのコールセンター運営の実績はない。さらに、一般市場では、A社のブランドは全く認知されていないとする。
【問いかけ】あなたがA社の提案責任者なら、どうすれば勝てるか。
コールセンター業務のアウトソーシングは、オフショア開発よりも動きが早いので、先行指標として常に確認しておきたい。コールセンターBPOを流行・周期を押さえておくと、次にオフショア開発が進むべき道が見えてくるだろう。
オンサイト限定案件は増えたか? ・オンサイト限定案件が増えた (43票)61% ・オンサイト限定案件が増えた。オフショア委託も増えた(11票)16% ・オフショア委託は減った。オンサイト限定案件は不変 (5票)7% ・分からない (9票)13% ・その他 (2票)3% (アンケート最終結果) http://aicoach.tea-nifty.com/offshore/2007/10/post_409b.html
最近、本当にオンサイト限定案件は増えたのだろうか。前出の読者アンケートは、当初の仮説を裏付ける結果を示した。ただし、アンケート結果は必ずしも真実を映し出すとは限らない。あくまでも、業界の心理を示す結果である。
一方で、確実に正しいと思われる現象が、メルマガ読者から多数報告されている。それは、中国から大量のIT技術者を日本に呼び寄せて、客先常駐させる案件が増加していること。
上海の友人から届いた興味深いおたよりの一部を紹介する。
・上海の有名大学を卒業したプログラマの平均給与は3000元を超えています。会社の負担分を加味すると、原価は6000-7000元/人。オフショア開発のリスクを考慮すると、どうしても□□万円/人月の単価が最低ラインになるでしょう。100%日資の会社では日本人のコストもあるのでもっと高いでしょう。(中国人)
業界の噂では、オフショア開発の伸びは微増、もしくは頭打ち。その代り、オンサイト案件が目立つようになってきた。人件費高騰とオフショア発注単価の据え置きから、中国オフショア受託企業のうまみが薄れてきたとの声もある。
国慶節はスケジュールに入れない 国慶節に休日出勤をさせてしまうと、モチベーションが一気に低下して、チーム崩壊の恐れすらあります。 (オフショア大學)
ご意見『これ以上の休日出勤はお断り』
・納品が厳しく、休日出勤を期待していましたが、中国ベンダから現在の見積では、コストの問題で休日出勤が無理ですといわれました。(オフショア大學)
国の定めにより、中国の休日出勤手当ては日本よりもはるかに高い。国慶節期間中の出勤手当ては通常時の3倍だといわれる。中国ベンダ側としても、できるだけ休日出勤を避けたい。その悪影響として、無茶な工数短縮による品質低下が指摘されている。
【クイズ】日本企業はなぜ残業が多いのか
日本企業はなぜ残業が多いのか。中国人と比べた時の日本人の残業の特徴、悪しき問題点を答えなさい。逆に、残業に関して日本が優れる点があれば、具体的に挙げなさい。
答える → mailmag@ai-coach.com
小口発注の継続でも効果の出るオフショア開発とは? 最近、取引しているベンダによっては、小口発注はいらないとまで言うところも出てきています。 (日本人読者)
今週は、日本のオフショアリング市場で噂されるいくつかの話題を検証する。
・日本国籍限定 ・オンサイト作業限定 ・中国では内需案件が増大する一方、オフショア敬遠傾向が加速? ・3-5年目の中国人IT人材の給与相場が急騰
ご意見『内需案件は増大しているようですね』
・今まではオフショア100%だったけど、そのノウハウを利用して、国内案件対応を始めた取引先があります。ただし苦労しているようです。ビザの問題や優秀な要員確保の難しさから、オフショアへの対応割合を減らさざるを得ないベンダもあると聞きます。
(日本人読者)
☆最近はオフショア委託案件が減ったとの噂をよく耳にします。特に中国オフショア委託量が減らされて、オンサイト限定案件が増えたと主張する人がいます。あなたのご意見は?
※どちらともいえない人 → 「分からない」をクリック ※興味がない人 →「その他」をクリック ※別の見解がある人 →「コメントボード」に意見を書き込む ※確かな根拠はなく直感ですが・・→直感を信じて該当箇所をクリック
◆オンサイト限定案件が増えた ◆オンサイト限定案件が増えた。オフショア委託も増えた ◆オフショア委託は減った。オンサイト限定案件は不変 ◆分からない ◆その他
締切:2007年10月09日23時00分 協力:クリックアンケート
【クイズ】優秀なブリッジSEだけ常駐させたい、他は要らない
あなたは、過去に取引実績のある顧客から、自社の優秀なブリッジSEを客先常駐させるよう依頼を受けた。若手中国人プログラマを含むチームで提案したが、体よく断られた。顧客は、欲しいのは優秀なブリッジSEだけなので、コミュニケーションに難がある中国人は要らないという。
仕事は欲しいが、エース級人材を単独で客先に出したくない。さて、あなたなら、どのようにこの交渉をまとめるか。
東京周辺には、中国人が溢れている気がします。特にUR公団に行くと、中国人が増えていることを実感できます。 (中国人読者)
(中国人読者)
10月1日は中国の建国記念日にあたる国慶節。今日から1週間連続でお休みする会社が多いだろう。今週は、日本のオフショアリング市場で噂されるいくつかの話題を検証する。
ご意見『今は調整時期ではないか』
・東京周辺には、中国人が溢れている気がします。特にUR公団に行くと、中国人が増えていることを実感できます。ところが、技術力、マナー、日本語に問題を抱える中国人IT技術者も同時に増えました。しかも、給料は決して安くありません。プログラマレベルなら日本人も多いので、わざわざ問題のある中国人を採用する理由がありません。
中国人IT技術者を派遣する業者は星の数ほどある。参入障壁が低いので、今後も小規模零細の派遣業者が乱立することだろう。さらに、派遣事業は撤退障壁も低いので、志半ばで市場から退場させられる会社も多いと思う。
最近の案件の9割は「日本国籍限定」です。残りわずかの案件もレアな技術が求められたり、単金が低かったり、いわば「不良案件」が多いです。びっくりしました。 (東京/中国人経営者)
(東京/中国人経営者)
オフショアリング業界全体を見渡して、最近気になる話題がある。
日本国籍限定
・以前と比べて明らかに増えた? ・以前と同じ。単に目立つようになっただけ?
オンサイト作業限定
・組み込み系を中心にオンサイト案件が激増したと多数報告あり
中国では内需案件が増大する一方、オフショア敬遠傾向が加速?
・中国大手オフショアベンダですら、国内案件に急激にシフトする?
3-5年目の中国人IT人材の給与相場が急騰
・若手中堅の中国人IT技術者から「それじゃ、日本人技術者の月給よりも高いでしょ」みたいな賃金交渉。しかも手取り額での要求。
オフショアリング業界全体を揺るがしかねない懸案事項を4つ挙げた。今のところ、大規模な実態調査を行っていないため、正確な状況を把握できていない。あなたの周りではいかが?
ご意見望む → mailmag@ai-coach.com
日本企業の見積もりは理想論に走りすぎ。コスト削減が最優先です。でも中国ベンダはパートナーと良い関係を守ること一番大切です。 (中国人読者)
中国ベンダが抱える日本への不満。
・日本企業は中国にコスト削減ばかり要求してくる ・見積もりが高いとすぐに他社に仕事を奪われる ・日本企業は中国を信頼しないので、大きな仕事を発注しない ・仕様変更で予算超過しても「次回調整」で済まされる
日本への不満の大半は、仕様や開発プロセスの曖昧性について。次いで、発注方式や見積もりに関する内容が多い。読者アンケートのコメント欄には、日本人の常連さんから、次のようなご意見が届 いている。
・正確な見積に必要な情報であれば、須らく開示しています。開示した上で「正直ベース」では無い部分についてリスクマージンや生産性を相談し、「実行可能」な体制・工数の見積提示を頂く事が、開発委託完了するための最も安全なアプローチと考えていま す。
・(「全ての情報を開示すべきである」と回答)こっちが信用しないと、向こうも信用しないのかなと思いますので・・・。
その他の読者の声より。
・各フェーズの定義、設計基準、レビュー範囲、テスト粒度、進捗管理、納品/検収基準などの共通基準を整備した上で、コスト/品質ランク比数、工数計算係数、品質下限の意識を共有する。そうすれば、話と判断の基準が明確になるので、余分の情報が要 りません。
↑見積もりに関するトラブルを未然に防ぐために、オフショアベンダに開示すべき情報をリストアップしてくれました。ありがとうございます。(幸地)
オフショアベンダへの情報開示は最小限にとどめたいと考える日本人は多い。過度な情報提供は事故を招きやすいというのが、その根拠だ。 一方、中国企業は、自社を日本と対等なビジネスパートナーと考えているので、日本が情報を隠しすぎると「下請け扱いを受けている」と不満が溜まる。 (本誌発行人)
一方、中国企業は、自社を日本と対等なビジネスパートナーと考えているので、日本が情報を隠しすぎると「下請け扱いを受けている」と不満が溜まる。
(本誌発行人)
●コメントボードに記載された中国人読者より。
・正確な見積もりは本当に難しい。少し高くても、別のベンダにこ の仕事を取れていかれる。もらった仕様書から計算して、何時も 工数多すぎる、もっと減らしてと言われて、ぎりぎりばかり状態 で開発スタートしました。後、仕様変更、修正だらけ。最後、テ スト時間無くなって、バグいっぱい。相変わらず、コスト増える。
オフショア開発プロジェクトでオンサイト窓口を経験した中国人マネージャーは、見積もり姿勢について次のようにコメントした。
・最初の見積から作業漏れがよく発生しましたが、発注側の立場を利用してむやみに押し付けるのではなく、「かかるものはかかる」という姿勢で追加見積をオフショア側にしてもらいました。
(東京/中国人読者)
【発注者向け】 後から、追加見積もりを認める場合と認めない場合の境目は何か。政治的もしくは営業的な理由か。それとも、純粋に責任の問題か。
【受注者向け】 オフショア開発案件を失注した本当の原因は何か。あなたの会社では、受注失敗した理由を分析して、次回の営業活動に反映させているか。
中国に見積もりを依頼したとき、本当はリソース不足なのに、我々の要望通りに「出来る」と回答がありました。でも、現実には品質問題が続出しました。 (日本人)
(日本人)
「リソース不足なら他の会社に頼みたかった・・・」。見積もりを依頼した日本企業の担当者がこう嘆いても、時既に遅し。後の祭りである。
ベトナムで活躍する読者からも似たような指摘があった。まず、日本側で大日程を組んでWBSを作成する。その後、オフショアベンダに小日程の見積もりを依頼する。すると、やはりオフショアベンダが多少無理してでも日本側の大日程に合わせてきてしまうため、本当に必要な人数と時間がわからない。
中国企業は、自社を日本と対等なビジネスパートナーと考えているので、日本が情報を隠しすぎると「下請け扱いを受けている」と不満が溜まりやすい。
オフショアベンダへの情報開示は最小限にとどめたいと考える日本 人は多い。過度な情報提供は事故を招きやすいというのが、その根 拠だ。
高度な状況判断が必要となるが、極論すると、中国に自社の事情を あまり伝えず、まずは正直ベースで見積もってもらいたいというの が日本企業の偽らざる本音である。
あなたの考えは?
☆中国オフショアベンダから正確な見積もりを受けるためには、情報開示を控えた方がよい。そうしないと、正直ベースの見積もりが出てこないから。
◆情報開示を制限したほうがよい ◆全ての情報を開示すべきである ◆その他
締切:2007年09月11日23時00分 協力:クリックアンケート
業務への影響はありませんでしたか? ・影響あり (16票)43% ・影響なし(スカイプ利用OK) ( 6票)16% ・影響なし(スカイプ禁止なので)(11票)30% ・その他 (4票)11% (読者アンケート途中結果より)
・影響あり (16票)43% ・影響なし(スカイプ利用OK) ( 6票)16% ・影響なし(スカイプ禁止なので)(11票)30% ・その他 (4票)11%
(読者アンケート途中結果より)
8/16から二日間続いたスカイプの大規模障害。日本ではお盆休暇と重なっていたので、気づかなかった人も多いだろう。また、輸出管理の問題からスカイプを禁止する企業も多い。だから、日本の大手・中堅企業では、スカイプ障害の被害は思いのほか小さかった。
スカイプだけではなく、ファイル交換機能を持つチャットツールも規制の対象となる。今さらかもしれないが、メッセンジャーを介して感染するウイルスが中小零細のオフショアベンダーの間で猛威を振るっている。
そこで、サーバー側で制御する独自のチャットツールを導入して、オフショア拠点を巻き込みセキュリティ対策に臨む会社もある。ただし、使い勝手が悪いので、利用者の評判は芳しくない。
コミュニケーション基盤が貧弱な一部の中国企業では、IMクライアントなしでは仕事が成り立たない。
お客様のアドレスから悪意を持ったウイルスメッセージが届くと、就業経験の浅い中国人作業員は無防備にクリックしてしまう。一般にはITリテラシ教育で対策できるが、人材流動の激しい中国では抜本的な対策はむずかしい。だから、最初から危ない道具は使わせない。
・Skypeにはファイル交換機能があるため、会社のPCにはインストー ル禁止となっています。(1999さん)
・日本の会社が固いなので、Skypeの使用が許されていません。(sienさん)
【1回だけクリックをご協力お願いします】
※アンケート結果は公共性の高い各種メディアで発表します。日経や@IT連載記事などの参考資料として引用する予定。オフショアリング業界全体の発展に役立てたいので、ご協力ください。
8/16から二日間続いたスカイプの大規模障害。業務への影響はありませんでしたか?
普段、スカイプ利用するけど、たまたま被害なしの場合は2番目をクリック。お盆休みだったので影響皆無という方、あるいは、自分はよく分からないけど一部では影響あったかもしれないという方も「その他」をクリックしてください。
◆影響あり ◆影響なし(スカイプ利用OK) ◆影響なし(スカイプ禁止なので) ◆その他
締切:2007年08月29日23時00分 協力:クリックアンケート
間接とは、国内パートナー企業を経由してオフショア発注すること。オフショア専業会社や中国ベンダの日本法人を経由するのは直接オフショア開発と定義します ・間接オフショア開発のメリットは大きい(42票)71% ・間接オフショア開発のメリットは小さい(16票)27% ・その他(1票) 2% (読者アンケート最終結果より)
・間接オフショア開発のメリットは大きい(42票)71% ・間接オフショア開発のメリットは小さい(16票)27% ・その他(1票) 2%
(読者アンケート最終結果より)
日本のお盆休み期間中に、さりげなく「間接オフショア」に関するアンケートを実施した。アンケート結果を簡単に振り返る。詳細は、いつものようにプレミアム版マガジンで報告するつもりである。
ちなみに、沖縄では旧盆が一般的。今年は今週末がお盆休みである。
ことの発端はこの相談内容から。
手始めに国内のパートナー会社を経由する間接オフショア開発を始めましたが、ほとんどコストメリットはありません。しかも、状況が改善される気配すらありません。
[参照] 第701号 間接オフショア開発は効果的ですか? 2007/8/15
コメントボードに寄せられた読者の声をご覧あれ。
・パートナー企業⇒中国開発会社の間で距離がある上に、発注元⇒パートナー企業を経由する事で孫受け状態になります。それぞれがオンサイト開発でないと想定すれば、直接開発でも情報伝達が重要なオフショアのリスクがさらに高まるのにコストメリットは下がるという状態になると思います。
・ベンダー選定基準やノーハウがないため、間接オフショアという楽な方法を選んだと思います。こういう場合は「オフショアコーディネータ」の助言を求めたりして、安心して取引できるオフショアベンダーを見つけ、直接発注すればローリスク・ハイリターンが実現可能です。
・2次請け、3次請け会社にはオフショア開発にしてメリットが出るような規模や作業内容の仕事が回ってきているのでしょうか?
↑Good question! あると思います。(幸地)
・従来取引している2次請け、3次請け会社に新たにオフショア開発に挑戦するよう依頼する場合と、2次請け、3次請けにそれまで取引のなかった専業会社をつかう場合とでは意味合いが違ってきますが、今回のアンケートは前者の状況を意図されているのですか?また、後者のような例は増えてきているのでしょうか?
↑Good question! 前者の状況を意図しました。オフショア企業の新規参入は難しいので、後者のような例は増加していないかもしれません。正確なデータがないので、断言できませんが。あくまでも私見ですが、大規模でしか利益を出せないオフショアベンダの存在価値はやがて低下すると思います。(幸地)
間接オフショア開発の利点といえば、発注側の手間が増えないこと。つまり、従来の国内パートナーと付き合う感覚で、手軽にオフショア開発を利用できること。失敗のリスクを避けつつ、時間をかけて徐々にオフショア発注のノウハウを蓄積する効果が期待できる。とはいえ、これは机上の空論となる可能性も大。なぜなら、本気でやらないと、貴重なノウハウが蓄積されるはずがないから。
オフショア開発の実績作りのために、まずオンサイト派遣で業務を理解。このあと中規模アプリケーション、組込系ソフトウェア開発を目指す。 (オフショア開発勉強会8月大阪場所 ゲスト講師)
(オフショア開発勉強会8月大阪場所 ゲスト講師)
20日午前、オフショア開発勉強会8月大阪場所がこじんまりと開催された。
今月のゲスト講師は、ベトナム科学技術アカデミーの吉田研究員。オフショア開発という用語がない時代から台湾メーカーと喧々諤々の交渉を重ねてきたバリバリのビジネスパーソンである。
ベトナム科学技術アカデミー IT研究所
ベトナムの最新動向をより深く理解するために、戦争と外国支配の歴史から社会主義国家としての政策の流れまで、詳細なデータを示しながら親しみやすい関西弁でプレゼンしてくれた。
1.ベトナムの概要 2.ドイモイ(維新)政策 3.ベトナムの地域格差 4.ベトナムのソフトウェア産業の動向 5.産学官共同研究とオフショア開発の今後
専門家じゃないとなかなか理解できない話題も多かったが、独自の切り口でばっさり斬ってくれた。
Q. なぜベトナムは親日国なのか? → 日本は○○○だから Q. ドイモイ政策が功を奏した理由は? → ○○○○○○○だから Q. ホーチミンよりも北部のハノイが注目される訳は? Q. ベトナムITと中国ITの最大の違いは?
Q. なぜベトナムは親日国なのか?
A. 複数の理由がある ・日本は最大の援助国だから ・ベトナム人は過去の争いを水に流せるから(未来志向)
手始めに国内のパートナー会社を経由する間接オフショア開発を始めましたが、ほとんどコストメリットはありません。しかも、状況が改善される気配すらありません。 (日本人読者)
元請けがオフショア先を指定して、国内2次請けパートナーに仕事を発注する。これは、典型的な間接発注。
「うちは中国を活用するけど、お客様には一切オフショアを意識させません」と営業活動するsubcontractor。これは、間接発注か?
顧客企業(情報システム部門)の立場で考えると、日本市場のほとんどは間接発注である。つまり、必ずしも「間接オフショア発注」イコール「悪」ではない。
沖縄県では、IT津梁パーク構想が着々と進行する。これは、国内オフショア受託を狙った活動だが、沖縄から中国やアジア諸国への再委託も視野に入っている。
従来型の原価低減を追及するビジネスモデルでは、沖縄の戦略を正当化できない。だが、価格以外の利点を訴求できれば話は異なる。
直接発注と間接発注の利点と欠点の境目はどこにあるか。2次請け、3次請け会社がオフショア開発で価値を生み出す条件とは何か?
◆間接オフショア開発のメリットは大きい ◆間接オフショア開発のメリットは小さい ◆その他
・赤字覚悟で提供する (30票) 37% ・赤字では提供しない (41票) 51% ・その他 (10票) 12% ○結果を見る (本誌アンケート最終結果)
・赤字覚悟で提供する (30票) 37% ・赤字では提供しない (41票) 51% ・その他 (10票) 12%
○結果を見る
(本誌アンケート最終結果)
●前号のおさらい。
あなたは、ある事業部のオフショア開発推進担当者だとする。外部 の協力会社が、中国子会社よりも安い提案を出してきた。あなたは、 「赤字覚悟」で中国子会社のリソースを提供するか。特に、他事業 部から協力要請があったときの対応を考えなさい。
本誌第639号より
何はともあれ、コメントボードに投稿された読者の声をみてみよう。
1 その他を選びました。 1 まずお金をグループ外に流さなくてすむから 2 外部より高サービスなら、値段交渉の余地がある 3 子会社を成長させるよい機会にも捉える
2 親会社の経営に大きな影響が無いのであれば、中国子会社に発注します。・・・
3 オフショア推進担当者としては・・・赤字であってもGOである。ただし、この利点の効果を客観的に金額換算することが難しいので事業部長への説得が難しい。
4 赤字では提供しないと回答しました。一番の理由は赤字経営だと、中国人従業員に満足な給料が払えなくなり、せっかく確保した人材が流出してしまうからです。
5 より低賃金な会社を利用するのは仕方が無いと思います。
大型連休中にも関わらず、81件のクリック協力と7件のコメントが投稿された。とてもありがたいのだが、結果をみておやっと思った。
巷では、プロジェクト単体の収支を度外視した中国発注が溢れかえっているため、赤字覚悟でも自社の中国リソースを活用するとの回答が過半数を超えると予想していた。
私の事前予想は外れた。
今回のアンケートは「実態調査」ではない。あくまでも、読者一人ひとりの個人的な主張に過ぎない。したがって、本結果を意思決定の参考材料としようとする人は、「実態」と「現場の声」にギャップがある可能性を念頭において欲しい。
P.S. 「子会社より外部の協力会社がもっと安いとしたら」の模範解答は、今週のプレミアム版メルマガで紹介します。
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■ 問いかけ
あなたが所属する事業部Aでは、中国子会社を使ったオフショア開発の実績があります。苦労しましたが、現在はそれなりに成功するようになりました。同じ会社には、まだオフショア開発に取り組んでいない事業部Bがあります。ある日、事業部Bから依頼がありました。
「顧客からコスト削減の強い要請があり、うちでもオフショア開発を検討している。単純に費用だけで判断すると、外部の協力会社に委託する方が安いが、ぜひ社内リソースを活用したい。ぜひ事業部Aからサポートしてほしい」
事業部Aのあなたは、事業部Bにオフショア開発を展開するよい機会だと思い承諾しかけました。ところが、話の続きがあります。
「ただし、予算の都合上、事業部Aに十分な費用を払えない」
つまり、オフショア開発が得意な外部の協力会社を使えば、安く済みます。ですが、社内リソースを使いたい。ところが、事業部Aに依頼する方が外部業者よりも高くつきます。
あなたが、事業部Aのオフショア開発推進の担当者なら、どのような判断を下しますか。
◆赤字覚悟で提供する ◆赤字では提供しない ◆その他
締切:2007年05月04日23時00分 協力:クリックアンケート
オフショア開発推進室やPMO(Project Management Office)といった別部隊によるプロジェクト監査を実施していますか。 (オフショア大學)
(オフショア大學)
多くの会社では、プロジェクト実行部隊から独立した監査機構を持っていて、計画的にプロジェクト監査を実施している。CMMに積極的な中国ベンダの多くも、SQA(Software Quality Assurance)を設置して品質管理の仕組みを導入している。
ところが、監査の形骸化を指摘する声は少なくない。また、中国では品質保証室が不人気だという指摘もある。理由を聞いてみたら、
・キャリアとして確立されていない ・仕事ができない人が配属されるイメージが背景にある
ということだ。
技術志向の強い中国人IT技術者にとって、スタッフ部門への異動は左遷に等しいのかもしれない。実際、品質保証室がやることといえば、日本語で品質報告書をひたすら書き続けるだけ。これでは、技術者のモチベーションが上がらないのも当然である。
オフショア開発においては、進捗状況や品質状況等の状況を正確把握する為の時間が非常に多いと思います。 (オフショア大學/日本人)
(オフショア大學/日本人)
昔から、日本人は自分や家族を犠牲にしてまで会社に尽くしてきた。そして、実際に卓越した結果を出してきた。まさにNHKプロジェクトXの世界であった。
ところが、あなたが初めて接する外国人技術者ときたら、プライドが高く、自分を犠牲にしてでもプロジェクトに貢献しようとする姿勢がまるで感じられない。
・昔はよかった ・自分らが若いころは二徹・三徹も当たり前だった ・毎朝、部下がきちんと出社しているかの確認からはじまる ・中国人が会社所有のソフトを勝手にコピーしてたので注意した ・出社したら開発室がラーメンとニンニクの匂いで充満
オフショア開発の現場では、毎日こんな愚痴がこぼれてくる。時代は変わった。何が原因かわからないけど、日本のソフト技術者を取り巻く環境は激変した。
オフショア開発では、もはや感動的なプロジェクトXはありえない。最初はいやいやだったけど、リーダーの人柄にほだされて最後は一致団結してプロジェクトを成功に導いた、なんて話はオフショア開発では難しい。
オフショア開発でプロジェクトXが難しい理由はいくつもある。まず仲間の顔が見えないこと、コミュニケーション手段が文字中心になること、プロセスや規約・基準によるガチガチの管理手法がとられること。しかも形骸化しやすくリーダーシップも発揮されない。遠隔地で進められるオフショア開発では「呑みニケーション」すらできない。性悪説で管理するため、確認に時間もかかる。
あなたの周りからこんな愚痴が聞こえてきたら、いったいどうすればよいだろうか。
日本人:何年も留学・駐在して、native同様に英語を話すレベル 中国人:辞書を使って仕様書を読めるレベル。 採用面接では、挨拶程度の実力あれば英語ができると主張。
新年度に入り、新しい読者が一気に増えた。そこで、経験者には耳タコかもしれないが、久しぶりに初歩的なネタを紹介する。社内で初心者を指導する際に使っていただきたい。
日本と中国では、大丈夫/出来ました/理解したの意味が微妙に異なる。
「大丈夫です」
日本人:全体が100%完璧であるときに使う表現 中国人:全体の一部が大丈夫であれば、使ってよい表現
「(プログラムが)出来ました」
日本人:あらゆる条件に合格する成果物が完成した 中国人:自分で定めた基準に合格することのみを保証 (合格基準は、通常日本側のそれよりも甘い)
「(仕様を)理解しました」
日本人:100%OK。これでオフショア開発に着手できる 中国人:説明されたことは理解した。抜け漏れがあれば、また説明してください
ただし、不用意に「中国人とは・・・」を語ると、過度の一般化を招き、聞き手に不快感を与える恐れがある。「全ての中国人がそうとは限りません!」と反論されることもあるので、説明するときには相手への配慮を忘れずに。
ここでクイズ。
あなたは、中国人にレポート作成を依頼しました。すると、相手は「ハイ、了解しました」と快く返答。その直後に「レポートのサンプルをください」といわれました。中国人がサンプルを欲しがる理由を全て挙げなさい。
あるオフショア開発プロジェクトの納品直後の出来事。発注側のあなたは中国企業に対して「バグ原因を詳細に分析して、問題発生の傾向と対策を報告しなさい」と指示したところ、中国から「了解しました」と快く返事が返ってきた。 ところが1週間経っても音沙汰なし。そこで、あなたはもう一度催促した。今度は「報告書のサンプルをください」と中国から回答があった。 あなたは、この会話から危ない兆候を感じ取れたか。この会話に潜むリスクを全て洗い出しなさい。なお、品質評価レポートの作成は、最初からプロジェクト計画に含まれていると仮定する。 (オフショア大學/事例研究課題 より)
ところが1週間経っても音沙汰なし。そこで、あなたはもう一度催促した。今度は「報告書のサンプルをください」と中国から回答があった。
あなたは、この会話から危ない兆候を感じ取れたか。この会話に潜むリスクを全て洗い出しなさい。なお、品質評価レポートの作成は、最初からプロジェクト計画に含まれていると仮定する。
(オフショア大學/事例研究課題 より)
今日も、オフショア大學の講義から話題を提供する。
あるオフショア開発のプログラム納品直後に品質評価報告書を提出するよう指示したところ、「了解です ⇒ サンプルをください」と回答があった。
あなたは、上記の課題文からいくつリスクを抽出できただろうか?
・納品済んだので、既にメンバー解散しちゃったリスク ・バグを潰して時間が経ったので、もはや問題分析できないリスク ・報告書作成のモチベーションが低下しちゃったリスク
少し考えただけでも、これだけのリスクが思い浮かぶ。他にもいろいろあるだろう。報告書作成(reporting)には高度なスキルと経験が要求されるが、経験の浅い中国人リーダーはその訓練を受けていない可能性がある。
問題解決(problem soluving)に必要な能力が備わっていない開発リーダに報告書作成を依頼しても、最初の取っ掛かりすらつかめないだろう。
・事実ベースで状況を分析する力 ・論理思考で課題を発見する力 ・理想論ではなく現実的な解決策を打ち出す力 ・相手に伝える提案力&プレゼンテーション能力
オフショア開発プロジェクトの評価報告をまとめるとき、言語や文化・商慣習の壁が立ちふさがると「ダメだこりゃ。もういいや」となって、PCDAサイクルを正しくまわす気力が失われる。オフショア推進の動機付けを失ったら、この組織はもうおしまいである。
ディスカッション用のDBに開発者に中国語で質問を書いてもらっています。翻訳は後からしてもらいますが書いてもらった時点で不明な点は大体わかります。他の開発者の質問も見られるので、同じ質問は来にくいです。 (アンケート回答者/コメントボードより)
(アンケート回答者/コメントボードより)
オフショア開発のQ&A窓口(質問取りまとめ担当)をどこに置くべきか。まだ回答者数は少ないが、読者アンケートの中間結果は面白い。
中間結果を見る
アンケート回答者の1人から、日本と中国の間に共有DB(掲示板?)を設置する事例が紹介された。ポイントは、中国人プログラマーに「中国語」でドシドシ情報を上げてもらうこと。この手の情報提供は大歓迎である。
日本と中国の間に設置されたディスカッション用DBについて、気になること。
・ディスカッション用DB上で懸案事項管理などは実現可能か ・Q&A台帳のようなものを別途管理しているのか ・質問するには、必ずDBに書き込まないといけないのか ・DB書き込みへのインセンティブの有無
メルマガで指摘した点に注意していれば大きな問題にならないと思いますが、非常に危うい要素をはらんでいます。 (北京/日本人駐在員) 参照→ http://www.ai-coach.com/backno/cip0618.html
(北京/日本人駐在員)
参照→ http://www.ai-coach.com/backno/cip0618.html
仕様確認などのQ&Aの爆発を防ぐために、中国側に質問取りまとめ担当をおく会社が多い。と昨日号に書いた。中国側でキチンと質問を取りまとめると日本側はとっても助かる。
ただし、以下の懸案事項があることもあわせて指摘した。
・中国側の待機時間が増加する ・窓口担当者への依存度合いが増す、 ・日本が気づかない間に暴走してしまう
Q&Aの窓口機能をどこに置くべきか。原則としては質問する側に置くべきだろう。だが、過去にたくさんの失敗事例を見てきた日本人駐在員は、その危険性を説く。
「窓口」が当該プロジェクトの営業側トップとか、責任者(あるいは小さな会社であれば社長)の場合、会社のラインと、情報伝達が一元化出来ているので問題ない。問題は、相手企業で、日本語能力がありコミュニケーションの出来る人間がどの地位に居るかである。
私の常識では、Q&A窓口は日本語が堪能な開発リーダーが務めるべきである。しかし、その常識が通用しない事態も予め想定しないといけない。特に、日本語人材が不足する中国内陸部やベトナムが相手のプロジェクトでは要注意である。
【読者アンケート】
☆オフショア開発のQ&A窓口(質問取りまとめ担当)をどこに置くべきですか。
◆中国側に置くべき ◆日本側に置くべき ◆窓口担当者は要らない ◆その他
締切:2007年04月03日23時00分 協力:クリックアンケート
中国側に質問取りまとめ担当者を置く。そして、日本からも積極的に設計書レビューに参加する。ですが、各種レビューに費やす工数は品質とのトレードオフだと思います。 (オフショア大學講義より)
(オフショア大學講義より)
Q&A爆発を防ぐためには、中国側に質問取りまとめ担当を置いた方が良いのか。それとも、日本側の窓口を一本化して、中国からは誰でも自由に質問が投げられる体制が望ましいか。
どちらかと言えば、中国側に質問取りまとめ担当をおく会社の方が多いようだ。ただし、中国プログラマーの待機時間が長くなって生産性が落ちないか、質問取りまとめ担当者がボトルネックになって、全体進捗が滞らないかの心配が残る。
中国側の窓口担当者が仕様をキチンを把握していないと、間違った理解に基づいて勝手に質問を整理する。最悪の場合は、日本語通訳が自分勝手な解釈で質問に回答してしまうこともある。こうなると、かえって混乱を招きかねない。
質問の取りまとめ役は、なかなかレベルの高い仕事だと思う。
オフショア開発で性急な結果を求める人は、「中国にゼロから基礎を教えるくらいなら、従来通り国内パートナーを使った方がましだ」と不満をぶちまける。
短期的には、どの会社でも品質・コスト・納期のトレードオフに頭を悩ませている。長期的には、品質強化がコスト削減にもつながると頭で分かっていても、短期的なトレードオフは常に問題となる。
「バグが見つかったら、責任をもって最後まで直す」 「ほうれんそうが出来ていない」 「仕様変更のプロセスが曖昧だったので追加費用の交渉が難航した」 それぞれの場面における「責任」の違いを考慮して、オフショア開発リーダーが果たすべき責任について議論しなさい。 (オフショア大學講師/幸地司)
それぞれの場面における「責任」の違いを考慮して、オフショア開発リーダーが果たすべき責任について議論しなさい。
(オフショア大學講師/幸地司)
ある日本人は、信頼する中国ベンダーの窓口担当者と口約束を交わした。ところが、その担当者が交代した途端、後継者は書類がないため約束したことにはならないと宣言してきた。
いつまで経ってもオフショア開発で結果が出せない会社や組織では、圧倒的に説明責任(Accountability)が足りないと感じている。具体的には、ステークホルダーの洗い出しが甘く、間接的な関係者への配慮が不十分である。
さらに、仕様にせよプロセスにせよ生データにせよ、必要最低限の情報しかオフショアベンダーに与えないのもトラブルを誘発する原因の1つとなる。
オフショア開発における「責任」とは、一体どういう意味か。この問いを理解するには「責任」を英語に翻訳するとよい。
Responsibility Accountability
日本企業には「失敗したら腹を切る」と言わんばかりの責任感は充満しているが、説明責任(Accountability)を果たす雰囲気は弱い。
前回の反省を活かして、中国側は見積もり前に仕様書を細かく読み込んでいろいろと質問してくるようになりました。 (オフショア大學の議論より)
(オフショア大學の議論より)
オフショア開発を成功に導くには、日本とオフショアベンダーが一体となって、継続的な改善を積み重ねるしかない。中国が作業に着手する前に仕様書の不備を指摘する、日本は指摘を受けて仕様書の精度を高める。なんて美しい、理想的な光景だろうか。
ところが、ここで1つの疑問が湧いてきた。オフショアベンダーが正式に受注する前に仕様書を細かく読み込む工数を「誰」が負担すべきか。理想と現実のギャップが大きい、賛否両論を呼びそうな課題である。
【関係者の声】
・うちでは中国サイドの工数でした
・発注側です。オフショア開発を行う場合、単なる仕様説明を行って、開発を始まると、後々質問や確認など絶えずに出てきて、結局オーバヘッドが発生しやすいでしょう。
・見積前に1~2時間仕様書に目を通すのは、こちらの負担だと思います(オフショアベンダ側)
日本の要求仕様書は粒度が粗いことに加えて仕様も未確定。そのため、中国側は見積もり前に仕様書を細かく読み込んでいろいろと質問する作業が必須である。
このようなオフショア開発を正式に契約する前に発生する仕様把握の工数を誰が負担しているのだろうか。実態を把握したいので、理想論「~すべき論」ではなく、あなたの組織の現状で答えなさい。