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元TOEICスコア230点でもインドオフショア開発で活躍 2008/6/27
ホーム アンド アウェイ
ネイティブ言語を使う場合は、ネイティブ側が会話に責任を負うべきであると思う。
(インド開発現場/日本人SE)

日本向けインドオフショア開発の現場から、日本人ブリッジSEが体験した小ネタ&TIPSをお届けします。


~インド現場便り vol.4~

日本人エンジニアの英語力が低いといわれている根拠にTOEIC スコアがあるが、TOEIC 受験者数の過半数が日本人であるというのも事実である "※TOEIC Newsletter 89号(2005年1月)" 。

※TOEICテスト公式データ
http://www.toeic.or.jp/sys/letter/News89_7111.pdf。

インド人のエンジニアにTOEICテストは知っているか? と聞いても存在すら知らない事が多い。筆者がインドオフショア開発に携わる以前のTOEICスコアは230点であった。

一般的な日本で英語教育を受け(日本の英語教育がどうであるかという議論はあるが・・・)、その後場慣れする場があり、場慣れしただけなのである。

また追記しておくべき事として、英語には大なり小なり母国語のアクセントが影響してくるが、筆者はインドの英語アクセンスに場慣れしてきたので、その他の国の英語のアクセントは慣れていない。

情報提供:向井永浩 Softbridge Solutions (Japan) Co Ltd
http://www.softbridge.jp


■問いかけ

あなたは、オフショア開発の成功に必要な英語力を持っていますか。この問いかけのキモは、ある”能力”をどのように定義するかにかかっています。能力を2つに大別して、考察するとよいでしょう。

1.現在持っている知識、技能
2.将来に渡り成果を発揮しつづけるだろう能力

例えば、英語が流暢にしゃべれるからといって、誰もが国際ビジネスで活躍できるわけではありません。能力1があっても、能力2が不足しているからです。


2008年06月26日 07:30 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

元TOEICスコア230点でもインドオフショア開発で活躍 2008/6/26
ホーム アンド アウェイ
ネイティブ言語を使う場合は、ネイティブ側が会話に責任を負うべきであると思う。
(インド開発現場/日本人SE)

日本向けインドオフショア開発の現場から、日本人ブリッジSEが体験した小ネタ&TIPSをお届けします。


~インド現場便り vol.4~

日本人エンジニアの英語力が低いといわれている根拠にTOEIC スコアがあるが、TOEIC 受験者数の過半数が日本人であるというのも事実である "※TOEIC Newsletter 89号(2005年1月)" 。

※TOEICテスト公式データ
http://www.toeic.or.jp/sys/letter/News89_7111.pdf。

インド人のエンジニアにTOEICテストは知っているか? と聞いても存在すら知らない事が多い。筆者がインドオフショア開発に携わる以前のTOEICスコアは230点であった。

一般的な日本で英語教育を受け(日本の英語教育がどうであるかという議論はあるが・・・)、その後場慣れする場があり、場慣れしただけなのである。

また追記しておくべき事として、英語には大なり小なり母国語のアクセントが影響してくるが、筆者はインドの英語アクセンスに場慣れしてきたので、その他の国の英語のアクセントは慣れていない。

情報提供:向井永浩 Softbridge Solutions (Japan) Co Ltd
http://www.softbridge.jp


■問いかけ

あなたは、オフショア開発の成功に必要な英語力を持っていますか。この問いかけのキモは、ある”能力”をどのように定義するかにかかっています。能力を2つに大別して、考察するとよいでしょう。

1.現在持っている知識、技能
2.将来に渡り成果を発揮しつづけるだろう能力

例えば、英語が流暢にしゃべれるからといって、誰もが国際ビジネスで活躍できるわけではありません。能力1があっても、能力2が不足しているからです。


2008年06月26日 07:00 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

信頼関係を定義せよ 2008/6/24
信頼関係が大事というが
オフショア開発者は、念仏のように「信頼関係」を唱えますが、そもそも「信頼」の定義が曖昧なので、議論に一貫性を欠きます。
(幸地司/オフショア大學)

オフショア大學の今週のテーマは「コーチング」と「信頼関係」。メイン講師はオフショア開発PRESS を執筆した根本隆吉氏(*)。私は、裏方にまわって受講生の理解を深めるアシスタントに徹します。

*オフショア開発PRESS「中国工場に学ぶオフショア開発の極意」
http://press.1offshoring.com/


コーチング講座では、ラポールという信頼の架け橋が重要だと教えられます。ところが、泥沼化したオフショア開発の現場で「信頼関係」と叫んだところで、問題解決には全く寄与しません。

私たちは、可視化された操作可能な変数にこそ注意を払わないといけません。オフショア開発で「信頼関係」を口にする者がいれば、あなたは条件反射的に警戒しましょう。相手は、信頼関係を測る可視化された変数(基準値)など持ちあわせていないから。


■問いかけ

オフショア大學「コーディネート概論」で出題された問いかけより。

問1 信頼関係を定義しなさい
問2 オフショア開発で信頼関係が重視される理由を述べなさい
問3 信頼関係を強化する方法を論じなさい

【前提条件】
あなたの部下、もしくはあなたの後輩に向けて説明する場面を想定。

【制約条件】
マネジメント経験がほとんどない20代の若手技術者に説明するつもりで、分かりやすく、具体的に回答すること。



2008年06月24日 07:00 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

説明したのに「そんなことは初耳」と言わんばかり 2008/6/23
印刷設定への配慮は過剰サービスか?
詳細設計書をエンドユーザ様が読まないのであれば、電子媒体のみで良いし目を通してくれるのであれば、印刷を前提にするということであると思う。
(読者アンケート掲示板より)

ある中国オフショア拠点で、印刷設定への配慮不足が問題となりました。日本人駐在員が「MS-Excel設計書は危険なので、印刷プレビューして、ページ割り付けを確認してから日本に送付すること」と何度も指導したのに、確認怠りが3度も続きました。

この状況を目の当たりにして、日本人駐在員は激怒しました。ところが、当の本人は「そんなことは初耳」と言わんばかりに、ケロッとした顔でこちらを見つめます。


■問いかけ

なぜ、この中国オフショア拠点では、「印刷プレビュー」を怠るという同じ問題が3度も続いたのでしょうか。あなたの仮説を立てなさい。必要なら、自社の状況に応じて前提条件&制約条件を設置すること。


第27回オフショア開発勉強会の日程決まりました

次回のオフショア開発勉強会の日程が決まりました。

第27回目の東京場所は、7/25(金)夕方です。
しかも、ゲスト講師のご厚意により、特別3時間コースとなります。
演習をたっぷり、事例も満載なお得な勉強会です。

人数限定なので、スケジュールを空けておいてくださいね。

テーマは「CCPM(Critical Chain Project Management:クリティカルチェーンプロジェクト管理)と分散開発」。

申込み方法は後日案内します。


2008年06月23日 16:49 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

印刷設定への配慮は過剰サービスか? 2008/6/18
新興国ならでは
インド開発現場には、電子データに印刷設定をするという習慣もない。またエクセル等を印刷した際のことを考慮し、罫線を引くということもあまりしない。
(インド開発現場/日本人SE)

日本向けインドオフショア開発の現場から、日本人ブリッジSEが体験した小ネタ&TIPSをお届けします。


~インド現場便り vol.2~

多くの日本人エンジニアは印刷設定のことを考慮せずに、ユーザに送付するのは失礼と感じている人も多いだろう。しかしプリントアウト前提の考え方は問題あるのではないか?

われわれ日本人エンジニアはインド開発現場を見習うべきではないと感じる。ペーパレス化はインド開発現場の方が浸透しているのではないかと感じる。

情報提供:向井永浩 Softbridge Solutions (Japan) Co Ltd
http://www.softbridge.jp


読者からのご意見

・仕様書作成でも「印刷」を考慮したデザインは重要ですね。赤・青・黄等の色を駆使して、「カッコいい&分かりやすい」仕様書を作って出張しても、仕様書説明ではモノクロ印刷のものを持っているPG君達。「赤い線が指す部分は」「青いエリアは」なんて説明しても、自分以外はみんなグレーだったり(笑


・弊社では、新人の時からプレビューの確認を徹底するよう指導しています。それは会議やレビュー作業の際、紙を配布、紙で確認する文化だからです。膨大なドキュメント量を画面で確認していくのが辛く、紙に出して確認する方が楽だからです。私自身も変える見込みが立ちません。


■問いかけ

あなたの周囲を見回して、紙資料を確認してください。無駄に印刷されたMS-Office などの資料はありませんか。たまに、電子データの印刷設定を無駄と思うことはありませんか。ペーパーレス化について、日本はオフショア拠点に学ぶべきだと思いますか?

◆そう思う
◆そう思わない
◆その他

○結果を見る
○コメントボード

締切:2008年06月26日23時00分
協力:クリックアンケート


2008年06月18日 07:32 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

紙出力の習慣がないインドでは、エクセル印刷時の考慮なし 2008/6/17
新興国ならでは
インド開発現場には、電子データに印刷設定をするという習慣もない。またエクセル等を印刷した際のことを考慮し、罫線を引くということもあまりしない。
(インド開発現場/日本人SE)

日本向けインドオフショア開発の現場から、日本人ブリッジSEが体験した小ネタ&TIPSをお届けします。


~インド現場便り vol.1~

現在、私は日本の開発現場で勤務している。周りの多くの日本人エンジニアは設計書をプリントアウトして開発をしている。これはすなわちプリントアウト版と電子データ版との文章2重管理である。ここで問題なのが、変更が入った場合である(開発フェーズに入ったら原則設計書に変更すべきではないのだが・・・)。

変更が入ったら再度プリントアウトするのである。しかしプロジェクトも忙しくなってくると、この2重管理でギャップが生じる場合も度々ある。

一方、インド開発現場では設計書等をプリントアウトするという習慣が殆んどない。開発者は全てパソコン上で確認する。従って上記のような問題は生じない。

しかし電子データに印刷設定をするという習慣もない。またエクセル等を印刷した際のことを考慮し、罫線を引くということもあまりしない。そもそも特定のPC以外はプリンタがインストールされていないので、ワード&エクセル等の印刷プレビューボタンがグレーアウトしているのである。

情報提供:向井永浩 Softbridge Solutions (Japan) Co Ltd
http://www.softbridge.jp


■問いかけ

あなたの会社で、MS-Office などの電子文書が印刷配布されることを考慮しながら作成される工数と効果の関係を洗い出しなさい。無意味な作業はなくすべき。有意義な作業なら継続・改善すればよい。

文責:幸地司(オフショア大學)


2008年06月17日 12:20 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

米国人にとってやっかいな中国の8特徴 2008/6/16

●米国人にとってやっかいな中国式交渉の特徴をなす8つの要素。

1. Guanxi (Personal Connections)
2. Zhongjian Ren (The Intermediary)
3. Shehui Dengji (Social Status)
4. Renji Hexie (Interpersonal Harmony)
5. Zhengti Guannian (Holistic Thinking)
6. Jiejian (Thrift)
7. Mianzi ("Face" or Social Capital)
8. Chiku Nailao (Endurance, Relentlessness, or Eating Bitterness and Enduring Labor)

出典:“The Chinese Negotiation,” Harvard Business Review,
Vol. 81, No. 10, October 2003. John L. Graham and N. Mark Lam


■問いかけ

和諧
整体観念
関係
中間人
吃苦耐労
節約
社会等級
面子

上記1~8の特徴とA~Hの単語を結びつけなさい。次に、なぜ米国人は、前出の8つの特徴にとまどうのかを答えなさい。


さらに余力があれば、次の問いにもこたえなさい。

・日本人なら素直に受け入れられる中国式交渉の特徴はどれか?
・米国人と同様に日本人もまごつく中国式交渉の特徴はどれか?


上記問いかけに対する私の見解は、今夜のオフショア開発勉強会で発表します。今月のテーマは「文化的相違を考慮した交渉術」。

詳細→ http://www.ai-coach.com/seminar/workshop.html


2008年06月16日 07:01 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

次がよくても、次の次はまた失敗 2008/6/12
国内向けプロジェクト計画書を流用しましたが
中国ベンダ向きに書き換えて内容を説明し、承認印をもらい、現地へ行って通訳を交えてメンバーへ説明もしましたが、あまり効果はあがりませんでした。
(日本人プロジェクトマネジャー)

初めての相手とオフショア開発する際には、マネジメント業務で要求される管理帳票や各種ツールの説明だけで軽く一日を要する。管理ツール一式を電子媒体で送りつけるだけで対面による説明のプロセスを省略してしまうと、後で痛い目に遭う。

ところが、進捗報告やバグ票のテンプレートを用意して、記入法を丁寧に説明しても失敗を防げなかったとの報告があります。

・ブリッジSEが消化不良を起こした
・現場レベルで記入法や運用規約が守られなかった


■成功の勘所

ほとんどの組織では、上記の対策として管理項目が具体的に可視化された分かりやすいチェックリストを用意する。その結果、次回のプロジェクトでは首尾よく成功を収める。ところが、次の次の機会に再び悪夢が襲ってくる。また同じ失敗を繰り返す。

いったいなぜ? 
あなたの考えを送る → mailmag@ai-coach.com



2008年06月12日 16:02 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

プログラマの製造責任と不具合分析 2008/6/11
原因不明のエラーが発生したとき
日本側は自分に問題があることを前提に調査しますが、オフショア側は「自分達の処理は問題ない」という前提で調査を行っているように感じました。
(オフショア大學)

次の見解の相違は、文化的相違が原因だろうか?


・中国では作る人とチェックする人の役割分担が明確なので、一通り動作する時点でプログラマの製造責任は果たされた。その後の詳細確認は、プログラミングとは別工程であり、仕事の依頼者(プログラマの上司、または発注者)が品質保証に責任を持つべきである。

日本的風習→プログラマが最終の品質保証にまで責任を負う


・中国ベンダ内の試験に合格した納品物を本番環境に配備したら、原因不明の不具合が発生した。もしも、中国側の責任なら無償修正に応じるつもりだが、単体試験は合格しているので不具合分析は日本側の責任である。

日本的風習→問題発生時、作った本人が現場に急行して不具合分析


■成功の勘所

オフショア開発者が異文化コミュニケーション論を学ぶ意義は、人と問題を分離して不具合原因を個人的資質に求めすぎないようにするためである。

【×】また問題が発生した。これは担当者Aさんが悪い。プロジェクトからAを外せ。

【◎】また問題が発生した。これはAさんの個人的資質ではなく、文化的相違に起因する。だから、Aさんへの個人攻撃を避けて、組織全体で対処すべきである


2008年06月11日 21:53 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

言語の壁と裏事情 2008/6/10
外国語が聴き取れない
「外国語が聴き取れない」ことを認めるのはプライドを傷つけることだと思っているようです。
(オフショア大學)

●オフショア大學の発言より。


・中国人プログラマは、他業種の人と比べて言葉の表現に乏しい。簡単に「やりません」「できません」というが、よく状況を確認すると、諸問題があって実現が難しいこともある。だが、報告を受ける側としては、やる気のない消極的な態度にも感じられる。


・日頃の雑談では、聞き取れなくて確認をするのは恥ではなく、確認を疎かにしてトラブルを起こすことこそ恥ずかしいことだと話している。「分かったふり」が原因でトラブル発生するリスクに無頓着なことが問題である。


■成功の勘所

・中国人プログラマは、中国語であっても”報告・連絡・相談”の表現力に乏しい

・中国人の中級プログラマにとって「日本語を聴き取れない」とは面子がつぶれると同義


2008年06月10日 07:57 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

”文化の壁”があるのは当たり前 2008/6/9
「あうんの呼吸」をやめて組織を強くする
アンケートの結果、回答者のうち85%が職場で外国人と一緒に働いたことがあると答えた。このうち、意思の疎通に問題があったかどうか聞いてみたところ、「ある」と答えたのは71%に上った。
(日経ビジネスオンライン)

オフショア大學コーディネート概論第2週目の課題は、異文化コミュニケーション・マネジメントについて。「待ってました」とばかりに白熱した議論が繰り広げられるかと思いきや、意外にも慎重な発言が目立ちました。

文化の壁によって生じる業務上の問題を列挙せよ、というのが課題ですが、オフショア開発で発生する諸問題を何でもかんでも「文化の壁」と帰着する事に抵抗を感じたのかもしれません。また、商習慣や価値観の違いを「文化の壁」と言っていいのか迷ったのかも
しれません。

日経ビジネスオンラインが調べた外国人と一緒に働くうえで感じた問題点や課題によると、職場で意思疎通を妨げた要因の第一位は価値観の違い(54%)、次いで言語の違いが30%でした。

第一位 価値観の違い(54%)
第二位 言語の違い(30%)
第三位 文化や宗教などの違い(12%)
第四位 特に影響を受けていない(4%)

「あうんの呼吸」をやめて組織を強くする
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20080606/


■成功の勘所

異文化コミュニケーション・マネジメントの出発点は、互いの「違い」を認めること。あらゆる現象を”文化の壁”と称する態度は慎むべきだが、同様に「何でも話し合えばわかる」と考えるのも早計。真面目な人ほど自社や自国の欠点を並べるが、文化論においては批判や博愛主義はどちらも思考停止と同じである。



2008年06月09日 23:07 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

勝手に第三者のソースコードが流用されていたら 2008/6/5
中国から納品されたソースコードを眺めていたら
オープンソースの無料ソフトからソースコードが勝手に流用されているようです。どう対処すべきでしょうか?
(日本人SE)

●次のケースを読んで、後述する問いに答えなさい。


中国から納品されたモジュール一式の受け入れ検査が急ピッチで進みます。機能要件の確認が済み、必要書類も揃っていることから、まもなく検収です。

今後の保守・改修を見据えて、今のうちから少しずつソースコードに目を通しておこうと思います。すると、モジュールの一部から、これまでと雰囲気が異なる箇所が見つかりました。

コメントのスタイルが違います。
コーディングスタイルが違います。
よく見たら、全く知らない copyright (c) が含まれています。


どうやら、勝手に第三者が作成したオープンソースの無料ソフトのソースコードが流用されているようです。現在、日本側で気づいているのは、私だけ。

納期遅延は絶対に避けたいところですが、検収後は完全に日本側で保守メンテする約束になっています。いったい、どうすれば良いでしょうか。


●問い

もしあなたが保守・改修作業を引き継ぐ担当者だとしたら、問題視される外部ソースコードの流用部分をどうするか?


2008年06月05日 23:54 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

勝手に知らない外部ソフトが組み込まれていたら 2008/6/4
中国から納品されたソースコードを眺めていたら
発注者への相談もないまま勝手にオープンソースの無料ソフトが使われているようです。どう対処すべきでしょうか?
(日本人SE)

●次のケースを読んで、後述する問いに答えなさい。


中国から納品されたモジュール一式の受け入れ検査が急ピッチで進みます。機能要件の確認が済み、必要書類も揃っていることから、まもなく検収です。

今後の保守・改修を見据えて、今のうちから少しずつソースコードに目を通しておこうと思います。すると、モジュールの一部が、私の知らない外部ソフトを呼び出していることに気づきました。

どうやら、発注者への相談もないまま勝手にオープンソースの無料ソフトが使われているようです。現在、日本側で気づいているのは、私だけ。

納期遅延は絶対に避けたいところですが、検収後は完全に日本側で保守メンテする約束になっています。いったい、どうすれば良いでしょうか。


●問い

もしあなたが保守・改修作業を引き継ぐ担当者だとしたら、問題視される外部ソフトの呼び出し部分をどうするか?


[PR] 2008年6月16日オフショア開発勉強会(東京)
「文化的相違を考慮した交渉術」にて、このような交渉の勘所を扱います。
http://www.ai-coach.com/seminar/workshop.html



2008年06月04日 13:15 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

アーキテクチャ設計は日本側がソースコードレベルで担当 2008/6/3
オフショア側の方が効率がよい領域
あまり「効率がよい領域」が思い当たりません。
(日本人)

オフショア大學「コーディネート概論」は、今週から第2週目に突入。先週は、管理姿勢の強弱やオフショア拠点に委託可能なマネジメント領域について議論した。初回の課題には、81件の書き込みが寄せられた。

* オフショア大學「コーディネート概論」の授業は100%サイバー空間で行われます。
http://www.offshoringleaders.com/


先週は、オフショア開発をいくつかの観点で分割して、厳しい管理で臨む場面と、自主性を重んじる支援型の管理で臨む場面とに分けて議論を進めた。

例えば、中国側の力量を正確に見極めた結果、下記方針で成功を収める日本企業が報告された。

・アーキテクチャ設計は日本側がソースコードレベルで担当
・いざとなれば日本側でソースを修正できる体制を維持


■成功の勘所

日本側が自社で対応すべき活動領域を中核活動といい、アウトソース可能な活動領域を代替可能活動という。この両者の見極めは、オフショア開発の成功に直結する。



2008年06月03日 08:50 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

外注先メンバーの休日申請を却下 2008/5/27
オフショア開発の管理方針
オフショア開発プロジェクトでは、カリスマ的なリーダーシップを発揮した厳しい管理が有効だと思いますか? それとも、支援型の目立たないリーダーシップによる自律性を尊重する管理が有効だと思いますか?
(オフショア大學/今週の討論テーマ)

先週末から始まったオフショア大學「開発コーディネート概論」では、毎週替わる討論テーマに沿って、クラスで各自の体験を共有する。

今週の討論テーマは「厳しい管理、支援型の管理」。管理方針について「厳格型か支援型か」と二元論的に質問されると、私たちは、つい「自律を重んじる支援型の管理を・・・」と答えてしまいがちだ。ところが、よく考えると、これは意地悪な問いかけである。

管理方針には、原則として善悪はなく、組織によって向き不向きがあるだけである。つまり、厳しい管理が相応しい工程もあれば、支援的な管理が相応しいチーム構成もある。

厳格な管理方針で知られるA社は、委託契約にも関わらず、受託企業B社のメンバの出退勤にまで口を出すという。

「ある日、B社のPLが私用のため事前に休暇申請を出したら、お客様であるA社から拒否された」

休暇申請の却下理由を確認すると、仕事が未完成のうちは「社会人として休む資格はない」とのこと。これは、国内オンサイト開発での出来事だが、話題を提供してくれた中国人オンサイト技術者のモチベーションは一気に低下したという。

[PR]”社会人だから・・・”という言い訳が日本で通用する理由を知りたい方へ オフショア開発PRESS特集3をご覧あれ!
http://press.1offshoring.com/index.html


■成功の勘所

多国籍チームでは、「社会人だから・・・すべき」の理屈は通用しないことが多い。その理由を合理的に説明しよう。

・なぜ日本では「社会人だから・・・」が通用するか?
・なぜ多国籍チームでは「社会人だから・・・」が通用しないか?

次に、多国籍チームを率いる際に「社会人だから・・・」の代わりに使える理屈や言い回しをそれぞれ1つ以上挙げなさい。


2008年05月27日 10:23 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

構成管理を日本側が放棄した 2008/5/26
オフショア拠点との共通リポジトリを用意したところ
CSV では日本語名のファイルが作りにくい事、ディレクトリ構成を後から変更できない事があり、最初に見通せなかった日本スタッフが途中で CSV を使うのを止めてしまいました。
(オフショア大學受講生の体験談より)

Q&A管理、バグ管理そして構成管理は、オフショア開発で必須とされる三大管理業務である(と勝手に定義)。ツール導入の投資効果が大きいため、小規模プロジェクトでも早い時期から環境整備が進んだ。

ところが現実には、オフショア開発で”何とか管理”の仕組みを導入したところ、日本側が対応できずに管理が形骸化してしまう。よくある話である。

新しいことに挑戦して、失敗から学ぼうとする姿勢は立派だが、現実には忙しすぎて日本側には内省する暇などない。若手主体の中国企業には、内省の習慣すらない。だから、現場は疲弊する一方である。

だが成長する組織は、失敗から学ぶ。日本側がCSV 運用を辞めてしまった前出の会社では、日本語のファイル名を扱えるツールに切り替えて、さらに、ソースコードだけではなく仕様書も同時に構成管理の対象とした。


■成功の勘所

共通リポジトリによるツールを使ったコードの共同所有によって、日本側で修正して例示したソースコードが中国側にも伝わるようになったと報告された。構成管理はfool proofとして絶大な威力を発揮する。

その一方で、責任分担の切り分けという重大な課題が残る。日本側がソースを修正した影響範囲の検査や納品後の瑕疵担保責任など。


2008年05月26日 06:21 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

技術力よりも日本語能力を優先する根拠をいえますか 2008/5/15
あえて技術力よりも日本語能力を優先する風潮
現在の中国オフショア開発では、残念ながら高い技術力は求められない。そこで、我が社では、中国人IT技術者を採用する際には、設計やプログラミングの能力よりも、日本語力を優先する。
(中国でよくある発言)

上海では、優秀な中国人IT技術者がなかなか採用できず、各社とも苦労している。上海で約100名の技術者を抱える日系現地法人のマネージャに、「優秀さ」とは何かを問うてみた。

優秀さ1:今、~ができること
優秀さ2:将来性を秘めていること

前者を職能という。職能給制度では、従業員がどんな技能を有しているか、どんな資格を有しているかで評価される。職能とは、業務遂行に必要な知識やスキルを指す。

一方、後者をコンピテンシーという。たまに、コンピテンシーを行動特性と訳す人がいるが、避けたほうが無難である。なぜなら、この日本語訳では、本来の意味の一部しか表現できていないから。コンピテンシーとは、将来の成果につながるあらゆる能力である。

問いかけ

・現在の中国オフショア開発では、残念ながら高い技術力は求められない。そこで、我が社では、中国人IT技術者を採用する際には、設計やプログラミングの能力よりも、日本語力を優先する。

これは、職能ではなく、コンピテンシーを優先した採用基準といえるだろうか?

答え → mailmag@ai-coach.com


[PR] 正解はオフショア大學で詳しく扱います
http://www.offshoringleaders.com/02curriculum/02.htm


■成功の勘所

問いかけのヒント

日本語能力を優先する理由によって、答えは変わる。


もし、あなたが外国人技術者を採用する立場なら、下記2つの優秀さのうち、どちらを優先するだろうか。明確な根拠とともに答えを1つ選びなさい。

優秀さ1:今、~ができること
優秀さ2:将来性を秘めていること


2008年05月15日 10:09 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

中国IT人材のレベル別分類法 2008/5/14
上海市ITアウトソーシング推進当局の現状分析
上海市ITアウトソーシング推進当局では、発展途上の中国ソフト企業はPMBOKやCMMIを十分に活かしていないと現状分析する。最下層の初級プログラマを大量に輩出する仕組みは整ったが、対日オフショア開発に対応できる高級人材は圧倒的に不足したまま。
(上海市信息服務外包発展中心(iISO)主任)

2008/5/12、上海にてオフショア開発PRESS創刊記念セミナーが開催された。セミナー前後の雑談中に、最も盛り上がった中国IT人材に関する話題を1つ紹介する。

写真付き簡易報告はこちらから。
http://aicoach.tea-nifty.com/offshore/2008/05/press_fe19.html


「中国には優秀な人材が豊富にいる」という発想は無意味である。国土が広く、言葉や習慣も異なり、個人のバラツキも大きな人々をひとくくりに分類してはいけない。

上海市ITアウトソーシング推進当局は、高級人材の育成に力を注ぎたいというが、「高級」の定義が日本企業の感覚とは大きくズレている。そこで、我々は独自に中国IT人材を6つの水準に分類した。

A層:安心して全てを任せられるプロジェクトマネージャー層
B層:日本語が堪能なリーダー層
C層:日本語を多少なりとも理解するサブリーダー層
D層:一人でコーディングできるプログラマ

ここまでは、対日オフショア開発で戦力となる人々。ところが、実際には、戦力外ともいえるプロジェクトの足を引っ張る二階層が存在する。

E層:他人の指導を受けながらコピペで製造するコーダー層
F層:MS-Office文書を使えるだけのテスタ層


問いかけ

上海市ITアウトソーシング推進当局がオフショア大學に期待を寄せる「上級人材の育成」とは、上記A~F層のうち、どこを対象とした取り組みでしょうか?

答え → mailmag@ai-coach.com (あくまでも雑談ネタです)


[PR] オフショア大學「オフショア開発コーディネート概論」
http://www.offshoringleaders.com/02curriculum/02.html


■成功の勘所

あなたも独自の基準で、自社に必要なオフショア開発技術者を分類してみよう。例えば、上記のA~F層を一覧表にして、それぞれの保有技術、要求されるコンピテンシー、給与水準を書き込んでみよう。


2008年05月14日 05:55 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

上海ITアウトソーシング推進当局が人材育成に投資する理由 2008/5/13
上海市ITアウトソーシング推進当局の現状分析

・世界標準のマネジメント体系は中国でうまく適用されない
・対日オフショアリング向け上級人材が足りない


(上海市信息服務外包発展中心(iISO)主任)

2008/5/12、上海にてオフショア開発PRESS創刊記念セミナーが開催された。オフショア開発PRESS特集1を執筆された上海オフショア開発フォーラム事務局様を中心とするボランティアスタッフの活躍により、盛大なイベントとなった。

セミナーに先立ち、当日の午前中にオフショア大學と上海市ITアウトソーシング推進当局(iISO)は、90分近く事業化を前提とした交渉を行った。午後のセミナーでiISO主任様が概要について言及したので、私からも核心部分をぼかしつつ補足説明したい。


■成功の勘所

上海市ITアウトソーシング推進当局では、発展途上の中国ソフト企業はPMBOKやCMMIを十分に活かしていないと現状分析する。最下層の初級プログラマを大量に輩出する仕組みは整ったが、対日オフショア開発に対応できる高級人材は圧倒的に不足したまま。

そこで、オフショア開発コーディネータ人材育成に定評がある私のところに白羽の矢が立ったというわけだ。続く・・・



2008年05月13日 13:03 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

交渉に影響を与える文化の構成要素 2008/5/7
中国人はいきなり交渉から入るので疲れる
中国人と日本人と対峙するとき、それぞれ話し方のモードを切り替える。中国人とは最初から単刀直入に、日本人とは1回目の話ではさわりだけ。きっと2回目に確信部分が出てくるので、そこである程度切り込む。
(日本人マネージャー/本誌 2006/11/17 号より)

国民文化の違いは、交渉のスタイルに影響を及ぼす。例えば、交渉を敵と味方に分かれた”勝ち負け”を決める手段とみなすか、それとも互いに情報を共有し、長期的に価値を分かち合うための手段とみなすかは、国民文化によって大別される。

・米国式=(勝ち負け/短期/契約ベース)
・日本式=(             )
・中国式=(             )


異文化マネジメントの研究が発達した米国では、文化の構成要素を取り出して、業績に与える影響を様々な角度から検証してきた。その知恵を、中国オフショア開発の問題解決にも役立てたい。

【交渉に影響を与える文化の構成要素】

・交渉で得られるモノ(勝ち負けで一方が総取り/仲良く山分け)
・交渉で大事なこと(契約/人間関係)
・意思伝達の方法(直接的/間接的)
・リスク耐性(許容/回避)
・時間軸(敏感/鈍感)
・時間軸(短い/長い)


■成功の勘所

中国オフショア開発では、品質に関する見解の違いから頻繁に衝突が発生する。「交渉」の観点から、品質問題を解決する糸口を探ってみると面白い。

・問題
なぜ、日本と中国は品質問題で対立するのか?

・ヒント
交渉に影響を与える文化の構成要素を10項目以上挙げて、対立しそうな要素を重要順に並べる。


2008年05月07日 12:01 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

効果的なコミュニケーションを支える4つの原理原則 2008/5/2
仕様変更を丸く収めたい
初めての中国オフショア開発ですが、当初の想定よりも仕様変更が増えました。明日、追加請求の件で、先方の総経理と直接対談します。どんな点に気をつけたらよいでしょうか?
(日本企業/プロジェクトマネージャ)

「仕様変更が収束しない」など一方的に発注側に非があったとしても、単純に追加請求を受け付けるほど予算的な余裕はない。さて、あなたが日本側のプロマネなら、どう対処すべきか。

残念ながら、中国企業との交渉に万能薬はない。そのため、原理原則でお茶を濁すしかないが、以下の4項目はすぐにでも応用が利くだろう。

・十分に時間をかけて交渉を進める
勢いに押されてその場で意志決定しないこと。
交渉場所が(  )なら、なおさら焦らずじっくり対話すること。

・相手方の憤りや怒りなどの感情を素直に受け止める
責任論などの理屈はいったん脇に置いて、相手の感情に配慮する。
目的を見失わず、当事者と(   )を切り分けて議論すること。

・総論より各論を意識して、的確なフィードバックを与える
一般論ではなく個別具体論で対応する。フィードバックを与える際には、「その場で」「   」「具体的に」の三原則を遵守すること。

・全ての言葉遣いや数字・データを丁寧に正確に扱う
勢いに押されて、何でも「はいはい」と流さないこと。日本語で交渉する際には、主語や指示語の曖昧さに留意すること。文脈に依存する表現(high context)が出てきたら、その都度確認する。


■成功の勘所

どんなに厳しい交渉の場面でも、根底にあるのは効果的なコミュニケーションを支える原理原則である。

・十分に時間をかけて交渉を進める
・相手方の憤りや怒りなどの感情を素直に受け止める
・総論より各論を意識して、的確なフィードバックを与える
・全ての言葉遣いや数字・データを丁寧に正確に扱う


2008年05月02日 08:42 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

どんな手続きが必要ですか 2008/4/28
査証申請などの諸手続について
中国人技術者を日本に呼ぶときに面倒な手続きは必要ですか?
(よくある質問)

あなたが勤める会社で、中国から技術者を日本に呼び寄せたいと思ったら、査証(visa)に関する一連の申請手続きが必要である。加えて、設計情報などの役務が海外に流れてしまうので、外為法に基づく一連の輸出手続きも必要である。

目に見える法的な手続き以外にも、面倒な作業は山ほどある。連絡先を確保するために携帯電話を持たせたいが、個人で支払うためには銀行口座の開設が先決だったりなど、素人が自力でやるには手間が多すぎる。

リーダ候補の中国人技術者を日本に呼び寄せて、半年後に中国に戻して現地で活躍してもらいたい。こんな思いで、中国との人的交流を図る会社は多い。

でも、せっかく日本で研修したのに、すぐに他社に転職されないかどうかも気になる。中国の労働法改正によって、約束違反に対するペナルティの与え方が大きく変わった。


■成功の勘所

査証申請などの諸手続について、一般には専門業者や海外技術者の派遣を得意とする人材サービス業者の支援を仰ぐことが多いだろう。システム開発専門の日本人が、こうした申請実務に介入することは少ないが、知識としては知っておいても損はない。



2008年04月28日 07:00 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

ベトナム人が日本語を学ぶ時間は中国人の2倍以上 2008/4/23
ベトナム人の日本語力
ベトナム人技術者も頑張れば日本語を話せるようになりますか?
(よくある質問)

中国との比較において、ベトナム人技術者の日本語力は格段に劣る。一般に、ベトナムとのオフショア開発では、”コミュニケータ”と呼ばれる通訳を介して意思疎通が図られる。

一般のコミュニケータは、日本語を専門に学ぶ文系出身の若者であり、女性の比率が高い。オフショア開発PRESS特集1でも指摘するが、中国と同様に英語を交えて会話する方が日本語だけの会話よりも断然に効果が高い。


■成功の勘所

オフショア開発PRESS 特集2「ベトナム最新事情」を執筆した霜田氏によると、日本語学習にかかる時間は一般的に中国人の2~2.5倍を要する。霜田氏は、続けてこう力説する。

「文系出身の通訳でも、日本語堪能なブリッジSEでも、日本側が相手に分かりやすく伝える努力は同じである」


2008年04月23日 21:54 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

社内にオフショア開発研究会を立ち上げて壁新聞を発行する 2008/4/22
笛吹けども踊らない組織
我が社ではトップからオフショア活用の方針が明確に打ち出されています。私自身もオフショア開発には期待しています。ところが、周りの雰囲気は違います。公言しませんが、オフショア開発への反発は相当根強いと感じています。沈滞化した組織の雰囲気をどうすれば改善できるでしょうか?
(よくある質問)

オフショア開発に反対する者、口には出さないがオフショア開発に対して不信感を持つ者を総称して”オフショア開発抵抗勢力”と呼ぶ。

ただし、オフショア開発抵抗勢力=悪だと単純に決めつける構図ではない。むしろ、オフショア開発への抵抗は、現場力が強い良い意味での日本的な特徴だと受け止める方が自然な発想である。

※今後、負の印象を与える”オフショア開発抵抗勢力”という呼び方は避けるべき?


さて、相談された「笛吹けども踊らない組織」への処方箋について。私なら、社内にオフショア開発研究会なる非公式コミュニティを立ち上げる。

情報を共有し、社内外に点在するオフショア開発に関する有益な知見を一ヶ所に集積させるのが狙いである。この際、社内掲示板などITの活用は言うまでもないが、あえてアナログな手段の活用を提案したい。


■成功の勘所

オフショア開発に反対する沈滞化した雰囲気を改善する方法を思いつくまま列挙する。

・オフショア開発研究会なる非公式コミュニティを立ち上げる
・立ち上げ当初は、コミュニケーションの質よりも量を優先する
・「会話」から始めて、徐々に「対話」の雰囲気に移行する
・紙媒体の社内報(○×社オフショア開発通信)を発行する
・相手国とTV会議するなら、相手を大きな画面に映し出す


2008年04月22日 11:01 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

最終納品ドキュメントは日本人が作る 2008/4/17
疑念ぬぐえぬ中国の日本語ドキュメント
中国ベンダは、日本語の納品物を作れますか?
(よくある質問)

中国ベンダの日本語ドキュメント作成能力に関する質問は多い。中国オフショア開発では、メールやQ&A連絡などほとんどの意思疎通は日本語で行われる。

だが、最終顧客に納品する報告書の類については、常に心配がつきまとう。もし、あなたが日本人と同等な文章力を望むなら、最終校正を担う日本人を雇った方が手っ取り早い。

例えば、システム管理者向け保守マニュアルは中国ベンダが作成するが、システム利用者向けのユーザガイドは編集能力に長けた日本人が担当する。


■成功の勘所

あなたが、言葉や文化の壁でお茶を濁さないプロフェッショナルを目指すなら、次の4ステップを参考にして欲しい。

Step1.混沌
Step2.同化
Step3.融合
Step4.統合

中国ベンダに「日本人と全く同じ」を求める姿勢は、第二ステップの「同化」の特徴である。同化とは、どんな料理が出されても、味見する前に無意識のうちに醤油をかける行為に喩えられる。早死にする原因にもなるので、心当たりのある方は要注意。

「同化」は進化の過程に欠かせないプロセスだが、決して最終地点ではない。詳しくは、オフショア開発PRESS特集3参照のこと。
 
『オフショア開発PRESS』公式サイト


2008年04月17日 23:20 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

マネジメントの要諦は業種や国籍に関係なく共通か? 2008/4/16
大事なポイントは日本も中国も同じ
オフショア開発 PRESSを読みました。結局のところ、マネジメントの要諦は業種や国籍に関係なく共通すると思いました。この考えは正しいでしょうか?

※参考「オフショア開発PRESS」目次+記事概要


(よくある質問)

オフショア開発の議論を進めると、必ずと言っていいほど「大事なポイントは日本も中国も同じ」といった趣旨の発言が飛び出す。果たして、その考えは正しいだろうか?

正解は「抽象化のレベル」によって変わる。PMBOKのような高度に抽象化された知識体系を念頭に置くなら、大事なポイントは日本も中国も同じ。居酒屋のトイレの壁に貼られた「原理原則」も、基本的には業種や国籍に依存しない。

一方で、文章の書き方、面子への配慮、メールや国際電話の作法、食事や挨拶、宗教、休憩時間の過ごし方といった個別具体論については、業種や地域性がくっきり分かれることは言うまでもない。

オフショア開発を成功させるという共通目標があるにも関わらず、一部の中国開発者は、レビューや品質保証に過度に介入する日本人リーダの言動に対して、次のような疑問を投げかける。

日本人リーダ
「自分が修正した不具合を整理してください。そして,なぜそのような修正を行ったか,つまり不具合修正の理由をまとめておいてください。あとでそれに関する質問を行いますので,しっかり準備しておいてください」

中国開発者
「そもそも,修正理由や関連知識に対する質問をする必要があるのですか?私は,修士号を取得しましたし,これまでも実力で評価を得てきました。一つの不具合を修正するため様々な調査をしました。それは,結果と修正コードを見てもらえれば,わかるはずなのに。明らかに日本人は私を信頼していません。屈辱です」。

中国開発者
「信用していないのなら,なぜ仕事をくれますか?」

第1回 中国開発者から見た変な日本人リーダー


■成功の勘所

オフショア開発の評価の場で、あなたの部下(あるいは上司)から「大事なポイントは日本も中国も同じ」との発言があった。あなたは、どんな反応をすればよいだろうか。特定の場面を想定して、代表的な問答集を予め準備しよう。



2008年04月16日 11:31 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

ソフトウェア開発のどこが輸出ですか? 2008/4/15

中国でシステム開発を行なう際にも輸出手続が必要ですか?
(よくある質問)

日本から外国にモノや情報を持ち出す場合には、基本的に全て輸出手続が必要となる。全てというのは、日本から中国に送る提案依頼書や仕様書をはじめ、無償・有償で貸与するソフトウェアも全て含む。

輸出管理は世界中の法律で定められており、ルール違反すると色々問題になる。

※参考情報
・ヘリ不正輸出、ヤマハ発動機
・対共産圏輸出統制委員会 - COCOM(ココム)

(興味ある方はネットで検索してください)


■成功の勘所

あなたの会社で提供物の履歴を取るのはもちろんのこと、相手先でどのような管理体制にあるのかを事前に知っておくべきである。

基本契約書では「輸出管理手続きをキチンとやる事」と定めることが多いと聞いている。あなたは取引先がどのような仕組みで情報管理しているかを本当に知っているだろうか?


2008年04月15日 15:32 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

これまでのやり方では開発期間の短縮は難しい 2008/4/14
オフショア開発で納期短縮
短納期ですが、それでもオフショア開発できますか?
(よくある質問)

これまでの中国オフショア開発のやり方では、納期短縮は極めて難しい。これが私の意見である。

オフショア開発の最大の利点は開発費の低減である。最近は、開発要員の確保を目的と公言する者も少なくないが、理想と現実のギャップは大きい。

米国とインド間のオフショアリングでは、コスト削減だけではなく納期短縮も実現されているという。だが、彼らは「これまでの中国オフショア開発」とは全く異なる仕組みで動いているため、単純な比較は意味がない。

インドで開発期間を短縮したという噂話。

・米国とインドの時差を利用した開発(よく聞く噂だが・・・)
・米国では不可能な世の中にない新製品をインドで開発
・2交代制による24時間体制で開発
 (好待遇の夜間勤務はインド人に歓迎されたという)


■成功の勘所

あなたは、実際にオフショア開発で期間短縮に成功したことはありますか? 製造工程が短縮されても、前後の工程が長引けば期間短縮とは認めません。

◆期間短縮に成功したことがある
◆国内開発と同期間を実現した
◆国内開発よりも長引いたことしかない
◆その他

○結果を見る
○コメントボード


締切:2008年04月22日23時00分
協力:クリックアンケート


2008年04月14日 06:50 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

定量的な品質評価が難しいので、特定状況でのみ動作確認 2008/4/9
品質評価が難しいオフショア開発
定量的な品質評価が難しいソフトを扱っています。それでもオフショア発注できますか?
(よくある質問)

定量的な品質評価が難しいソフトであっても、オフショア開発は可能である。ただし、次のような失敗例があるので、該当する方は参考にして欲しい。

かつて、私は定量的な品質評価が難しいソフトウェアと5年間つきあってきた。OCRと呼ばれる画像認識技術である。一般に、検索や画像認識といった技術には正解があってないようなモノ。すなわち、定量評価がとても難しい(※)。

※人の笑顔を自動認識する技術に絶対的な正解はない
※文字認識技術で"ー","-","―"を区別する正解algorismはない


中国オフショア開発では、特定の状況下でのみ正しく動作する、いわゆる「お化粧プログラミング」の弊害が多数報告されている。オフショア開発PRESS でも、「直すのではなく隠す」と「テストの地獄スパイラル」といった事例を紹介している。

参考1:オフショア開発PRESS p31「直すのではなく隠す」
参考2:オフショア開発PRESS p105「テストの地獄スパイラル」
http://amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4774134430/aicoach-22/ref=nosim


以下、余談。

長い目で見たとき、オフショア開発を失敗させる最大の要因は、無計画で継続性のない発注形態だと思う。

例えば、お試し発注と称して3ヶ月間のオフショア開発を実施する。その後、評価に2ヶ月間を要する。さらに1ヶ月の準備期間を経て、再び製造&単体試験を依頼する。これは、失敗するオフショア開発の典型例である。


■成功の勘所

中国オフショア開発では、特定の状況下でのみ正しく動作する、いわゆる「お化粧プログラミング」の弊害が多数報告されている。「納期遵守」絶対主義が招いた弊害だと指摘する声もある。

間接オフショア開発では、安全のために納期の前倒しが要求されるため、品質を犠牲にした”仮納品”が後を絶たないという。


2008年04月09日 13:39 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

要求仕様の段階的詳細化を成功させる3つの条件 2008/4/8
要求仕様が曖昧だとオフショア開発は無理か?
着手時点で正確な要求仕様が固まっていません。それでもオフショア発注できますか?
(よくある質問)

着手時点で要求仕様が固まっているオフショア開発案件など、私はお目にかかったことがない。ということは、いくつかの前提条件を満たせば、オフショア開発でも要求仕様の段階的詳細化は成功すると予想される。

オフショア開発PRESS特集1では、「仕様未記載」と「仕様不備」の違いに触れて、不具合管理の観点からオフショア開発を成功に導くコミュニケーション技法を紹介する。

参考:オフショア開発PRESS p26~29


私が主催するオフショア開発実践セミナーでは、中国と日本が協力して「一緒に要求仕様の穴を埋めよう」という美しい姿勢を真っ向から否定する。


■成功の勘所

オフショア開発で要求仕様の段階的詳細化を成功させる大切な条件を3つ挙げなさい。

条件1 要求仕様は100%オンサイト側の責任で固める
条件2 「仕様未記載」と「仕様不備」の違いを公式に認める
条件3 ・・・(あなたの答えは?)



2008年04月08日 07:07 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

二重否定と勘違い 2008/4/3
日本語が堪能な中国人SEに聞きました
「~するべき」と「~しなければいけない」は同じ意味だと思います。
(対日業務7年目の中国人SE)

対日業務7年目を迎える熱心なメルマガ読者の中国人SEに聞いてみた。


――「~するべき」と「~しなければいけない」の違いは?

◆私は同じ意味だと思います。


――Q&A連絡では、「~するべき」と「~しなければいけない」のどちらを好みますか?

◆私は「~するべき」の方がいいと思います。なぜなら、「~しなければいけない」は二重否定のように聞こえるため、日本語に不慣れな外国人はすぐに理解できないと思います。


――文脈によって、「~するべき」の強制力は弱まります。もうすぐ桜が散ってしまうので、明日までにお花見すべきよ。

◆確かにそうですね。具体例を挙げて説明してもらったので、その違いが分かりました。中国語でも、應該(ying gai) 一定(yi ding)必須(bi xu) などが使い分けられます。「我一定去」というべき場面で「我應該去」と言ったら、相手に失礼です。


■成功の勘所

日本語に不慣れな外国人は、「~しなければいけない」を二重否定だと思って、意味を理解するまでに時間を要することがある。


2008年04月03日 15:45 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

10人月以下で食いつなぐオフショア専業企業の悩み 2008/4/2
年度が替わり心機一転といきたいところですが
4月は仕事が埋まらず、困っています。
(小規模ソフトハウス経営者/日本人)

オフショア開発専門の技術集団を目指す弱小ソフトハウスから相談を受けた。規模は小さいものの、特定企業からの請負業務でこれまで安定稼働を続けてきた。ところが、景気後退のあおりで仕事を打ち切られてしまった。

「半年後に忙しくなるから、その時には、またお願いします」

下請け家業の悲しい性かな。この一言で、主力事業を失う現実。10人月以下の請負案件で食いつなぐオフショア専門会社は多い。


■成功の勘所

後発組のオフショア専門企業に対して、日本中の地域に根ざした地元企業との競争激化について問うたら、「厳しい」とぽつり。私は1つだけ助言を与えた。

「□□すればするほど体力が衰える。□□の代わりに□□をせよ」


2008年04月02日 23:35 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

日本未経験者が日本式マナーを教える 2008/3/27
日本語があっという間に上達する人
うちの技術者はみんな日本のアニメファンです。
(上海オフショア開発交流会より)

以前、中国人の初級プログラマに日本式ビジネスマナーを教える講師に出会ったことがある。驚いたことに、この講師は一度も日本に行ったことがないという。

では、日本式マナー講座で何を教えているのかを聞いたところ、お辞儀や挨拶といった基本中の基本に特化しているとのこと。失礼ながら、その場は失笑しそうになったが、後から冷静に考えるとあながち悪い試みではないような気がしてきた。

オフショア開発PRESS「成功する日本語研修(p142)」では、初心者を相手にする授業なら、必ずしも日本講師にこだわらない方がよいと具体例を挙げて指摘する。

※ちなみに、昼食後の研修は最悪である。特に北方では要注意。
 理由は当該記事をご覧ください。


■成功の勘所

すべての外国人プログラマに通用する万能な日本語学習法はない。ところが、日本好きな若手IT技術者に対しては、効率よくにカタカナを教える手段がある。日本のドラマやゲーム、アニメを活用する手法だが、さらに一手間加えることで効果倍増とのこと。それ以上は営業秘密ということで。



2008年03月27日 23:59 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

「用語集」の整備はカタカナ対策になるか 2008/3/25
「カタカナ英語」を減らして、漢字もしくは英語で書くべき?
どちらが理解すべきか、という観点で言うなら、受注者側で理解してもらいたいなぁと思います。当然、発注側も、辞書的なものを整備する必要があると思います。用語集というのでしょうか。
(読者アンケート掲示板より)

○アンケート途中結果を見る

日本の仕様書から「カタカナ外国語」がなくなることはない。恐らく、激減することもないだろう。そこで、カタカナを許容する前提で用語集の必要性がうたわれる。

先日の上海オフショア開発勉強会でも、用語集の必要性を議論した。実際に、多くの開発現場で用語集を準備しているが、いくつかの問題がすぐに思い浮かぶ。

・用語集作成の費用を誰が負担すべきか?
・用語集を更新する適切な頻度は?
・用語集を更新することで得られる個人的な報酬は?


■成功の勘所

用語集を作成するにせよ、結局のところ同じ悩みに行き着く。どこまで用語集に登録すべきか、その判断が難しい。あなたは、下記のカタカナ外来語を用語集に登録するだろうか。

「パフォーマンス」「エンハンス」「タイミング」「アプリ」

もし用語集に登録するつもりなら、それぞれどのように翻訳するか。



2008年03月25日 08:29 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

組織学習の出発点、紙に書いて目立つように掲載する 2008/3/24
日本から「ブリッジSEを投入したい」と言われたら
受け側から見た場合には、逃げの言い訳を最初につくるものでしかありません。顧客の要求仕様を理解し、文化の違いを前提としてコミュニケーションすれば、ブリッジSEなんて必要ありません。
(中国人総裁)

日本企業では、新人は15年ほどかけて1人前の技術者やマネージャーに育つ。一方、中国では、オフショア開発にあたる従業員は一人前ではないし、会社もどんどん伸びて組織形態も激変する。したがって、最初からブリッジSEの個人技に頼る組織は甘えている。
これが、前出の中国人総裁の基本姿勢である。

果たして、中国ベンダに日本のソフトウェア開発業界に特有の暗黙知を移転できるのだろうか。「あうんの呼吸」が通じるとか、通じないとかの話ではなく、中国は組織学習するだろうか。

この種の議論をする際、日本人の団塊世代が持つ”暗黙知”と、オフショア拠点のSEが持つ”ノウハウ”は次元が違うことに気をつけたい。このままの状態で、「中国にノウハウは溜まらない」と一方的に相手を非難しても、何の解決にも結びつかないだろう。

○読者アンケートの途中結果を見る


■成功の勘所

先週の上海オフショア開発勉強会講師からのアドバイス。

中国人技術者と会話する際には、単なる仮説や想像と事実を切り分ける工夫が必要である。もし、「報告の際には、結論を先に述べよ」と指導したいなら、大事なポイントを行動レベルで書き出し、社内の目立つところに掲示して何度も何度もしつこく指導し続ける
こと。

言葉だけではなく、紙に書いて見せれば、組織は変わり始める。


☆オフショア開発では、「カタカナ英語」を減らして、極力漢字も
しくは英語で書くべきだといわれます。ところが、忙しい発注者へ
の負担増は避けたい。さて、どうすべき?

◆発注者(日本人)が「カタカナ」を減らす努力をすべき
◆受注者(外国人)が「カタカナ」を理解すべき
◆その他

○結果を見る
○コメントボード


締切:2008年04月01日23時00分
協力:クリックアンケート



2008年03月24日 07:39 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

日本語と技術を兼ね備えた人材は皆無だと仮定してみる 2008/3/20
手詰まり感の漂う中国オフショア開発の打開策

・Q&A遅延の責任所在
・Q&A遅延防止の一般的対策
・Q&A成熟度モデル
・日本語と日本人の曖昧さ


(第7回上海オフショア開発勉強会/ゲスト講師より)

第7回上海オフショア開発勉強会のゲスト講師より。


中国オフショア開発で語られる問題点の数々。

・業務知識不足
・日本語能力不足
・日本の慣習の理解不足
・離職率が高い

対策として「各種教育」「標準化」「日本出向」等を推進。効果はあるが、期待ほどではない。


読者アンケートの中間結果(33票)


知識不足は研修で補える。経験不足は時間を要するため、特効薬はない。文化や常識の違いを克服するには、相互理解に加えて共通の測定基準が必要だ。


例えば、中国の現場から次の報告が上がってきたとき、上長はどのように対処すればよいだろうか。

「製造完了しました」
「明日、完了します」
「納期は守れます」


・2008/3/20 - 上海 
上海オフショア開発勉強会(申込数 11名)

上海周辺の方には強くお勧めします。出張でたまたま上海を訪れた方にも、この勉強会の案内を転送してあげましょう。


■成功の勘所

現場からの報告とよくある実態の例を示す。常識の相違があることを認識して、掘り下げた質問、現物確認が必要である。一部の優良企業を除いて、現状の中国オフショアの現場には、日本語と技術を兼ね備えた人材は皆無であることを前提に対策すべきである。

「製造完了しました」→「単体テストをしていない」
「明日、完了します」→「一週間やっても完了しない 」
「納期は守れます」→「品質は考慮されない」



2008年03月20日 11:46 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

オフショア開発業務の80%がルーチンワークだとしたら 2008/3/19
リーン製品開発でムダな工数を30%削減する
設計自体の造詣がないために、結局莫大なコストの掛かる手戻りが発生することも否めません。エース級の日本人設計者が、現地技術者より10倍以上高いコストを掛けて、火消しに回るということもあります。非常に残念ですが、結果として、海外人材は使えないという印象がトラウマとなります。

@IT MONOist「日常業務に隠されたムダをとことん洗い出す」


果たして、中国企業にノウハウは蓄積されるのか。今日は、この問いかけへのヒントを得るべく、国際分業体制にいち早く移行した製造業の声に耳を傾けてみる。


優秀なエンジニアはあっという間に設計を終えます。初心者は試行錯誤します。同じテーマを与えても、作業工数に5倍も10倍もの格差が出るのはよくあることです。

これからは、設計者もグローバル規模で最適調達すべきという認識を、皆さんのような現場の技術者自身は認識しておく必要があります。

ところが、行き過ぎたコスト低減の反動で、設計者同士の関係はばらばらになってしまいました。これでは、プロセス同士が分断され、人の付き合いも希薄となります。

結果として、ものづくりの全体の情報を把握するために、過剰な調整業務が莫大な設計工数として加算されてきます。これは明らかにムダな工数です。

そこで、設計業務の短納期化に成功した会社にプロセスのムダを取る秘訣を尋ねたところ、こんな答えが返ってきました。

・業務に関する「現状と目標」を明らかにする
・標準化に尽きる(テンプレート化)
・標準テンプレートを毎週カイゼンする

しかし、それは人材育成に相当の力を入れていることが前提。人材の流動性が極めて低く、一度入社したら事実上の終身雇用となる制度の中で、設計者たちが手厚く雇用されている場合に通用することです。

@IT MONOist「日常業務に隠されたムダをとことん洗い出す」
(本誌発行人のお友達の記事です)


製造業から夢のような特効薬が得られるかと思いきや、現実は厳しい。製造業で活躍する業務改革のプロは、長期雇用を前提とした”純和風”な組織では、昔ながらの”優れた”カイゼン手法を採っても、劇的な生産性向上は難しいと指摘する。

今週の読者アンケートのテーマは「個人に蓄積されるノウハウ、組織に蓄積されるノウハウ」である。途中結果では、中国ベンダには、「個人にはノウハウ蓄積されるが、組織には根付かない」と答えた人が65%を占める。


■成功の勘所

中国ベンダに「ノウハウが蓄積されるか?」を議論する前に、前提条件をよく確認しよう。純和風な意味での「ノウハウ蓄積」なら、中国の組織には「ノウハウは根付かない」が事実であっても、落胆する必要はない。

もし、オフショア開発業務の大半がルーチンワークだとしたら(仮に80%)、ノウハウ蓄積よりも先にやる事が他にあるはずだ。それは標準化+αである。

この仮説が正しいなら、あなたが考えるプラスαの要素とは何?

★ご意見はこちらまでお寄せください


2008年03月19日 06:15 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

一つの会社で長く働く中国人にもノウハウは蓄積されない 2008/3/18
中国企業の個人にはノウハウは溜まらないが、組織には溜まる?
私の感覚だと逆ですね。もちろん私の感覚は製造業での感覚なので事情が違うのかもしれません。私が現場で感じるのは、個人にはノウハウがたまるが,会社にはノウハウが残らない。優秀な人間がやめてゆくと,会社ががたがたになる。優秀な人間でも部下や仲間にノウハウを教えるのはへたくそ。
(オフショア開発PRESS 執筆者)

伸びる中国企業では、幹部社員は会社を辞めない。定着率はほぼ100%である。ダメな会社は、いつまで経っても幹部社員が定着しない。これは、オフショア関係者の間で静かに語られる定説である。

では、幹部が辞めない中国企業では、個人にノウハウが蓄積されて生産性が理想的に改善されるのかというと、一概にそうとも言い切れないという。

先日、私と一緒に横浜市経済観光局の講演会で質疑応答の場に立った中国人経営者は、その理由を次のように述べた。


・一つの会社で長く働く優秀な中国人幹部社員は、瞬く間に出世して開発現場から離れてしまう。場合によっては、20代後半で百名以上のプログラマ集団を統率する副総経理クラスに昇進することがある。


■成功の勘所

一つの会社で長く働く有能な中国人エンジニアは出世魚である。時間をかけて特定の個人に貴重なノウハウを移転しても、出世とともに現場から離れてしまう。


☆中国オフショア開発企業にはノウハウが蓄積されないと噂されま
すが、真実はいかに? あなたの過去の経験をもとにお答えください。

◆個人にはノウハウ蓄積されるが、組織には根付かない
◆組織にはノウハウが根付くが、個人には蓄積されない
◆個人にも、組織にもノウハウは蓄積される
◆個人にも、組織にもノウハウなんて蓄積されない
◆その他

○結果を見る
○コメントボード


締切:2008年03月26日23時00分
協力:クリックアンケート


2008年03月18日 16:18 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

中国企業にはノウハウが蓄積されない、って言いましたっけ? 2008/3/17
まるで耳が遠くなったお年より同士の会話
日常会話なら問題無いですが、間違ってはいけない場面でのコミュニケーションでは中途半端な言語能力が危険です。お互い通じていると思っていても実は通じていないことがあります。
(アンケート掲示板より)

今日から私は4泊5日の中国出張。杭州と上海で、それぞれオフショア開発イベントを主催する。オフショア開発フォーラム in 杭州と上海オフショア開発勉強会。

最近の私は、取材と称して外国人へのインタビューを頻繁に行う。使用言語は日本語だ。大多数は中国人だが、最近はインド人も増えてきた。

インタビュー中、互いにテンポよく会話が弾む。ところが、文章におこして取材相手に確認を促すと、互いの意図が全く伝わっていないことにしばしば気がつく。

さらに、会話中で多くの矛盾を発見する。すなわち、相手の言い分を適当に解釈して「はい」「そうです」と気軽に返事するものの、後から平気で正反対の意見を述べる場面に出くわすのだ。

例えば、先日、横浜市経済環境局が主催したオフショア講演会の質疑応答でこんな会話があった。


中国人「中国企業にはノウハウが蓄積されない。・・・・」

日本人「先ほど、中国にはノウハウが溜まらないとおっしゃいましたが、・・・」

中国人「いや、そんなことはありません」

日本人「だって、あなた、先ほど自分でそういったじゃないか」

中国人「中国企業の個人にはノウハウは溜まらないが、組織には溜まるという意味です」

日本人「・・・・・・」


■成功の勘所

話し手の頭の中では筋が通った論理を展開しているつもりだが、母国語ではない言葉で会話するため、聞き手の日本人は混乱しまくり。こうした事態を避けるために、第三者を雇って会話がきちんと成立しているかをチェックすべきか、それとも別の妙案があるか。


【オフショア開発PRESS創刊記念セミナーへの期待の声】

・オフショア開発におけるコミュニケーション管理方法について聞きたいです。


・オフショア開発も以前と比べ、かなり定着しているものの、多くの問題が常に起こっています。今起こっている様々な問題とその解決策について、生の声を聞きたいと思っています。


・中国オフショア開発において、現場主導の品質管理を行なうために、セミナーなどは有効に機能するのか?・小規模のプロジェクトでも、オフショアによるコスト低減は望めるのか?どうすればよいか?・離職率の低減施策に、有効な手段は?


・上海でオフショア開発を事業の一つとする会社を春に起業します。私自身開発経験に乏しく、オフショア開発に携わることも初めてです。現地ではプロマネを担当予定で事前に多くの知識を得るべく勉強中です。オフショア開発とは?というところから、現状、勘所などお伺い出来れば幸いです。

残席あり→ http://www.ai-coach.com/seminar/academy_pr.html



2008年03月17日 06:30 | 固定リンク | Comment(1) | TrackBack(0) |

インドITは技術力をアピールするも顧客の心に届かず 2008/2/28
インドIT向けのドキュメントは日本語ですか。英語ですか。
お客様からは日本語でもらいますが、我々が納品する資料はすべて英語です。英語はエンジニアが書きます。開発をするときには英語を使っています。お客様とコミュニケーションをするときには日本語を使っていますので、お客様からみると、日本語でプロジェクトが進んでいるように見えますが、基本は英語です。
(インドIT企業/インド人社長)

博士号を持つインド人社長との会話より。その4(最終回)。


――貴社の営業体制では、日本市場の開拓は難しいのでは?

◆日本企業は、プロジェクトを人月で見積もってアウトソーシングします。もしも、途中で修正がはいり、予定よりも1.5倍も工数オーバーしても追加請求は難しいでしょう。インドでは、10人月で請けた仕事は、特別な瑕疵がない限りは基本的には10人月で終わりです。逆にお聞きします。我々はどうすれば、よいでしょうか?


――私がお客様なら、規模が小さくて、高度な技術力が求められない案件は中国を選択します。インドの強みは、欧米市場で評価された高い技術力と運用実績ではないでしょうか。これからは、オペレーション分野のアウトソーシングが増えるでしょう。そのとき、インドの強みが発揮されると思います。

◆インドIT企業は、技術力のアピールは得意ですが、プロジェクト管理やセキュリティ対策、運用については殆ど言及しません。出来て当然だと思っているからです。


――中国ベンダとは対照的な営業スタイルですね。念のため、日本では、今後もコスト削減がオフショア開発の主目的であることは変わりません。日本企業のトップマネジメントの綺麗事と現場プロマネの本音は大きく乖離しています。

◆インドでは、技術者の判断が最優先されます。プロマネが「出来ない」と判断したら、インドの営業はお客様にお断りしなくてはいけません。我々は、約束は必ず守ります。出来ない約束はしません。


――ところで、コミュニケーションの問題はどのように解決しましたか?

◆東京の当社開発拠点に1名、インド拠点に3名の体制です。インド側の3名は日本語が全く分かりません。ですので、毎日1時間くらいテレビ会議をつないで、日本拠点のインド人PLと相談しました。


――ドキュメントは日本語ですか、それとも英語ですか。

◆お客様からは日本語でもらいますが、我々が納品する資料はすべて英語です。英語はエンジニアが書きます。開発をするときには英語を使っています。お客様とコミュニケーションをするときには日本語を使っていますので、お客様からみると、日本語でプロジェクトが進んでいるように見えますが、基本は英語です。


■成功の勘所

二人のインド人を相手に3時間に渡るロングインタビューを敢行。中国との比較対照を頭に置きながら、激しく議論を交わした。インドIT企業の優位性と劣位性を以下にまとめる。


【中国と比べてインドITの優れた点】

・圧倒的な技術力の高さ
・作りっぱなしではなく、保守運用、各種ITサービスの経験も豊富
・実践経験が豊富なプロジェクトマネージャーが多数存在


【中国と比べてインドITが劣る点】

・日本市場の顧客心理を知らなさすぎ
・日本市場に適応させる意欲が弱い



2008年02月28日 11:12 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

AccountingではなくFinanceの観点から検討すべき 2008/2/27
日本市場の開拓で、最も苦労することは何でしょうか?
日本の会社は、アウトソーシングをすると決めるまでの時間が長いです。米国では、今日話をすれば、来週、遅くても1ヶ月後には、仕事をするのか、しないのか、結果がでます。
(インドIT企業/インド人社長)

博士号を持つインド人社長との会話より。その3。


――営業で苦労されていますね。

◆日本企業は、コスト削減にばかり気が向いて、人月単価だけで発注先を判断しがちです。米国企業は、自社の得意分野に資源を集中させますが、出来ない分野は躊躇なくアウトソーシングします。この際、米国企業は、人月単価が安いかどうかを気にしません。


――日本のお客様への要望などありますか。

◆要望は2点あります。1点目は継続性です。最低でも6ヶ月、できれば1年以上の長期契約を望みます。長期契約することで、メンバーが固定され、技術や経験がどんどん蓄積されます。

2点目は、人件費の削減ではなく、事業全体の損益からアウトソーシングを判断していただきたいです。資材部の発想でアウトソーシングを考えて欲しくありません。Accountingではなく、Financeの観点から意思決定すべきだと思います。

◆日本のお客様は、当社やインドIT企業の得意分野を早く見極めて欲しいです。洗練された設計手法と開発支援ツールを活用すれば、日本側が設計に専念して、インドは検証作業を同時並行で進めることは可能。


――貴社のやり方では、日本市場の開拓は難しいのでは?

・・・・・・(続く)


■成功の勘所

米国とインドの間では、AccountingではなくFinanceの観点からアウトソーシング可否の意思決定がなされる。つまり、開発費がどれだけ削減されるかではなく、時間軸や市場動向を踏まえた投資判断からアウトソーシングが検討される。

正味現在価値を知らないと、恐らくこの議論の本質は理解できないだろう。「オフショア開発によって期間短縮されました!」との声が日本で聞かれないのは寂しい。Finance的な考察では、時間がとても重要。(それと割引率も)

ただし、本誌では、米国式が100%正しく、日本式は全て間違っていると暴論を吐くつもりはない。


2008年02月27日 12:00 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

インド企業のプロマネは中国企業より5~10歳も年上 2008/2/26
プロジェクトマネージャーに昇格するには何年の経験が必要か?
当社では、12年ほどの経験が普通です。PLの年齢は30歳から35歳くらいです。
(インドIT企業/インド人社長)

博士号を持つインド人社長との会話より。その2。


――プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーの違いは?

◆当社では、新卒の未経験者はエンジニア(engineer)からスタートします。5~8年の実務経験を積むとモジュールリーダー(module leader)に昇格します。モジュールリーダーは、10名程度の小集団をまとめます。

次は、プロジェクトリーダーです。リーダーになると10~20を1人で担当します。年齢は、35歳から40歳あたりが多いです。

プロジェクトリーダーを5年ほど経験した後に、ようやくプロジェクトマネージャーに昇格します。年齢は、40歳以上が中心。1人のプロマネの配下に1~4名のリーダーがつきます。理想のプロジェクトチームの規模は、30~50名です。

最後は、複数のプロジェクトを担当するプログラムマネージャー(program manager)です。年齢は、45歳以上となります。


――今回、日本でお客様との窓口となる方の職位は?

◆彼は、プロジェクトリーダーです。年齢は30前だったと思います。プロジェクトマネージャーは、インド側にいます。総勢4名チームと規模は小さいです。本件はインド側に技術提案が期待されているので、プロジェクトは全てインド拠点がコントロールします。


■成功の勘所

インドIT企業の取材中、私は何度も担当者の年齢を問うた。さらに、しつこく、インド人IT技術者の昇格基準を具体的に数値で確認した。インタビュー中に感じた中国とインドの違いが2点ある。

・インド企業のプロマネの年齢層は、中国より5~10歳も高い

・インドIT企業では、プロマネの上に技術者のゴールとして"プログラムマネージャー"職を用意している。中国には少ない。


2008年02月26日 11:30 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

3分の1の開発期間で製品リリースしたインドIT企業 2008/2/25
提案プロセスにおいて、日本とアメリカとの違いは何ですか?
言葉の違いはありますが、プロセスの違いはありません。
(インドIT企業/インド人社長)

博士号を持つインド人社長との会話より。


――日本のお客様とアメリカのお客様との違いは?

◆一番の違いは、仕様書の精度です。今回、日本のお客様からは、わずか10ページの仕様書しか提供されませんでした。それを我々が作り直して、お客様に再提案します。それを一週間に1回くらい繰り返します。

アメリカでも仕様書がない場合があります。例えば、ベンチャー企業が製品発売を市場にコミットしたにも関わらず、時間が足りない場合。ただし、ODC(Offshore Development Center=ラボ契約)が多いです。

あるプロジェクトでは、米国ベンチャーの技術担当副社長が設計段階からインドに駐在して、ラボ要員を自社従業員のように使って製品開発を成功させました。


■成功の勘所

2007年、日本市場に参入した取材先のインドIT企業では、仕様書がない状態からスタートしたにも関わらず、日本ベンダーが見積もった3分の1以下の開発期間で製品α版をリリースしたという。

実は、過去に類似製品の開発経験があったからこそ成し遂げられた芸当であると明かしてくれた。経験豊富な彼らですら、日本市場でよくある仕様書がない状態でのスクラッチ開発では、短期開発は不可能だと断言する。



2008年02月25日 10:24 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

プログラミング言語至上主義 2008/2/21
クラス図とシーケンス図を書いた=UML活用
無事に開発完了できるならそれで結構と思っておりまして、UMLにこだわりません。UMLを、ほんの一部でも活用して効果があったら活用したといえるのではと思います。
(読者アンケート掲示板より)

最近は、JavaやC#(シーシャープ)などの代表的な開発言語に加えて、PHPやらオープンソースを組み合わせて、軽いWebアプリケーション開発を数人月単位で請け負うオフショア開発をよく見かける。

オフショア大學の濱野賢一朗は、「北東アジアOSS推進フォーラムという日本、中国、韓国3ヶ国によるオープンソース・ソフトウェアの普及活動のなかで、中国が最もPHP普及に積極的」と語る。

無料、お手軽、そして反復(イテレーション)の素早さが、中国でPHP好まれる理由らしい。ただし、開発の生産性を決定するフレームワークの整備が遅れているため、中国オフショア開発でPHPが爆発的に普及するには今しばらく時間がかかりそうである。

オフショア大學の倉田克徳は、オフショア拠点の若いIT技術者が「プログラミング言語至上主義」とも呼べる偏った技術指向を持つことに懸念を表明する。

・開発言語を習得したから、自分は一流だと主張する外国人技術者


■成功の勘所

かつて日本でも、C言語を知っているだけで、IT技術者を人月100万円で売れた時代があった。ITバブル崩壊前には「中国」というだけで簡単に上場企業の役員と面会できた。オフショア開発ブームと叫ばれた頃の話である。

いまや、オフショア開発でも、UMLを使ったオブジェクト指向開発なんて珍しくない。製品開発におけるオープンソース・ソフトウェアの活用は当たり前。膨大な資金を投じたCMMやPMBOK導入も常識。

オフショア拠点で働く若いIT技術者が、プログラミング言語をマスターすれば給料は倍増。日本語を覚えたらさらに給料は倍増。管理能力を磨けば給料は天井知らず。


あなたは、どこまでが本当の話で、どこまでが嘘だと思いますか?



2008年02月21日 21:42 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

オフショア未実施企業の7割は「当面予定はない」と回答 2008/2/20
■ オフショア開発相手先国は中国が第1位(485億円)
中国が全体の68%を占める。2003年以降、年率28%の伸びを示す。第2位は、インドの141億円で、全体の19.8%を占める。

IPA、IT人材市場動向予備調査(中編)
http://www.ipa.go.jp/about/press/20080218.html


先日、IT技術者の偏在状況及びオフショアの状況など興味深い動向調査が公表されたので速報をお伝えする。


1) オフショア開発実績の有無

オフショア開発実績(現地法人を含む海外企業への直接発注)がある企業は、全体(218社)の3割程度。


2) オフショア開発規模の推移(金額ベース)

第1位 中国 (485億円)68.0% 年率28%の伸び
第2位 インド(141億円)19.8%
第3位 フィリピン
第4位 韓国
第5位 ベトナム(4.3億円)


3) オフショア開発規模の推移(発注国)

第1位 中国   (82.3%)
第2位 インド  (30.6%)
第3位 ベトナム (12.9%)
第4位 フィリピン(4.8%)
第5位 韓国   (3.2%)


4) オフショア開発に対する意向

オフショア実績をもつ企業の7割は「拡大したい」と回答
オフショア未実施企業の7割は「当面予定はない」と回答


IPA、IT人材市場動向予備調査(中編)
http://www.ipa.go.jp/about/press/20080218.html


■成功の勘所

中国軟件行業協会によると、2005年の中国ソフトウェア産業の売上額は約5.9兆円(3,900億RMB)。IPAによると、日本のオフショア開発発注金額は、アンケート未回答者分を考慮しても1,000億円。

・中国ソフトウェア産業全体 5,9兆円

・対日オフショア開発の売上 1,000億円

・対日オフショア開発の割合 1/60

・インドIT大手Infosysの売上高 3,400億円(2007年)

・インドIT大手1社の売上高 > オフショア全体の売上高



2008年02月20日 20:51 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

仕様変更、30%増なら許容範囲 2008/2/7
仕様変更は随時受付ます
当社が受注する範囲は基本設計から結合試験までです。仕様変更は随時受け付けますが、成功したプロジェクトでは30%くらいです。
(上海独立系ベンダ/中国人総経理)

3年前に上海で創業した、対日オフショア開発を専門とする独立系小規模ベンダの中国人総経理から聞いた話より。

・見積もりと実績がずれる最大の原因は「仕様変更」です。次に、お客様の都合で最初から予算枠が決まっていることがあります。取引実績を増やすために、やむを得ず少ない工数で見積もりを出します。

【工数超過の原因分析】

仕様変更過多 60%
予算枠の制限 30%
予想外の展開  2%
見積もり甘い  1%
その他の要因  7%


■成功の勘所

小規模プロジェクトの見積もりは、現場のリーダーに任せっきりになるため、どうしても仕様確認の詰めが甘くなりがち。この場合、工数超過分は全てオフショアベンダ側が負担するという。

それでも、30%までの工数増なら許容範囲となるように生産性を高める努力を怠らない。小規模ベンダの創意工夫を垣間見た。


2008年02月07日 21:46 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

大雪被害とギョーザ中毒事件 2008/2/6
大雪被害、オフショア開発にも影響あり!?

「遅刻が5%くらい。休みが2%くらい」(上海)

「社員の出勤率は20%程度。そのまま春節休みに突入」(杭州)

「2/4時点では出社率30%」(上海)


●今週、中国に関連する暗い話題が多かった。

・大雪被害、旧正月の帰省ラッシュを直撃

ウン十万人が緊急避難所に足止め。広東省の日系工場でも、低賃金の出稼ぎ労働者やスタッフが帰省を断念する動きが出ている。品質コンサルの友人によると、中国新労働契約法の影響で、旧正月前に会社を退職したものが続出。だが、大雪のせいで故郷に帰省できず、かといって会社の寮にも戻れず、困った状態が続いているという。


・中国ギョーザ中毒事件

日本での報道は連日ヒートアップする一方。オフショア開発に携わる当事者はケロッとしているが、事情を知らない顧客や家族・友人に心配されて、返答に困ってしまう人がいるらしい(*)。


●アンケートのコメントボードより

・上海から杭州までは移動(by新幹線)できましたが、杭州市内の移動に苦労しました。

・バスでの移動に普段より少し時間がかかっている位で特に影響はありませんでした。

・年に一度の帰省が難しいオフショアメンバがいるため、休み明けのモチベーションが心配です。


■成功の勘所

大雪被害で中国人従業員が田舎に帰省できないために、間接的に業務に悪影響を及ぼす可能性あり。目からウロコのご意見である。オフショア開発の推進に責任を持つものは、この機会に改めて中国の機会 (Opportunities)、脅威 (Threats) を評価しなおそう。

*家族から「中国出張なんか行かないで」と懇願されたら、辛いな。


2008年02月06日 06:04 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

大雪被害、オフショア開発にも影響あり!? 2008/2/4
いまだ衰えぬ大雪、6日以降に弱まるか―中国
2008年2月2日、ラジオ局・中央人民広播電台の番組「中国の声」は中国中・南部を襲う大雪が6日以降に弱まるとの予測を発表した。
(Record China)

中国大陸の中南部は、2008年1月10日頃から降り続く大雪被害で大混乱だと伝えられる。ところが、大連にオフショア発注する日本企業の担当者に大雪被害の状況を聞くと、「大雪って何のこと?」とそっけない返事。

今のところ、上海ベンダに勤める友人からも、大雪のせいで業務が滞ったという話は届かない。先日、たまたま無錫出張した友人は、タクシーが捕まらず移動に困ったと嘆いていた。だが、その程度の被害で済んだことは、不幸中の幸いともいえる。

詳細は定かではないが、大雪被害が激しかった一部の地域では、通勤手段が麻痺して、中国人従業員が出社できず困っているという噂も聞く。

先週末、中国の春節休暇にあわせて休日出勤した日本人が多かったが、肝心の相手が不在で肩透かしを食らった人もいたらしい。お気の毒に。


■成功の勘所

毎度お馴染みのセリフを繰り返す。オフショア開発では、天候不良による交通手段の麻痺、海底ケーブルの破損といった予期せぬ障害が極まれに発生する。

そして、今年の夏、いよいよ北京五輪が本番を迎える。混雑のピーク時には、宿泊費の暴騰、警備による突然の交通規制、テロ、食中毒、水不足、電力不足などが心配される。リスク計画書を常に最新の状態に保とう。

              ※

【読者アンケート】今週もよろしくおねがいします

☆中国大陸では、中南部を中心に大雪被害に見舞われています。
 あなたのオフショア開発への影響はありますか?

◆大雪の影響あり
◆大雪の影響なし
◆春節休みなので助かった
◆その他

○結果を見る
○コメントボード


締切:2008年02月11日23時00分
協力:クリックアンケート



2008年02月04日 05:16 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

構成管理の手順を詳細にフローチャート化 2008/1/31
御社の主力メンバーは何歳くらいですか?
プログラマは23~24歳。実務経験は2年ほど。
(中国ベンダ幹部社員)

中国オフショア開発の主力メンバーは若い。それゆえ実務経験が足りない。そこで、こんな問題が発生する。


【日本企業が中国側リーダに指示を与える場面】

――中国でも構成管理をきちっとやってください

はい。では、念のため構成管理の手順のサンプルをください。

・・・≪ったく、中国は面倒くさい、と日本の蔭口が聞こえる≫


――中国でも構成管理をきちっとやってください

はい、分かりました。
・・・≪と言いつつ、リーダは現場に丸投げ。確認を怠る≫


――中国でも構成管理をきちっとやってください

はい、分かりました。
・・・≪と言いつつ、リーダは現場に丸投げ。若いプログラマは、
自力で「構成管理」を調べるが、未経験なので運用にばらつき≫


――中国でも構成管理をきちっとやってください

はい、分かりました。
・・・≪と言いつつ、リーダは現場に丸投げ。若いプログラマは、
構成管理のことが良く分からず、とりあえず放置≫


■成功の勘所

実務経験3年未満で、自己流の開発スタイルを身につけた中国人プログラマ集団を統率するには、「構成管理」や「Q&A」といった基本的な動作であっても10ステップ以上の細かいフローチャートで定義したい。(とは、前述の中国ベンダ幹部社員の弁)


2008年01月31日 07:15 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

独自の開発プロセスをトップ自ら若手に伝える 2008/1/30
インド―米国 週報で特に気になったところ
・アーンド・バリュー分析(Earned Value Analysis) - CPI(Cost Performance Index) - SPI(Schedule PerformanceIndex) - ETC(Estimate to Complete)

小規模・単発プロジェクトが目立つ中国―日本のオフショア開発でも、プロジェクト管理ツールを整備して中国側にデータ解析スタッフを配置すれば、EVAや資源情報を週報で扱えないだろうか。


(本誌発行人)

先日、「うちは失敗したことがない」と豪語する中国ベンダの日本人営業マンに会った。プロジェクト失敗の定義は人によってまちまちなので、額面通りにコメントを受け取るわけにはいかない。とはいえ、話を聞くとなかなか興味深い仕組みに心を動かされた。

この中国ベンダは、業界標準のPM知識体系を参考にした独自の開発プロセスを持っている。技術トップを兼ねる中国人総経理は、連日のようにOJT形式で社内の若手リーダー候補に匠の技を伝授するという。

一方で、きちっと単体試験をしているにも関わらず、最終局面でつまらない不具合が頻発するというご意見もある(アンケート掲示板)。レビューにレビューを重ねても、一向に改善されない様子が痛ましい。


■成功の勘所

頼もしい成功談を1つ。

『初めて委託する会社や担当者の場合には、コーディング開始から1週間目に必ずコードを送ってもらい、コーディングの癖を見抜いて指摘する』

情報提供者によると、利用するコーディング規約はシンプルで項目数も少ない。規約やレビューの目的は明確。必要な手は貸すけど、余計なことはしない。メリハリのきいたcontrolだと感心した。


2008年01月30日 06:02 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

週報でアーンド・バリュー分析は可能か? 2008/1/29
計画的にサンプルチェックしました
中国側のPG開始スケジュールより前に規約書を一式送付し、主要PG数人にプロトタイプの作成を依頼し、その後現地に向かってチェックする事で一定の品質を保つことに成功しました。ただプロジェクトの規模的に日本人SEが訪中する費用を計上できないものが多々あるのが現状です。
(アンケート掲示板より)

現地に行って、現物を観ると、オフショア開発の成功確率はぐんと高まる。とはいえ、中国に子会社を設立してオフショア拠点に日本人駐在員を送り込んでも、なかなか成果が出せない会社もある。

プロジェクトの規模が小さいうちは、頻繁に海外出張するわけにも行かない。だが、卓越した個人が縦横無尽に活躍することで小規模プロジェクトを楽々成功させることが出来る。

何かと引き合いに出されるインドと米国のオフショア開発だが、彼らはいったいどのように日々の進捗を管理しているのだろうか。

気になってインド―米国間の実態を調査したところ、プロジェクトマネジメントの技法を駆使して、現実の姿を把握している様子がうかがえた。
(米国企業は、ちゃんと現物確認しているのだろうか?)

【インド―米国 週報で特に気になったところ(※)】

・アーンド・バリュー分析(Earned Value Analysis)
- CPI(Cost Performance Index)
- SPI(Schedule PerformanceIndex)
- ETC(Estimate to Complete)

・key metrics and SLAs
- 人材流動率(たとえば月率5%以下)
- スキル経験(たとえばメンバーの75%以上は3年以上の経験者)
- オンサイト/オフサイト比率
- 最新の不良率(工程ごとに異なる複数の指標)
- 最新の変更率(たとえば10%以下)

※日本の週報でよくある項目はほとんど網羅されています


■成功の勘所

インド―米国のオフショア開発では、週報でこのような実績データ・各指標が交わされているという。もちろん、大規模かつ長期契約を前提としたオフショア開発での話。

小規模・単発プロジェクトが目立つ中国―日本のオフショア開発でも、プロジェクト管理ツールを整備して中国側にデータ解析スタッフを配置すれば、EVAや資源情報を週報で扱えないだろうか。



2008年01月29日 05:48 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

中間納品はお化粧されたプログラム 2008/1/28
三現主義とは
現場に行って、現物を観て、現実を直視せよとの教訓。品質管理の基本的な心構えである。
(本誌発行人)

中国オフショア開発で痛い目にあった日本人プログラマの嘆きより。


中国から完成したプログラムが納品されたので、日本で動作確認したところ、単純なバグがいくつも見つかりました。直ちにQ&A票で不具合を指摘しましたが、中国側の試験では問題なかったと一蹴されてしまいました。

実は、このプロジェクトの基本設計は、日本側の都合で大幅に遅れていました。中国オフショアチームは、不平をこぼさず連日残業で対応してました(中国社内では不満たらたらかもしれません)。納品間際には、日本も中国も休日返上で作業にあたりました。

ところが、いざ蓋を空けてみると中国からの納品物はバグだらけです。ですが、日本としても中国に多少の負い目があるため、厳しい態度で責任を追及することが出来ません。

納期が迫っていることもあり、中国での修正をあきらめて、全て日本側で対応することになりました。普段からお世話になっている日本のBPに急遽PGを増員してもらい、他人のソースコードのデバッグに明け暮れました。

結局のところ、予定よりも手間もコストもかかりました。これがオフショア開発なら、もう要らないと思います。(日本人)


上記は、20代の日本人プログラマの言葉である。もしも、同じセリフを日本人プロジェクトマネージャーが言ったなら、「それは自業自得」と非難の嵐は避けられまい。だが、この状況で当該20代プログラマを責めるわけにはいかない。

当該プロジェクトでも、途中で中国からサンプル・プログラムを取り寄せて動作確認を行っていたはずだが、最悪の事態を防げなかった。途中納品されたサンプルだけが、お化粧されていたのかもしれない。

今となっては後の祭りである。結果的に、この会社の三現主義はお題目にすぎないことが判明した。オフショアゆえ現場にゆけず、忙しさのあまり現物チェックを怠り、サンプルに騙され現実を見誤ってしまった。


■成功の勘所

2008年3月創刊のオフショア開発専門雑誌より。

中国語の「没問題」を、日本人が文字通り「問題なし」と解釈すると危ない。「没問題」のに「現在」の2文字をつけて考えるべきである。これまでの作業工程では「没問題」。でも、明日問題が発生するかどうかは、誰もわからない。それくらいの軽い発言であることが多い。

              ※

【アンケートに回答しよう】

☆オフショア開発では、三現主義(現場・現物・現実)が無視されがち。計画的にサンプルを中間納品させても、お化粧されてチェック機能が働かないことが多い。

◆よくある
◆たまにある
◆あまりない
◆皆無、当社は完璧
◆その他

○結果を見る
○コメントボード


締切:2008年02月05日23時00分
協力:クリックアンケート


2008年01月28日 07:10 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

日本人は犬型、中国人は猫型・・・引き出しを増やす良策 2008/1/24
日本人は犬型、中国人は猫型
はっきり善悪が決められないコメントの書き方、括弧の位置、命名ルールなどは日本人ならルールに従う、中国人なら自分の習慣に従うようです。この意味では日本人は犬型、中国人は猫型かもしれない。
(アンケート掲示板より)

いまどき、中国オフショア開発の世界でコーディング規約の議論がここまで盛り上がるとは思わなかった。

※3日間のコメント数 約40件(2008/1/24 14:00現在)


・技術的なチェックですが、これはルール守りとリーダークラスのソースレビューが有効かと思います。PGたちはすべて理解するのは大変でしょうね。最初からプロジェクトに入るわけではないし、仕事経験も少ないし。


・日本はコーディングルールの価値観に縛られすぎだと思っています。


・「経験の浅いプログラマに規約遵守を徹底させる」のは受託企業の仕事だと思いますが、まさか委託先が教育しようとしたりするでしょうか?


・「メソッドの行数は50を超えてはいけない」のような内容は常識ですが、「メソッドの行数が51行だったのでバグです」だったりするとうっとうしいでしょう。日本人なら平気ですか?


もしも、もっともらしい言い訳をしてコーディング規約を守らない日本企業があれば、顧客から一方的に罵倒されるだろう。だが、日本社会にだって、深夜の赤信号や国道の速度制限と同じように、守られないルールは多い。

本誌では、日本人の特徴はあーだ、中国人の特徴はこーだと安易にステレオタイプで分類する行為を厳しく諌める。一方で、自己の経験に基づき、オフショア開発の各現象を隠喩表現する試みは強く推奨する。

一本の評価軸だけでオフショア開発を語る行為は危険だが、複数の矛盾する評価軸を駆使して統合的にオフショア開発の成功要因を分析する行為は高く評価される。


■成功の勘所

オフショア大學が推奨する好ましい態度とは。

・「日本人は犬型、中国人は猫型」「日本はお刺身文化、中国は麻婆豆腐文化」のような分かりやすい喩えを出来るだけたくさん持つ。(引き出しの多様性)

・矛盾する複数の評価軸を意識して使う(矛盾統合)

中国人は個人主義といいつつ、人脈や面子など人間関係を何よりも大事にするのも中国社会。

日本人はマニュアル好きといいつつ、サービス残業など法律違反の労働態度を容認する日本社会。

中国人は個人主義&マニュアル嫌いといいつつ、判を押したように集団で資生堂などのブランド品を買いあさる矛盾行動。

日本人はコーディング規約を守るといいつつ、高速道路の速度制限を誰も守らないという矛盾行動。


2008年01月24日 17:20 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

怒っても効果なし、謝罪するが改善なし 2008/1/23
コーディング規約を守らない中国子会社にご立腹・・・効果なし
開発連絡用の掲示板上で日本語で守らないのはルール違反だ、と怒りを示しました。リーダは謝りますが、次も同じことを繰り返します。怒っても効果はないな、と感じました。
(アンケート掲示板より)

中国オフショア開発において、プログラマがコーディング規約を守らないのは「規約の重要性を知らないから」と回答した人が最新アンケート結果の約半数を占める。

一方、日本が提示するコーディング規約には無駄な作業が多く含まれると指摘する者もいる。


・「get_userData()は規約違反、GetUserData()としなさい」という修正をメンバー10人・1時間かけて行ったとして、いったい何が改善されるのでしょうか?


なるほど、ひとくちにコーディング規約といっても、大きく2種類に大別されるようだ。

・R1 命名規約といった単純な規約
・R2 設計指針に関する規約

前者の命名規約といった単純な規約(R1)については、ツールによる自動チェックと罰則規定を盛り込んだ半強制的な指導によって対処可能である。

一方、後者の設計指針に関する規約(R2)については、規約の目的、規約の重要性、規約を守ることで得られる効果を言葉で十分に説明する必要があるとのコメントが目立った。


・やはり、その規約を守る意味付けが重要ですよね。結局、その規約を守ることによって、性能が上がるとか、目に見える効果が無い限りは、難しいです。

・面倒でも一つずつ、実務の意味を伝える必要があります。これさえ押さえておけば、頭の良い中国人はしっかりとやりますよ。


この教訓をオフショア開発抵抗勢力が耳にしたら、きっとこのように反撃するだろう。

「中国を使うとコミュニケーション・コストが膨れてしまい、コスト削減効果が得られないのではないか?」

「中国を相手に日本式の"あうんの呼吸"が通じないのはよく理解できた。だが、当社では慢性的な人手不足なので、余計なコスト負担を強いられるオフショア開発なんて、しばらく無理!」


■成功の勘所

中国オフショア委託先にコーディング規約を守らせるには、規約の目的、規約の重要性、規約を守ることで得られる効果を言葉で十分に説明する必要がある。

その反面、保守性や障害対応に関するコーディング規約の定量評価は難しいため、経験の浅いプログラマに規約遵守を徹底させるのはかなり苦労することがある。


2008年01月23日 06:11 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

オープン・クエスチョン(Open Questions)にイライラ 2008/1/22
オフショア開発でコーディング規約が守られません
なぜ、中国では明確な規約すら守らないのでしょうか。

・規約を理解していないから   (6票) 19%
・違反しても罰則がないから   (2票) 6%
・規約の重要性を知らないから  (20票) 63%
・当社ではちゃんと規約を守ります(2票) 6%
・その他 (2票) 6%

○途中結果を見る(コメントボードが盛り上がっています!)


(アンケート途中結果)

2008年3月創刊予定のオフショア開発専門誌編集会議より。


聞き手:本誌発行人  話し手:中国駐在の日本人マネージャー

――オフショア開発では、日本側のQ&A回答遅延が数多く報告されています。

・初めて中国オフショア開発に携わった頃は、大半の質問がオープン・クエスチョン(Open Questions)でした。Yes/Noで答えられない自由度の高い質問で「○○はどうしますか?」という形式です。「ちょっとは自分で考えろ! こっちも忙しいんだ!」と何度となく
思いました。


――それは確かに辛いですね。どのように問題解決しましたか。

・クローズド・クエスチョン(Closed Questions)を使いました。質問側の負荷が高くなりますが、回答側の負荷は大きく低下します。大半の回答はOKの一言で完了しますし、Noの場合も相手の考え方・理解度がよくわかるので説明が容易です。Q&Aに関しては、日本側がボトルネックになることが多いので、このやり方は効果的です。


■成功の勘所

巷でよく言われるQ&A遅延の以下の対策について答えなさい。

「一定期間経過しても回答がなければ承認とみなす」

問1 この対策が機能するための前提条件を挙げなさい。
問2 この対策は、初めてのオフショア開発でも有効だろうか?
問3 Q&A回答期限は、どれくらいが適当か?

○あなたの答えをコメントボードに記入しなさい(匿名可)


2008年01月22日 06:34 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

レビュー時に指摘されなかったので今さら修正できません 2008/1/21
コーディング規約を守らない中国人プログラマ
コーディング規約にはっきりと「例外を無視してはいけない。」「想定外の例外を捕捉(catch)してはいけない」と書いてあるのですが、全く守られていません。完全無視です。
(オフショア大學/日本人)

2008年3月創刊予定のオフショア開発専門誌編集会議より。


今回ソースコードを見てもっとも愕然としたのは例外処理。
数百箇所も禁止コードがそのまま書いてあるのです。

 try {

  処理;

 } catch( Exception ) {

  // 何もしない

 }

               (ある中国オフショア開発より)


日本人マネージャが数百箇所におよぶ禁止コードの修正を中国人プログラマに指示したところ、以下の理由からあっさり拒否された。

・今からやると納期に間に合わない
・修正すると不具合が発生する
・レビュー時に指摘されなかった
・□□□□□□□□

 →そんなの関係ねー。今すぐ直せ(怒)


■成功の勘所

受け入れ担当者の技術力がないと、コーディング規約準拠を断念せざるを得ない。なぜなら、多少の規約違反があっても、見かけの上では、プログラムは正常動作するから。あなたなら、どうする?「規約だから」の一点張りか。それとも・・・


☆オフショア開発でコーディング規約が守られません。もっともらしい言い訳をして修正依頼にも応じません。なぜ、中国では明確な規約すら守らないのでしょうか。

◆規約を理解していないから
◆違反しても罰則がないから
◆規約の重要性を知らないから
◆当社ではちゃんと規約を守ります
◆その他

○結果を見る
○コメントボード


締切:2008年01月29日23時00分
協力:クリックアンケート


2008年01月21日 23:58 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

5Sへの関心なし? 2008/1/15
デスクワークも整理・整頓・清掃から
オフィスの5Sを推進することで、出来ている仕事をより効率的にしましょう、ということです。まずは最初の3Sでいいと思います。
(改善コンサルタント/日本人)

最初に5Sの話題を提供してくれた中国製造業に明るい改善コンサルタントの友人は、アンケート途中結果と投稿されたコメントに対して次の言葉を返した。

(◇:投稿コメント ◆:改善コンサルタント)

◇初めて職場を経験するときに5Sを教わってもらいましたが、結局は今まで一番簡単な本やペンなどの整理・整頓さえ出来てないです。会議のメモは殆どとっておりませんし、清掃・清潔は基本的に頭に無い現状です。・・・・・・自分の作業現場が写真取られたりするのは大嫌いです。仕事がうまくいけばそれでいいだろうと思う方ですので。

◆ある意味、ごもっともです。オフィスの5S(最初の3Sでいいと思いますが)を推進することで、出来ている仕事をより効率的にしましょう、ということです。

ただ、現状でいいと思っている人には、出来ないでしょう。でも、そんな方にも、整理・整頓をやることによる効果を実感してもらえれば、やれるようになるのですが。

どうしても自分の机は、ほっといてという人でも、関係者との共通の書類やファイルがあるでしょうから、それらだけは自分で仕舞いこまないで、必ず約束の場所に置く、戻すことだけは、守ってもらいます。周りの人に迷惑を掛けるのは、論外だからです。

部門やグループで、そういった共通ファイルに関するルールがなかったら、整頓のポイントである3定(*)をやることが第一歩になります。

*3定とは・・・定位、定品、定量


◇私の理解では5Sは形式ではなく、人(会社)の意識、品格、教養の反映です。品格のいい人であれば、落ち着く製品が作れる安心感、信用性を人に与えます。実もそうだと思います。5Sの導入は実に会社の品格を上げる活動だと思います。

◆幸地さんがメルマガで取り上げた事例のポイントは次の通りです。

1.通訳の問題
2.最初は躾ではなく、整理・整頓から
3.定点観測(写真撮影)

中国語に「躾」という字はない。整理・整頓から始めよう


コメント投稿された皆さんは、それぞれすばらしいご意見だと思います。躾は、ルールを守る、そしてその習慣付けですから、最初に守るべきルールを示す必要があります。ルールを守らせるという意味で、管理職・経営層を対象とするのは大正解。

5Sで躾から入るということはなくて、まず整理・整頓をして、その効果をわかってもらう。わかってもらえたら、それを継続する。この継続が難しいのですね。人間喉もと過ぎればですから。


■成功の勘所

先週から、オフショア開発またはソフトウエア開発の現場における5S「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の推進状況についてアンケートを実施しているが、回答者数が少ない。

ただし、これも一種のフィードバックだと思って、途中結果を有難く受け止めている。

「アンケート回答者数が少ない」=「関心が薄い」
 →「5Sは非効率?」「5Sをやっても無駄?」
 →あるいは「5Sなぞ初歩的なアンケートに答える必要なし?」



2008年01月15日 14:52 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

中国語に「躾」という字はない。整理・整頓から始めよう 2008/1/10
工場も事務所も改善は5Sから
5S(ゴエス)とは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の5つの頭文字をとって呼んでいるものです。躾とは、決められたことを正しく守ること、習慣づけです。中国語に「躾」という字はありません。
(改善コンサルタント/日本人)

ある中国オフショア開発ベンダで5Sの導入を試みたが、見事に失敗した。失敗した原因は「ISO導入の失敗と同じ」といえば、ほぼ察しがつくだろう。

日本人の5Sコンサルタントは、現場最前線のプロジェクトメンバーを相手にせず、日本語が通じる総務部の女性スタッフを丁寧に指導した。小さく始めて、徐々に横展開する作戦だ。

指導を受けた女性スタッフは今でも会社に残っている。だが、開発現場は何も変わっていない。中国製造業の事情に明るい改善コンサルタントの友人は、いきなり「躾」は難しいので、まずは整理・整頓から着手してはどうかと提案する。


■成功の勘所

製造業のお知恵を拝借。

5Sの整理・整頓を持続させるため、そして忘れないためによくやるのが、beforeとafterの状態をしっかり記録すること。簡単な話、写真を撮っておけばよい。そのときに定点観測と言って、同じ場所から写真を撮るのがポイントである。


2008年01月10日 06:44 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

進捗会議なぞ廃止してしまえ 2008/1/9
オフショア開発の目的
お客様に高品質なシステムを納品する事が目的であって、進捗会議はその為の手段の1つに過ぎません。進捗会議やレポートの方法・議事録・事実との差異の討論で開発の時間を割くのであれば、やらなければ良いのです。
(オフショア開発専門誌2008年3月創刊 執筆チームより)

コミュニケーションには、公式と非公式の2種類ある。公式なコミュニケーションとは、計画書で規定された会議体のこと。管理職の活動の8割近くはコミュニケーションに費やされているという。その大部分は、非公式なコミュニケーションである。

プロジェクトマネージャー養成マガジンの好川哲人氏は、コミュニケーションの本質は「情報共有」ではなく「相互理解」であると主張する。

情報共有の例:文書通達、要求仕様のヒアリング、共有DB設置
相互理解の例:背景・方針・戦略を知り、相手の「なぜ?」を把握

定例の進捗会議といいながら、実際には細かい仕様確認のQ&Aを繰り返すオフショア開発プロジェクト。中身を知らずして進捗確認などできないといえば正論だが、限られた開発時間が浪費されていくイライラ感は溜まっていく一方だ。


■成功の勘所

とあるオフショア開発プロジェクトでは、公式コミュニケーションを時間の無駄だと判断して進捗会議の廃止を決定した。その代わりに、全て現物確認に切り替えた。

進捗率を示す棒グラフをみても実態は掴めないが、ソースコードを読めば仕様理解のずれや設計漏れを早期発見できるという。窓口担当者の技術力がない会社には真似できない芸当である。


2008年01月09日 06:58 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

多様性を抱け(Embrace diversity) 2007/12/27
中国ベンダから提案する際のリスク
一回間違った提案をした担当者は駄目人間と見なすことが良く有りますので、提案するにもそれなりのプレッシャーが伴います。
(中国人)

個人的に2007年を総括する。今年の最重要テーマは異文化コミュニケーション。教科書に書かれた知識体系をオフショア開発に適応させることに挑戦した1年であった。

2008年は「多様性(diversity)」の観点からオフショア開発の問題解決に挑みたい。今年セミナーでお世話になった峯本展夫氏の言葉が大きな助けになるだろう。


日本人は、相手が理解してくれるだろうという前提は置かずに、相手が理解するのは、自分の責任であると考える。そこから、予め話の内容を整理してレジュメなどの文書を示したり、相手が意味不明な内容を都度確認するなどの行動をとるようになる。
・・・

英語には素敵な表現がある。"Embrace diversity."である。「多様性を抱け」とは意味深い。これは、相手に敬意を払うのと同じ意味である。

自分と同様に相手をプロフェッショナルとして尊重することから、協調関係が生まれ、行動が変わる。この協調関係がプロジェクトにおいて、とてつもなく大きなパワーを発揮する。
・・・

現場の各リーダーは、自分達の立場で必要とする情報には耳を傾けるだろう。だが、全体的な視点で何が必要かとは考えない。「遠くから見る」という視点で見るのは、プロジェクトマネージャーしかいない。対話によって働きかける。次第に「つながり」が見えてくる。・・・

プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル
    ―論理と知覚を磨く5つの極意 /峯本 展夫 (著)
社会経済生産性本部 (2007/3/20) 
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820118587/aicoach-22/ref=nosim

あなたは、納期間際になっても、能天気に提案を続ける中国人技術者に腹を立てたことはないだろうか。その時に「また後で」とお茶を濁して、それっきり放置プレイした経験はないだろうか。

そして、日本人の社交辞令「また提案してください」を真に受けて、必死に提案を繰り返す中国人技術者の徒労を考えたことはあるだろうか。


■成功の勘所

「なぜ中国人は言われたことだけしかせず、自発的に動かないのか」について。"プロフェッショナル"と"多様性"の二つの言葉を用いてあなたの意見を述べなさい。



2007年12月27日 06:25 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

ソース修正依頼に対して「動いているので問題なし」 2007/12/26
見た目よければ、全てよし
あるスレッドの待機に無限ループとフラグを使っている部分を発見しました。これはマズイ。「もっといい方法がある」と修正を依頼したのですが、中国からの回答は・・・・・・
(日本人/オフショア大學)

あなたは、委託先の海外拠点で、どのような手順・役割と責任・基準でソースレビューが行われているかを把握しているだろうか。20代前半のプログラマが大活躍する中国オフショア開発では、ソースコードの"品質"に関する不満が多いという。

こうした不満の一部は静的解析ツールを使えば解決できるが、ライセンス不足等の問題から万能薬とはいえない。

※参考記事「ソースコードのコピペ爆弾」


【集まったご意見】

・例外処理を無視するだけならまだしも、バグ発生確率を抑えるお化粧プログラミング技法を駆使する中国ベンダに辟易。

・「コピペ爆弾」「Javaを手続き型で書く」も満載です^^;思わず笑ってしまいました。普通なんですね。今回は新規分が8万STEP弱ありますが、たぶん1/2~1/3くらいで済むかと。継承とかイベントとかスレッド、GDI+、Win32など器用に使って、機能を実現していますが、(ソースと性能の)無駄をとること、再現性が低い不具合の対応には全く関心がないようです。

・動くだろうけど、、、この実装は。。。って思うソースが多々見受けられ、説明してもなかなか改善されません。

・あるスレッドの待機に無限ループとフラグを使っている部分を発見しました。これはマズイ。「もっといい方法がある」と修正を依頼したのですが、中国からは「動作してますから問題ありません」と回答されました。


■成功の勘所

前出のソース修正依頼を拒絶された日本人SEは、その後にある方法
で再びソース修正を依頼したら、あっさり問題が解決したという。
「ある方法」とは、いったい何だろうか。


2007年12月26日 21:41 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

年末年始カレンダーを知っていますか 2007/12/25
中国国家法定休日調整案
国務院弁公廳より、2008年度の中国の休日のスケジュールが発表された。先日発表された新規定により、新たに休日の日程が設定されている。また、7日間の連休の取り方も、これまでと少し替わっているので注意が必要だ。
(お友達の掲示板より)

正月休みから来年にかけての中国のカレンダーを確認しよう。情報提供者はいつもお世話になっているマイミクさん。


元旦:2007年12月30日~2008年1月1日(3日間)

1月1日(火)は法定休日。12月30日は日曜日なので、12月29日(土)の休みを12月31日に移動させて、3日間の連休とした。よって12月29日は振り替え出勤。


春節:2008年2月6日~12日(7日間)

2月6日は春節の大晦日(除夕)、2月7日(春節)、2月8日(正月初二)で休み。2月9日(土)、2月10日(日)は通常通り休みとなり、2月11日(月)と2月12日(火)は、2月2日(土)と2月3日(日)を振り替え出勤にして休みとする。


労働節:2008年5月1日~5月3日(3日間)

5月1日は労働節で休み。5月2日(金)は5月4日(日)を振り替え出勤にして休みにする。5月3日(土)は休み。


国慶節:2008年9月29日~10月5日(7日間)

10月1日、10月2日、10月3日は国慶節休み。9月27日(土)、9月28日(日)は、9月29日(月)、9月30日(火)へ休みを振り替え、土日が出勤となる。10月4日(土)、10月5日(日)は休み。


■成功の勘所

中国国家法定休日調整案のポイントは、5月の大型連休がなくなったこと。その代わりに、小さな連休が増えたこと。

※本誌発行人による事実の裏づけは行われていません。
参考になる情報提供をお待ちしています。

追加情報、公式サイト、間違い訂正など→ mailmag@ai-coach.com


2007年12月25日 17:54 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

出来の悪い従業員と一緒にして欲しくない中国人技術者 2007/12/20
中国人の日本人像
日本人は、自分の責任範囲外のトラブルまで自分の責任として考えます。それは会社の責任ですが、個人責任ではありません。私には信じられません。
 (中国人)

中国オフショア開発を成功させるには、要所でのレビュー徹底が欠かせない。ところが、マネジメントの思惑とは裏腹にオフショア開発のレビュー活動は効果を発揮しない。

日本と中国の文化の違い。これまで、何度も何度も同じテーマが扱われてきたが、やはりレビュー活動でも文化の違いは無視できないほど大きい。

・日本側の干渉を嫌う中国人技術者

 中国では「信頼=放任」という考え方が強いから

・出来の悪い従業員と一緒にして欲しくない中国人技術者

 不具合を出すのは一部の連中なのに、連帯責任を取らさせる雰囲気を嫌う

■成功の勘所

オフショア開発でレビュー活動が機能しない原因は他にもある。

・ブリッジSEがボトルネックになる
・中国でエビデンス(evidence)が取得されない

それぞれについて、文化的相違の観点から説明してみよう。



2007年12月20日 21:30 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

婉曲に表現したら日本人の責任回避だと嫌われた 2007/12/19
日本語で書くと、ぜんぜん駄目です。
僕は日本人ですが、英語で書いたレポートの方が論理的かつ簡潔に表現できます。日本語で書くと、ぜんぜん駄目です。
(米国留学経験のある日本人)

日本人から中国人技術者に不具合を連絡する場面より。


「問題となった画面表示とDBの不整合について。仕様書ではそう書いていますが、×××××とすべきではないでしょうか?」


依頼側の日本人は中国人技術者の面子を配慮して、婉曲に不具合の原因を伝えたつもりだった。ところが、この指摘を受けた中国人技術者は、この言い方は日本人の責任回避だと不満を漏らした。


■成功の勘所

オフショア開発では、読み手を意識して、相手国の言語に翻訳されることを前提に文章を書こう。外国人に伝わる文章のコツは、コンテキスト(文脈)ではなく、コンテンツ(内容)を充実させること。


2007年12月19日 21:35 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

「言った」「言わない」のトラブルなど皆無 2007/12/18
ルール通りに仕様変更
依頼表や変更指示書の作成に半日ほど費やします。(日本人)

意外に思われるかもしれないが、オフショア開発で「言った」「言わない」のトラブルに巻き込まれたことなど一度もないと豪語する実務者は少なくない。

張本人に詳しい話を聞いてみると、残念なことに奇をてらった妙案は出てこない。

・質問や各種依頼は全てQ&A連絡票に書く
・TV会議の後には、中国側に議事録と質問一覧を提出してもらう
・日本側は必ず回答期限を守る
・文書で曖昧な点があれば、即座に電話やチャットで確認する

以上、たったこれだけである。


■成功の勘所

ある会社では、大きな障害もなく無難にオフショア開発がスタートした。しばらくして、互いに信頼関係ができたのを確認。良好な雰囲気の中で、一括請負契約からラボ契約に移行した。ところが、ラボ契約に変わった途端に「言った」「言わない」の問題が続出した。
いったいなぜ?



2007年12月18日 10:43 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

提案してもしなくても、僕の給料は同じ 2007/12/11
私の経験上、仕様書を書かない方がコストがかかります
色々やってみて思ったのが、現状で機能を満たしている場合、さらなる提案は厳しいですね。無い場合・あやふやな場合はちゃんと提案してくれるようになりましたが。
(読者アンケートより)

仕様書の丸投げの是非を問うアンケート結果には、既に15件のコメントが寄せられている。クリック数では、いつの間にか「反対」派のご意見が「賛成」を超えてきた。

提示された仕様書に明らかな不備があれば、誰だって指摘できる。オフショア初心者は誤解しやすいが、中国人技術者はドキュメントの精査は大得意だ。

ところが、仕様書に論理的な矛盾がなく、中国での実装に必要十分な情報が揃うと、ワンランク上の提案は難しいという。

「今の画面でもいいけど、こういう画面にしたほうがユーザが使いやすい」という提案は皆無です。きっと「提案してもしなくても、僕の給料は同じ」という考えがあるのだと思います。

→中国人技術者はそこまで冷めてるかな。他の方のご意見も聞いてみたいです。(幸地)


■成功の勘所

中国人技術者にとって、日本語による仕様説明会は苦手である。その一方で、後からじっくりドキュメントを読み込む能力は侮れない。現実には、書いた張本人ですら気づかなかった論理的な矛盾点がいくつも指摘されることだって珍しくない。

・DB設計書と要件定義書で、項目の定義が異なると指摘される
(仕様変更後、DB設計書を更新したが、要件定義書を更新し忘れた)


2007年12月12日 00:00 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

受託ベンダ営業と客先常駐要員の態度が異なる 2007/12/10
丸投げは中国企業を育てるか?
☆オフショア開発では、依頼主が仕様書の粗さを事前にきちんと説明しておけば、その後に仕様確認不足によるバグが発生しても、それは確認を怠った受託側が悪いことになる。

・賛成(条件付き賛成) (24票) 53%
・反対(条件付き反対) (19票) 42%
・その他 (2票) 4%


(読者アンケート中間結果より)

仕様書の丸投げの是非を問うアンケート結果には、既に12件のコメントが寄せられている。クリック数では「賛成」が多いが、コメントボードでは「反対」派のご意見が多いようだ。


ケーススタディ「受託ベンダ営業と客先常駐要員の態度が異なる」

日本企業の忙しい担当者が中国オフショアベンダに見積もりを依頼する際には「仕様書を埋めてくれますか?無理なら別にいいです。可能なら提案してください」といいます。

すると、中国企業の営業は、仕事が欲しいので無理を承知で「できます」といいます。そして、あてもないのに請負体制を提案します。日本企業は、本当は中国には難しいと感じながらも、他にアテがないのでリスク覚悟で中国人オンサイト開発がスタートします。

ところが、客先常駐ブリッジSEは、自分の仕事を「ブリッジ」だと思っているので、仕様書の行間を埋める気はありません。「何でもできる」と言い放った営業担当とは対照的な態度です。

あるいは、ブリッジSEに意欲があっても、能力不足で仕様書を補完するなど出来やしません。問題は解決されずやがてプロジェクトは暗礁に乗り上げてしまいます。さあ、どうする。


コメント(2件)

・私個人としては、「出来ないことは出来ない」とはっきり言ってもらって、その上でその問題をどうやって解決するかを一緒に考えてくれるパートナーとやった方が、双方納得できる結果になりました。

・委託元には顧客が待っているわけですから、社内もしくは国内外注で仕上げるしかないですよね。「丸投げ」は反対です。委託元で「手配師」「口利き屋」が評価されるようになって、社内の技術力を低下させてしまうので。


■成功の勘所

ケーススタディの答えを考えよう。あなたの周りの状況を鑑みて、適当な前提条件や制約条件を設定して構わない。模範解答ではなく、あなたの会社で通用する具体策を書きなさい。

解答する→ http://clickenquete.com/a/cb.php?Q0023865P00C99c1


2007年12月10日 15:48 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

丸投げは中国企業を育てる 2007/12/5
最初に警告しましたよ。仕様確認を怠った受託側が悪い
あなたは、受託企業の窓口担当だとする。もし、大手の得意客から、「最初に言っておきますが、この仕様書は完璧ではないので、途中で問題を見つけたらすぐに確認してくださいね」と仕様書を渡されそうになったら。あなたは、どうやってこの場を切り抜けるか。
(出題/本誌発行人)

どちらかと言えば、上記コメントは発注企業に「批判的」である。ところが、丸投げは受注者を育てる絶好の機会となると主張する声もあるので、参考までに紹介しよう。


・こうした丸投げは、中国側の企業に必要以上に訓練の機会を与える。その結果、中国側企業の地力がついて来る。実際に我が社が属する□□業界では、丸投げがフツーになってしまっている。メーカーの意地で仕様書をきちんと作っても、そのコストが日本の販売コストで吸収できない状況になっている。(日本人)


☆オフショア開発では、依頼主が仕様書の粗さを事前にきちんと説
明しておけば、その後に仕様確認不足によるバグが発生しても、そ
れは確認を怠った受託側が悪いことになる。

◆賛成(条件付き賛成)
◆反対(条件付き反対)
◆その他

○結果を見る
○コメントボード


締切:2007年12月12日23時00分
協力:クリックアンケート

↑個人情報は入力不要。IPも分かりませんのでご安心を(幸地)


■成功の勘所

先述した「丸投げは中国企業を育てる」と主張した日本人読者は、この後に日本が中国に丸投げを許す前提条件や、失敗したときのリスクについても詳しく触れている。

あなたは、どんな条件が揃えば「丸投げが中国を育てる」に賛成するか。それとも「丸投げ」は絶対反対か。

ここでの「丸投げ」とは、「最初に言っておきますが、この仕様書は完璧ではないので、途中で問題を見つけたらすぐに確認してくださいね」と念を押して仕様提示することを意味する。



2007年12月05日 07:12 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

最初に警告しましたよ。仕様確認を怠った受託側が悪い 2007/12/4
行間を読んで、何か疑問があれば聞いてください
これが仕様書です。不十分かもしれませんので、何か疑問を感じたら随時確認してください。私は、常にここにいますから、いつでも気軽に声をかけてください。よろしくお願いします。
(大手システム会社/発注担当者)

先日お会いしたオフショア開発マネージャは、大手システム会社から仕様説明を受ける際に言われた上記セリフが頭に焼きついて離れない。

大手システム会社の発注担当者が意図するところはこうだ。ボタンのかけ違いで、オフショアベンダから納品されたプログラムに仕様理解不足による不具合が見つかったら、それは「仕様書の確認を怠った受託側の責任」だということ。

一方、オフショアベンダが気を利かせて仕様書の行間を埋めたとしても、発注者の意図と少しでも違えば、それは「受託側が暴走して、勝手に誤った実装をした」とバグ扱いされるのが関の山。

前出のオフショア開発マネージャーは、日本企業がパートナー企業を格下の「下請け」扱いする尊大な態度に憤りを隠せなかった。これは、いんちき占い師と一緒で、どんな状況でも自分は責任を取らずに済む大手システム会社の悪知恵に過ぎないと嘆いている。


■成功の勘所

あなたは、受託企業の窓口担当だとする。もし、大手の得意客から、「最初に言っておきますが、この仕様書は完璧ではないので、途中で問題を見つけたらすぐに確認してくださいね」と仕様書を渡されそうになった。あなたは、この場をどのように切り抜けるか。


2007年12月04日 20:51 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

「下請け」的発注を超える 2007/12/3
1990年代頃からソフトウェア開発作業の海外委託が行われてきた
いまや大手ベンダーでオフショア開発を導入していないところはないとも言える状況です。ただ、これは主に大規模案件を中心とした話。今後は、中小規模のシステム開発案件でもオフショア開発の導入が進むものと思われます。
(システム開発ジャーナル Vol.1 特集2より)


メディアを通じてオフショア開発の未来像を語る人が増えてきた。日経BPは「グローバル・ソーシング」という言葉を用いて、戦略的なアウトソーシング実現を提唱する。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/global/index.html


インド事情に明るい友人からも、次の便りが届いた。

・インドへの「下請け」的発注は難しい。

インドIT大手は日本企業とパートナーとしての関係を求めており「協力はするが下請けにはならないというのが彼らの方針。インドで下請け的業務を委託する場合は、中小企業から探すことになる。ただその場合は日本語力に大きな期待ができない。日本側に優秀なブリッジSEが必要となる。

・グローバル展開を視野に

日本のIT企業の海外進出に際して国ごとにシステムをカスタマイズする場合に、すでにグローバルに展開しており、英語力のあるインド企業と協業することで、スムーズな展開が期待できる。


先日発売された専門誌の特集記事は、今後のオフショア開発ベンダは以下の新しい機能を果たすことになると予見する。

1.自国向けのローカライズを担当

2.自国の顧客向けのシステム開発においては要件定義などの上流工程を担い、その後の工程はノウハウや資産を持つ日本企業と協業で開発をする

3.マーケティング活動や国内販売網を提供する

4.保守開発や運用業務を受託する

        (システム開発ジャーナル Vol.1 特集2より)


■成功の勘所

新しいオフショア開発の役割が期待されるが、実行部隊の人員不足や力量不足、さらには、オフショア開発推進ガバナンスの欠如が大きな壁となって行く手を塞ぐ。「下請け」的発注から脱皮するために、あなたが乗り越えなくてはいけない2つの壁がある。

・縦割り行政であり、費用対効果を測定する横断的な仕組みがない
・各取り組みを評価する基準ならびに意志決定プロセスが曖昧



2007年12月03日 15:25 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

オフショア開発を評価する複数の尺度を持ってほしい 2007/11/29
一方通行ではなく、相互評価の仕組みが必要だと思います
ウオーターフォール型開発では問題は少ないと思いますが、実際は、日本企業側要因による度重なる仕様変更が発生し、その度に手戻り工数が発生します。
(読者アンケートより)

オフショア開発で大事なこと。それは、仕様を抜け漏れなく文書化すること、役割と責任を正確に定義すること、そして現場で自律的に運用される標準プロセスを整備することなどが挙げられる。

ところが、中国ベンダに勤務するある日本人読者は、日本企業が最終成果物のみで中国ベンダを評価する姿勢に疑問を投げかける。すなわち、Step数を基準とした生産性の評価のみでは不満とのこと。

では、オフショア開発では、他にどのような評価指標があるだろうか。前出の日本人読者の会社では、日中間で生じた各種ギャップを設計部以外の部門が客観評価する仕組みがあるそうだ。

・Q&Aの件数や回答の応答速度
・仕様変更の頻度
・仕様変更により発生する手戻りの定量的データ

→オフショア開発実践セミナーでも詳しく解説します(幸地)


■成功の勘所

あなたの会社では、計量経済学などの科学的なアプローチを用いて、オフショア開発プロジェクトを定量評価しているだろうか。業務知識や日本経験、顧客満足度といった目に見えない価値には賞味期限はある。中国ベンダを評価する際には、時間軸を考慮すること。


2007年11月29日 14:24 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

他園区はみなライバル by 蘇州 2007/11/8
蘇州でもIT人材の人件費上昇が目立つ
ですが、上海と比べて相対的な生活費が安いので人材定着しやすい。
(蘇州工業園区・中国人)

2007/11/7(水)、沖縄視察団上海出張アテンドの三日目。

今週、沖縄から20名余の上海オフショア開発事情視察団が到着した。月火水の3日間は、上海、杭州、蘇州の各ソフトウェアパークを駆け足で視察する。

三日目は、朝9:00に杭州ホテルを発って蘇州に向かう。お目当ては壮大なビジョンと広大なスケールが自慢の蘇州工業園区。

・グレート蘇州だけで、国家レベルのパークが5つある。
・さらに州レベルでも23の園区。これらはみなライバルである。
・中国内の競争を勝ち抜くには、政策上の優位性が欠かせない。
・蘇州工業園区の人材は半数が地元出身者、半数が外部からの流入
・新卒の募集は簡単。1万人の新卒募集に対して8万人の応募者あり。
一方、経験者の不足は相変わらず困難。


■成功の勘所

蘇州工業園区の企業誘致担当者曰く、

蘇州でもIT人材の人件費上昇が目立つ。しかしながら、上海と比べて相対的な生活費が安いので人材定着しやすい。最近はどの企業も人材トレーニングに力を注ぐ。中国商務部から一人当たり4,500元のトレーニング補助金が貰える制度があった。これが、いつまで続くかは不明。


2007年11月08日 23:48 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

杭州ハイテク技術産業開発区は民間主導 2007/11/7
安いだけじゃ物足りない
杭州の人件費は特別安いというわけではないが、全体のコストダウンは可能である。
(杭州国家高新技術産業開発区)

2007/11/6(火)、沖縄視察団上海出張アテンドの二日目。

今週、沖縄から20名余の上海オフショア開発事情視察団が到着した。月火水の3日間は、上海、杭州、蘇州の各ソフトウェアパークを駆け足で視察する。

二日目は、朝7:30に上海ホテルを発ってバスで杭州へ向かう。道中、高速道路脇の景色を眺めながら沖縄との類似点を挙げながら盛り上がる。

杭州市街地に着いたのは11:00前。途中でトイレ休憩を挟んだものの、予想以上に時間を食った気がした。我が視察団は、中国でも有数の観光地『西湖』の畔を30分ほど散策。驚いたことに西湖周辺では、未だにセミの鳴き声が聞こえた。沖縄県民もびっくりである。

この日の公式スケジュールは以下の通り。

・杭州国家高新技術産業開発区と意見交換
http://jap.hhtz.gov.cn/index.asp

・対日オフショア開発で豊富な実績を誇る民間企業と同社集団が運営する人材育成センターを訪問

・対日オフショア開発企業の連合会□□□クラブとの交流会


杭州国家高新技術産業開発区では、副主任・副区長の金志鵬様をはじめとする企業誘致担当者がお出迎え。企業誘致の立場から、杭州IT事情を丁寧にご説明いただいた。

・1990年設立
・上場企業14社、ベスト百企業12社が進出済み
・前年度比、特許数30%増加(2006年度)

・ソフト売上が開発区全体の17.5%を占める
・アウトソーシング基地として900社が進出済み(うち外資170社)
・売上高1億元以上売上が53社
・CMM/CMMi達成企業 42社

・杭州の人件費は特別安いというわけではないが、□□□との理由から全体のコストダウンが可能となる。

・政府の建設投資は最小限にとどめた。2つのビルを除き、他は全て民間資本によるもの。


第2番目の訪問先では、新卒者向けITトレーニングの現場を視察させていただいた。生徒の大半は中国人だが、一部には日本企業から派遣された日本人研修生もいるとのこと。

杭州最後の公式行事は、対日オフショア開発企業の連合会□□□クラブ杭州との交流会。我々が宿泊した望湖賓館の会議室にて、50名近くのオフショア関係者が交流を深めた。


■成功の勘所

沖縄県民は杭州がいたく気に入ったご様子。特に以下の点に魅力を感じたらしい。

・豊かな自然と最先端の開発区が融合された街全体の雰囲気
・地元志向が強く、落ち着いた雰囲気の人々

来年はぜひベトナムにもお連れしなきゃ。


2007年11月07日 04:37 | 固定リンク | Comment(1) | TrackBack(0) |

米国系企業が数百名単位でIT技術者を根こそぎ奪っていく 2007/11/6
日本企業から「ブリッジSEを3名出せ」と言われたら?
日本語ができる優秀なブリッジSEがいたとしても、絶対に日本に派遣したくない。その理由は?
(中国人・会社役員)

2007/11/5(月)、沖縄視察団上海出張アテンドの初日。

昨夜、沖縄から20名余の上海オフショア開発事情視察団が到着した。月火水の3日間は、上海、杭州、蘇州の各ソフトウェアパークを駆け足で視察する行程となっている。

今回上海を訪問した沖縄視察団の目的は、沖縄県が推進するIT津梁パーク構想の実現に向けた実務者レベルの準備運動である。

・2007/6/2 - 琉球新報
「県内でも実現可能」 知事「大連ソフトウエア」視察

・2007/2/6 - 沖縄タイムス
ソフト開発 官が支援(新沖縄情報通信産業振興検討会)


・間接オフショア開発は効果的ですか?

・2008年度内閣府 沖縄予算3,125億円要求


午前中は、上海浦東ソフトウエアパークと園内にあるオフショア開発ベンダを表敬訪問。日本流の仕様変更が多いソフトウエア受託開発をこなす秘訣について意見交換した。

上海浦東軟件園

午後は、JETRO上海のご好意で最新の中国IT事情についてブリーフィングしていただく。その後、上海と周辺都市を中心に活動する対日オフショア開発企業の連合会□□□クラブとの交流会。

沖縄と上海が抱える共通課題として、主にマネジメントレベルの人材不足について具体的な意見を交わした。

・米国系企業が数百名単位でIT技術者を根こそぎ奪っていく
・体力のある企業は自主的に内陸シフトして人材争奪戦に対抗するものの、イタチゴッコなのでいつかは限界が訪れるだろう


■成功の勘所

日本企業から「ブリッジSEを3名出せ」といわれても困る。なぜなら、優秀な人材だけ選抜して日本に派遣してもオフショア受託企業にとってメリットは少ない。

日本語ができる優秀なブリッジSEがいたとしても、絶対に日本に派遣したくない。中国に置いて現地で10名をマネジメントさせた方がずっと儲かるのだ。


2007年11月06日 06:19 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

ブリッジSEにはサブPMの権限を持たせるべき 2007/10/31
中国現地法人の人事権を握るブリッジSE
私は日本側の所属なので、中国では何の権限もありません。ですが、実際には、中国側の人員配置や役割について、強い影響力を持っています。
(東京・ブリッジSE)

東京でブリッジSEとして活躍する知人からの追加情報。

・「ブリッジSE」は中国現地にどのぐらいの権利があることより、日本のプロジェクトにどのぐらいの権利を持っているのは重要だと思います。いくら能力を持っても、ただの通訳者の役割だけであれば、効果があまり出てこないと思います。日本企業で働いているブリッジSEに少なくともプロジェクトの開発部分の計画、見積もりなどサブPMの権限をもらせるのは重要だと思います。(東京・ブリッジSE)


ちょっと珍しい文系出身の通訳になった現役ブリッジSEからのお便りも紹介する。

・文系出身の通訳からブリッジSEを育成するためには、短期間でも、1年間必要になると思います。自分も専門的に技術を学んだことがなく日本語しか出来ない人間なので、通訳と窓口役をやりながら、今後の進路を考えておりました。(中国人)


■成功の勘所

「ブリッジSEにはサブPMの権限を持たせるべき」とのご意見に、あなたは賛成か、それとも反対か。自社の内部環境と外部環境を整理して、あなただけの見解を用意しなさい。


2007年10月31日 23:48 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

中国現地法人の人事権を握るブリッジSE 2007/10/29
橋渡しの重要性は理解しますが
そろそろ「ブリッジSE」という呼び名を廃止しませんか。
(日本人)

私と友人の自称"ブリッジSE"との会話の一コマより。


Q.あなたは、東京本社所属のブリッジSEですが、中国現地法人ではどの程度の権限を持っていますか。例えば、気に入らない担当者を飛ばすなどの人事権を持っていますか。

A.いいえ。私は日本側の所属なので、中国では何の権限もありません。ですが、実際には、中国側の人員配置や役割について、強い影響力を持っています。


Q.貴社では、どのようにブリッジSEを育てますか。

A.少なくとも日本で3年以上の経験がないと、当社ではブリッジSEとはいえません。ですが、10年の日本経験があっても、ダメな中国人はダメです。


Q.あなたは、普段の業務でブリッジSEとして、どんな時間の使い方をしていますか。

A.毎日ほぼ8時間、中国と東京をつないで、現地担当者と通話しています。中国側の日報を毎日チェックします。中国から問題が上がってきたら、深夜まで残業して対応することもあります。昔は、全てのソースコードに目を通していました。


■成功の勘所

話し手の会社では、PMクラスの中国人がブリッジSEと称して、日本側の立場で中国拠点をコントロールする体制が当たり前である。うがった見方をすれば、中国拠点に独り立ちできるプロマネが育っていないとも受け取れる。だが、ここでは、リスクを最小限に抑えようとする同社のマネジメント姿勢を高く評価したい。



2007年10月29日 22:59 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

オフショア開発にマネジメント支援ツールを導入した効果 2007/10/22
大盛況!第23回オフショア開発勉強会
オフショア開発で役立つマネジメント支援ツール運用の留意点

日時:2007年10月19日(金)15:45-17:45 (15:15開場)
場所:オフショア開発フォーラム セミナールーム
講師:北京オフショアベンダーの中国人総経理


先週金曜日、東京・日本橋にて、第23回オフショア開発勉強会が開催された。小さな会場を17名で埋め尽くし、会場はいつも通り盛り上がった。
(無断欠席された方、今後の勉強会参加はお断りします)

今月のゲスト講師は、仲間と立ち上げた日本法人の役員と北京側の総経理を務める中国人男性。東京大学修士課程を修了後に日本企業にプログラマとして就職。現在はマネジメント業務が主体だが、今でも現場に入ってSE業務を兼任することもある。

勉強会では、社内で独自開発された進捗管理ツール、ファイル共有ツールをご紹介いただき、質疑応答を通じてツール運用の留意点やブリッジSEの業務形態を赤裸々に語ってくれた。

講演後の自由討論では、複数の参加者がこぞって日本と中国間の最新の通信事情を発表してくれた。

・大連は夕方になると回線が急に混雑する
・最近は特にメール遅延が増えた(午後3時に送信、到達は翌朝)
・中国側にサーバを置くと□□□、東京側にサーバを置くと□□□
・□□を経由すると、中国へのアクセスは快適になる


【読者アンケート】

中国と日本の間の通信状況は相変わらずよくない。最近は特にメール遅延が増えたという。午後3時に送信、到達は翌朝なんてことも。
それって、本当ですか?

◆最近は特にヒドイ
◆以前と変わらず
◆通信回線は良好です
◆その他

○結果を見る
○コメントボード


締切:2007年10月30日23時00分
協力:クリックアンケート

■成功の勘所

オフショア開発にマネジメント支援ツールを導入した効果。

・オフショア拠点側の進捗把握がよりスムーズになった
・Q&A回答遅延が激減した
・安全性を保証しながら使い勝手の良いファイル共有を実現


【参加者の声】貴社ではどんな開発支援ツールを使っていますか?

・現状は、メールベースでのやり取りです。現在リアルタイムでの開発ツールを探しています。

・社内ツールを使ってコミュニケーションしています。イントラネットなので、日中で同じ管理ツールを使っています。

・スカイプとマイクロソフト社のツール、□社のコラボレーションツールを使っています。バージョン管理ができるのでトラブルが少なく、過去バージョンも残っているのでチェックもできます。

・担当プロジェクトでは特に使っていません。


2007年10月22日 11:51 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

カリスマ型マネージャーと個人主義
優秀な中国人マネージャー、駄目な中国人マネージャー
カリスマ性が少ないマネージャーだとトラブルになることが多い

(オフショア大學第2期より)

今月のオフショア開発勉強会では、古典的な異文化コミュニケーションの理論を用いて「日本人は集団主義、中国人は個人主義」の落とし穴を紹介した。

オフショア大學第2期の受講生が、中国人は組織ではなく、魅力のある上司のために働く気質があるとコメントした。対照的に、日本人はダメなマネージャーの下でも、組織のためちゃんと働くとのこと。

かつて、このマガジンで、中国人IT技術者の集団辞表について紹介したことがある。

: ある中国人読者は、中国人プログラマーと直属上司との関係の例
: を見事に説明してくれた。
:
: > 自分が頑張ったことをリーダーがちゃんと見ているか、
: > リーダーが自分をどう評価しているか、
: > 中国のプログラマたちはとても強い関心を持っています。
: > リーダーに認められたら、昇進や給料アップに直接つながります。
: >
: > 同時に、自分のリーダーが昇進したら、
: > 自分も一緒に連れて行くかもしれないと考えている人は少なくな
: > いと思っています。中国企業では、
: > 従業員が集団で辞表を提出することは珍しくありません。

            (第475号 集団で辞表提出 2006/7/20)


■成功の勘所

「中国人は個人主義」の根拠を列挙しなさい。
「中国人は集団主義」の根拠を列挙しなさい。

中国オフショア開発の担当者として、あなたが抑えておくべき要諦を整理しなさい。


2007年09月19日 11:35 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

状況を尋ねたらテストケース一覧だけが送られた 2007/7/30
たったそれだけ?
開発がUTフェーズに入り、オフショア側にUTの実施方法と成果物サンプルを要求したところ、いきなりテストケース一覧だけが送られてきました。

(オフショア大學より)

●オフショア開発勉強会に毎回のように出席する勉強熱心な読者から聞いた、オフショア開発の体験談より。


「開発がUTフェーズに入り、オフショア側にUTの実施方法と成果物サンプルを要求したところ、いきなりテストケース一覧だけが送られてきました。」

・テストケースを洗い出す基準やテスト観点が不明瞭

・網羅性を保証する術がない

・毎回のように、もぐら叩きが繰り返される
「納品→バグ摘出→中国へバグレポート提出→バグ修正→確認」

・日本側プロマネの危機意識は薄い

・中国に言っても無駄。状況は改善されないと思い込んでいる


■成功の勘所

状況改善のために情報提供者がやったこと。

まず、日本側プロマネに状況改善の必要性を強く訴える。次に、日本側でテスト実施の基準とサンプルを作成する。その後、優秀な中国人コーディネーターを使って、オフショア側に中国語でテスト実施基準を徹底的に説明する。

これだけで、状況は劇的に改善されたという。


2007年07月30日 16:27 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

教育熱心と人材育成は別物 2007/7/12
出来ない人は最初からプロジェクトチームに加えない

オフショア人材育成の仕組みが充実したこともあり、開発チームは出来る人だけで構成すべきという中国人マネージャーと、どんな状況下でもOJTは有用だと説く日本人マネージャーが感情的に対立した。あなたのご意見は?

・中国人の主張を支持する (17票)53%
・日本人の主張を支持する (6票)19%
・その他 (9票)28%

「当然中国人マネージャーを指示する。理由:論理的に説明すると、100行程度必要だが、一言でいえば、中国だから。」

(アンケート途中結果より)

もし人材が無尽蔵にいて、初心者が一人前に育つ環境やシステムが充実しているのであれば、わざわざ仕事を通じて技術者を養成する必要はあるまい。米国の大リーグ(MLB)は、この発想だと思う。

中国社会の教育熱心さは疑う余地はない。ところが、経営者や企業幹部の人材育成に対する考え方は、日本人の価値観とは大きく異なるようだ。

かつて、東京で会社を興した中国人社長が、日本人従業員に語ったセリフが今でも印象に残っている。

「性格の良し悪しで従業員を判断してはいけません」

「後もう少し頑張れば出来るようになるのに・・・という従業員がいたら、遠慮なく切ってください」

日本と中国、そしてベトナムやインドも含めて、それぞれ人材に対する価値観が違うようだ。当然ながら、国や文化・宗教によって、人間の命の値段も異なる。


■成功の勘所

下記の設問の「出来る人」とは中国人技術者であり、あくまでも中国大陸からの人材調達を念頭においている。もし、私の故郷沖縄で「出来る人」だけ採用します!と宣言したら、良識を疑われてしまうだろう。

また、一般には、ホームランバッターを揃えた野球チームが必ずしも優勝するとは限らない。その理由はなぜ?あなたにとってのオフショア開発で通用する「出来る人」とは?


2007年07月12日 14:31 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

出来ない人は最初からプロジェクトチームに加えない 2007/7/11
オフショア開発の成功の秘訣
「できる人材を使うこと」が肝要です。

(中国人マネージャー)

●関西地方で活躍する中国人マネージャーからのお便りより。


私のやり方では、まず、仕事の重心と役割をはっきりして、できる人材を選んで開発を進めます。仕事に耐えうる人を適性適材に使えば、本人に対してプレッシャーも少なく、一番親切なやり方だと思います。できない人にプレッシャーを掛けると、本人がかわいそうです。うつ病になる可能性も高いので、本人の将来のためにも開発責任者が注意すべきです。

 ・・・省略


誤解を招きそうな上記の表現だが、私なりに要約する。


人材育成は専門の教育機関に任せる。開発責任者は、できる人だけを選抜してプロジェクトチームを構成すべき。つまり、役割分担が重要。とはいっても、オフショア開発プロジェクトで必要とされる人材要件は、さほど高レベルではない。オフショア開発プロジェクトでは、OJTが必要な人は最初から排除して、チームは開発業務に特化すべきである。(文責:幸地)


いろんな意味で面白い主張である。ちなみに、ご意見メールには、プロジェクトに必要な「できる人」のスキル要件が箇条書きされていて、こちらも実に興味深い。


■成功の勘所

【演習問題】

オフショア人材育成の仕組みが充実したこともあり、開発チームは出来る人だけで構成すべきという中国人マネージャーと、どんな状況下でもOJTは有用だと説く日本人マネージャーが感情的に対立した。あなたのご意見は?

(※今日の記事全体を通して判断してください)

◆中国人の主張を支持する
◆日本人の主張を支持する
◆その他

○結果を見る
○コメントボード


締切:2007年07月19日23時00分
協力: クリックアンケート


2007年07月11日 15:37 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

対立解消のプロセスに当事者に深く関与させる作戦 2007/7/10
【演習問題】品質に対する考え方で対立した二人

あなたの周りで、日本人と中国人が対立した。対立の原因は、品質に対する見解の相違である。どんな局面でも前工程での品質作りこみ重視すべきだとする日本人、時には人海戦術による品質検査が合理的だと主張する中国人。

この日本人と中国人は一緒に働いたことがなく、今後も利害関係はないと仮定する。あなたが二人の共通の友人なら、どうやってこの対立をおさめるか。

・参考:本誌バックナンバー 第676号

●先週出題した演習問題に対して、5件の回答が寄せられた。その
うちの1つを紹介する。


・日本人に対しては□□□、中国人に対しては△△△と質問します。そして、その2点について二人に議論させます。(日本人Mさん)


対立解消のプロセスに当事者に深く関与させる作戦である。両者に共通の利益目標があって、二人がよりよい関係を築きたいという意思を持っていれば、最も効果的な方法だと思う。演習問題の前提条件として、対立する二人に特別な利害関係はないとあることを思い出そう。もし、対立する当事者が、互いに相手を「どうでもよい人間」だと思っている場合には、二人に議論させる方法は有効だろうか。

また、下手に第三者が介入すると、かえって泥沼化する可能性もある。相変わらず、この手の問題解決はやっかいだ。さらに、どちらか一方が外国人嫌いだと、まともな会話が成立しない可能性もある。

「オフショア抵抗勢力」v.s「日本出張時に嫌な思いをした中国人」


■成功の勘所

日本人Mさんのアイデアに便乗して、新しい解決策を考えよう。あなたなら、品質問題で対立する日本人と中国人に対して、どのようなテーマで議論させるだろうか。

・日本人に対しては□□□、中国人に対しては△△△と質問します。
そして、その2点について二人に議論させます。

上記の□□□と△△△に当てはまる質問文を考えてみよう。
(文字数制限なし)


2007年07月10日 18:03 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

対立相手を悪人にせず、他要因に転嫁する 2007/7/5
【練習問題】日本人の曖昧なQ&Aを改善する
Q.あなたは、中国ベンダーの担当者から以下の相談を受けた。

日本人に質問すると曖昧な返事ばかりよこすので、中国側の判断ミスを招いてしまう。いったい、どうすれば改善されるか。

A.メルマガの事例は次元が低すぎます(中国人/Aさん)

●上記の練習問題に関連して、さらに複数のご意見メールが届いた。
昨日につづき、1つ紹介する。


・Aさんは何かを否定しようとしているが、文字だけではその気持ちは分かるどころか別の気持ちを表しているかもしれません。日本語を自在にあやつる人ほど気付きにくいことです。日中の交流にも同じ現象があるではないかと思います。

(中国人/Cさん)


本誌バックナンバー 第675号


メルマガ執筆を4年近く続けていると、当方の意図が読み手に十分に伝わらないケースはいくらでもあった。もちろん、読み手が正確に理解したうえでの疑問・反論・批判もあった。メルマガですら対立を生む。ということは、オフショア開発の現場では、比べ物にならないくらいの無数の生まれて、そして消えていく。

人が対立する原因は「認知」の違いで説明できる。同じ練習問題が出題されても、人間の脳は「認知」によって解釈を変えて、さまざまな反応を示す。認知とは、自分にとって都合よく物事を解釈するプロセスである。

仮に、私と(メルマガは次元が低いと非難した)中国人Aさんが一緒に仕事をせざるを得ないとする。このとき、円滑に仕事を進めるために、私はAさんの「見切り発車」しやすく「対決型」に持ち込みやすい認知の傾向を、Aさんの個人的な性格の問題ではなく、日本と中国の文化的相違に起因すると考える。

「Aさんは悪人ではない。単に日中の文化が違うだけなんだ」

このような認知プロセスを経て、自分を納得させる。


■成功の勘所

【演習問題】

あなたの周りで、日本人と中国人が対立した。対立の原因は、品質に対する見解の相違である。どんな局面でも前工程での品質作りこみ重視すべきだとする日本人、時には人海戦術による品質検査が合理的だと主張する中国人。

この日本人と中国人は一緒に働いたことがなく、今後も利害関係はないと仮定する。あなたが二人の共通の友人なら、どのやってこの対立をおさめるか。


2007年07月05日 17:10 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

同じ問いかけでも対照的な2つの反応 2007/7/4
【練習問題】日本人の曖昧なQ&Aを改善する
 あなたは、中国ベンダーの担当者から以下の相談を受けた。日本人に質問すると曖昧な返事ばかりよこすので、中国側の判断ミスを招いてしまう。いったい、どうすれば改善されるか。

(本誌発行人)

昨日の練習問題に対して、対照的な読者メールが2通届いた。


・メルマガの事例は次元が低すぎます(中国人/Aさん)


・「コミュニケーション強化」のことで、自分の実体験と考えを申し上げたいと思います。・・・ 解決策とは言えないかもしれないですが、ご参考までになれば、嬉しい限りです。出題された練習問題のような具体的な例があると、検討しやすくなります。(中国人/Bさん)

本誌バックナンバー 第674号
http://www.ai-coach.com/backno/cip0674.html


前者のメールについて。人格攻撃メールは即ゴミ箱行きだが、記事に対する純粋なご批判あれば、真摯に受け止めるよう心がけている。

メルマガで取り上げる事例の「次元」の高低は、結局のところ読み手が決定するしかないと考えている。そこで、Aさんへは、次のような返事を出した。「次元の高低を判定するあなたの基準を教えてください」と。どのような判定基準なのか、興味津々である。

後者のメールについて。Aさんとは対照的に、Bさんは与えられた練習課題に正面から取り組んだ。私が主宰するオフショア大學では、入学後すぐに「事実・体験」と「意見・~べき論」を分けて考えよと叩き込まれる。

Bさんは、自分の体験に基づき、曖昧なコミュニケーションの原因を整理して、実際にやったことのある複数の対策を紹介してくれた。オフショア大學でも通用する論理展開であった。詳細な回答をいただいたので、こちらも詳細なコメントを返信した。


■成功の勘所

練習問題「日本人の曖昧なQ&Aを改善する」に挑戦しよう。教科書のような模範解答ではなく、あなたの体験に基づいて回答の流れを構築しなさい。

もし「時間をかけてしっかりQ&Aをレビューする」と回答したいのなら、レビューの標準時間、レビュー観点、レビュー方法等を、過去の体験を思い出しながら具体的に記述しなさい。


2007年07月04日 10:43 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

日本人の曖昧なQ&Aを改善する第一歩 2007/7/3
日本側の観点、意見などは、非常に良い参考になります!
幸地司様 いつもお世話になっております。□□です。

ご案内いただいた□□リポートを読みました。参考になって、非常にいい勉強になりました。心から感謝しております。

・・・

オフショア開発の歴史は、それほど長くないので、これからどんどん経験を積んでいくことで、中国のビジネス習慣ややり方などを理解した上でコミュニケーションを強化することで、何とかうまく進めることになるでしょう。品質意識、納期意識もコミュニケーション強化により、解決できると思います。 ・・・

(中国人読者)

先日、私の記事を読んだ中国人読者から、コミュニケーションを強化した結果、オフショア開発の諸問題が解決されたとのお便りが届いた。

文字で「コミュニケーション強化」と書くと漠然とした印象を受けるかもしれない。だが、プロジェクトの最前線では、各社とも工夫に満ち溢れている。練習問題として、コミュニケーション強化による問題解決の事例を1つ扱ってみたい。

【練習問題】日本人の曖昧なQ&Aを改善する

あなたは、中国ベンダーの担当者から以下の相談を受けた。
日本人に質問すると曖昧な返事ばかりよこすので、中国側の判断ミスを招いてしまう。いったい、どうすれば改善されるか。


あなたなら、どのような解決策を打ち出すか。一緒に考えよう。開発現場でよく見かける代表的な答えを2つ列挙する。

・質問には必ずYes/Noで答えるとルール化する
・Q&Aの制限時間を過ぎたら、中国側の主張が承認されたとみなす

現実には、上記対策が機能する組織と全く機能しない組織がある。その差はどこから生じるのだろうか。なぜ、一見、非の打ち所のない対策なのに、あなたの組織では状況が改善されないのだろうか。


■成功の勘所

問題解決の第一歩は、なぜ、日本人に質問すると曖昧な返事ばかりよこすのか、それがオフショア開発の現場でそれがどのような対立を生むのかの根本的な要因を特定すること。そして、次に問題解決につながる状況要件を見極める。

優れた医者は処方箋を出す前に十分に時間をかけて患者を診断する。そして、患者の体質にあった適切な薬を処方する。ヤブ医者は、患者の症状をよく観察せず、誤った処方箋を平気で出す。


2007年07月03日 15:04 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

部下は万が一に備えて休日出勤、上司はのんびりお休み 2007/7/2
休日出勤の中国リームリーダー
来日した中国ベンダ所属の開発リーダーが万が一に備えて休日出勤しました。結局、何も不具合はなかったので取り越し苦労となりました、とても感動しました。

(東京/オフショア大學修了生)

オフショア大學第1期生の日記(mixi)ネタより。

・自主的に休日出社した出張中の中国人リーダーの態度に感動した

・ところが、上司にあたる中国人プロマネは休日出勤せず

・中国人プロマネこそ、自主的に休日出勤して緊急事態に備えるべきだと思う

・やる気なし、納期守らずの中国人プロマネに嫌気がさした

・どうやら、この中国人プロマネは、意に反しえ別プロジェクトから急遽このプロジェクトに投入されてたらしい

・そのためにモチベーションがあがらず、部長クラスの本来の能力を発揮できていないのではないか、と分析している


■成功の勘所

在日経験が豊かなブリッジSEと大陸系中国人の文化的相違は無視できない。問題解決の糸口だが、トラブルの原因を個人的な性格に起因するものと、文化的相違に起因するものに大別するとよいだろう。

プロマネのモチベーションが低下した原因が、中国人固有の面子へのこだわりとすれば、第三者が介入することで事態を改善する妙案がある。さほど難しい課題ではないので、自分でよく考えてみよう。


2007年07月02日 14:20 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

中国人に"Integrity(インテグリティ)"はあるか 2007/5/10
Integrity"とは
"Integrity"は、正直さ、誠実さ、高潔、完全、健全性などと訳されるが、あなたは"Integrity"の意味を正しく理解しているだろうか。

(本誌発行人)

内部統制やCSR(Corporate Social Responsibility)を語る際には、社員一人ひとりのIntegrityが欠かせない。先日セミナーでご一緒した峯本展夫氏は、プロジェクトマネジメントの世界でもIntegrityはますます重視されるようになると主張する。

・従来の組織:社員は性善説で互いを信頼
・今後の組織:社員一人ひとりのIntegrityによって自立

最近の企業不祥事の原因の1つは、明らかに日本人のIntegrityの欠如である。「職人の良心が失われた」という表現がしっくりくるかもしれない。

Integrityを日本語で書かないのは、適切な訳語が存在しないから。これは、Innovationが日本語に訳せないことと同じ理屈である。(「技術革新」はInnovationの概念の一部に過ぎない)

とまぁ、概念的な話はこのくらいにしよう。本当に面白いのは、この後からである。ここで意地悪な質問を1つ。

「中国人にIntegrityはあるか?」


■成功の勘所

現場で活躍するプロジェクトマネージャーに「中国人にIntegrityはあるか?」と質問したら、どのような答えが返ってくるだろうか。また、あなた自身の答えは。そして、その根拠は何だろうか。

☆中国人に"Integrity(インテグリティ)"はありますか?

 あなたの考えを教えてください。
 よろしければ、その理由をコメントボードにお書きください。

◆ある
◆ない
◆Integrityの概念がよく分からない
◆その他

○結果を見る
○コメントボード

締切:2007年05月18日23時00分
協力:クリックアンケート


2007年05月10日 16:06 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

PMBOKを日本語だけで勉強するのは無理がある 2007/5/9
日本語に訳せない英単語
 あなたは、"Integrity(インテグリティ)"を何と訳しますか。

昨日は、日ごろお世話になっているプロジェクトマネージャー向けメルマガ仲間が主催するセミナーにゲスト参加した。「世界の標準に見るプロジェクトマネジメントの方向性」と題したセミナーでは、PMI、IPMA、PMAJの活動に始まり、近年のトレンドを理解する上で重要な話が続いた。後半は、内部統制(J-SOX)とPMBOKとの対応に触れて、プロジェクト活動を支える人材育成をテーマで盛り上がった。

プロジェクトマネジメントの主な標準は全て英語で書かれている。その中には、日本語に訳せない概念の用語がいくつもあり、それが日本人を悩ます原因の一つになっていると指摘された。

以前、本誌で紹介した「責任」という言葉も誤解を招きやすい表現の一つ。他にも、コミットメント、コントロール、マネジメントといった例がある。

昨日のメインテーマは"Integrity"。正直さ、誠実さ、高潔、完全、健全性などと訳されるが、あなたは"Integrity"の意味を正しく理解しているだろうか。


■成功の勘所

「PMBOKを日本語だけで勉強するのは無理がある」
「海外から日本にない概念を導入しても、絵に描いた餅に過ぎない」

昨日は、こうした声が印象に残った。海外から導入された新しい言葉を理解するために、あなたはどのように工夫すればよいだろうか。

有効な手段の1つは、外国人に説明してみること。

「コミットメントとは・・・・」
「コントロールとマネジメントの違いとは・・・」
「マネジメントと管理の違いとは・・・・」

中途半端な理解では、外国人に説明できないことに気づくだろう。
2つ目の有効な手段は、日本と海外を比較すること。

「日本人と比べて中国人はすぐ会社を辞めるといわれるが、
 中国人にIntegrityは存在するのだろうか?」

こうした議論を重ねることで、日本語に訳せない専門用語の理解が深まっていく。言葉の定義を大切にしよう。


2007年05月09日 11:35 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

第16回オフショア開発勉強会、盛り上がって延長2時間半 2007/2/21
自分が考えていたことをゲスト講師がズバリ言ってくれた
自分がこうしたい、ああしたと思っていたことがゲスト講師の実践例としていくつか挙げられていたため、自信につながった。まずは地道に上司に訴えていこうと思う。

(第16回オフショア開発勉強会/参加者)

昨晩、第16回オフショア開発勉強会が東京日本橋で開催された。参加者は11名。当日キャンセルが2名、無断欠席1名。出席者の半分以上が常連さんであった。改めて、オフショア開発勉強会への期待の高さを実感した。

(名古屋・大阪でも開催します。しばしお待ちを!)

昨夜の配布資料は、私が書いたメモで真っ赤に染まっている。その中から、いくつか面白いネタを紹介しよう。

・半年前からスケジュール計画しているのに、春節前になると仕事
 の効率が落ちる。しかも、作業を残したまま帰省する人が多い。

・成功したオフショアプロジェクトでも東京本社の利益率は国内開
 発とほぼ同水準。しかし、お客様は大幅な支払いコストダウンを
 達成。

・テストチームの分離は効果的だった

・一方、テストチーム分離の弊害もあったのも事実

・標準開発プロセスにブリッジSEのロール(役割)は一切存在しない


■成功の勘所

独立系SIer(東証1部)のオフショア推進責任者を招いて「中国子会社を巻き込んだトップダウン型オフショア開発の推進体制」について、たっぷり2時間ご講演いただいた。さらに、質疑応答を含めると2時間半近くの会となった。

【受講者アンケートより】

・日本の課題が大きく、仕様の伝え方や「日本が当たり前だという」
 ところに問題があることを再認識した。

・暗黙知の文書化を促進したい

・はじめての参加でしたが大変貴重なお話を聞く事ができ、非常に
 有益な時間でした。私は自己流でやってきましたが、「やはり、
 みんな同じなんだ」と思うことが多い反面、全く違うところもあ
 り、大変勉強になりました。

次回の東京オフショア開発勉強会は3月23日(金)。乞うご期待!


2007年02月21日 22:11 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

社内ブログによる開発チームの相互連携 2007/2/20
ナレッジマネジメント音痴
メーリングリスト(ML)と社内ブログの違いが分かりません。

(日本人中間管理職)

最近、オフショア開発チームの相互連携を促進するために、社内ブログを活用する企業が増えている。ただし、社内ブログを導入したからといって、即座に生産性が向上するわけではない。あくまでも、非公式のコミュニケーションツールとして利用する組織が多いようだ。

例えば、中国で反日運動が盛り上がってたころ、社内ブログでも歴史観に関する書き込みが増えた。大方の予想通り、社内ブログで火花が飛び散る激論が交わされるはずもないが、プロジェクトに全く関係のない場所で日中交流が一段と深まったのは言うまでもない。


■成功の勘所

あなたの周りに「メーリングリスト(ML)と社内ブログの違いが分からない」とボヤいている人はいないか。残念ながら、その人は「ナレッジマネジメント(knowledge management)」の本質を理解していない。

口コミ効果と相互学習の驚異的な進化によって、机上の空論だったナレッジマネジメントが実態のある共有財産に変化した。社内ブログは、仮想空間上の双方向コミュニケーションを支える大事な基盤技術である。


2007年02月20日 23:56 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

多国籍チームのチーム形成 2007/2/19
■ 日本vs中国よりも、日本、中国、インドの混在チームが優れる
 社内に中国人と日本人しかいない会社と、3つ以上の国籍が混在する会社を比べたとき、後者の方が活発で効率的な議論を生み出しやすい。いったいなぜ?

     (今週のオフショア開発クイズ/2006年7月出題)

今日は、オフショア開発の成功に欠かせないチーム形成について考えてみたい。

まず、日本人だけで構成されるチームと多国籍チームの違いは何か。欧米では、このテーマをダイバーシティ(多様性)といい、多国籍企業や大学等で盛んに研究されている。他にも、ブリッジSEや開発コーディネータの地位と権限について。これは、プロジェクトのガバナンス(統治)に関する重要な質問である。

発注者から提示された仕様書がまるでダメでも、チーム形成に成功すれば、オフショア開発の成功率はグンと高まる。逆に、チーム形成に失敗すれば、基準やプロセスによる体系的な管理手法は全く意味をなさない。


■成功の勘所

社内に中国人と日本人しかいない場合、

中国人 vs 日本人

という対立構図ができやすい。一方、3カ国以上の出身者からなる組織では、複雑すぎて国籍や異文化による対立構造が目立たないという利点がある。


2007年02月20日 07:12 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

マネージャーこそ、オフショア開発規模の決定要因 2007/2/5
ソフト開発の中国への委託拡大――NECや日立ソフトなど
NECは中国での開発要員を2009年度に今年度より3,000人多い7,000人に増やす。

(日経新聞 2007/2/5)

NIKKEI NET:企業 ニュース

今後も、ますます中国オフショア開発は拡大する見込みである。前出の報道を見てそう感じられた方も多いだろう・・・。

ある日、中国に開発子会社(100名規模)を持つ独立系ソフトハウスのマネージャーにお会いしたとき、当該会社の拡大計画について聞いてみた。(◇幸地、◆マネージャー)


◇中国の開発要員はどれくらいですか。

◆現在は、□□と□□をあわせて大よそ100名です。

◇去年と比較して、伸び率はどれくらいですか。

◆規模はほとんど変わっていません。昨年も100名体制でした。

◇そうですか。では、来年以降の計画は?

◆元の事業計画では、来年には300名体制になっているはずですが、今は急拡大を望んでいません。

◇それはなぜでしょうか。

◆1人のリーダーの下につくプログラマー数は決まっています。最大でも10名。同様に1人のマネージャーの下につくリーダー数も決まっています。適性品質を確保しようと思ったら、マネージャーの数以上に開発要員を増やすことはできません。

◇マネージャー数から逆算すると、開発規模が決まりますね。

◆そうです。マネージャーの数が中国開発拠点の規模を決定する要因となります。有望なリーダー人材に教科書を与えてマネジメントを勉強してもらっても、現場では使い物になりませんから。現場で、仕事を通してマネジメントを学んでもらうしかありません。

◇そうですか。ありがとうございます。


■成功の勘所

使えるマネージャーの人数が開発規模の決定要因となる考え方を紹介した。会社によって「使える」の定義が違って当然。したがって、開発規模を決定する方程式も会社によって千差万別だろう。

あなたの会社のオフショア開発拠点では、何が開発規模を決定する要因だろうか。マネージャー以外の要因があれば、全て洗い出してみよう。


2007年02月05日 19:44 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

昔の日本企業の雰囲気にそっくり 2007/1/30
中国の最新情報を聞いた感想
中国オフショア開発といっても意外に特別ではなく、少し前の日本企業と同じだと思いました。

(日本人/オフショア推進責任者)

どこに行っても、中国オフショア開発では大なり小なり何らかの問題を抱えていると噂される。それには私も同感するが、最近は問題の中身が変化しているように感じる。まずは背景の変化について。今の中国では、納期や品質に対する意識は十分に高まっており、さらに主要ベンダーの多くは独自の基準・プロセスを有している。そのため、最近の中国側の問題の大半は「技術者の経験不足」と「基準・プロセスの形骸化」に帰着されるというのが私の分析だ。つまり、こういう変化が起きている。かつては意識や価値観のズレなど、どうしようもない「癪に障る」問題が多かったが、今では理屈で説明できる「成熟度」に原因が求められるようになってきた。


■成功の勘所

(中国側の問題)

以前:品質意識の欠如、徹底した個人主義による情報欠落
現在:新人技術者の激増、経験不足、マネジメント基盤の弱さ

これって、昔の日本企業の雰囲気とそっくり!というのが、冒頭に紹介した日本人オフショア推進担当者の感想である。


2007年01月30日 20:55 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

管理とマネジメント(management)は違う 2007/1/26

オフショア開発とオフショア開発支援は次元の異なる概念である。日本語の「管理」とカタカナの「マネジメント(management)」も似て非なる概念である。ブリッジSEの定義が人によって違うように、管理もしくはマネジメントという単語の意味も人によって大きく異なる。来週のオフショア開発実践セミナーでは、前半に「オフショア開発」の成功要件について、後半は「オフショア開発支援」の勘所について事例を用いて詳しく説明する。
http://www.ai-coach.com/seminar/x21.html

しばらくは、オフショア開発支援におけるマネジメント機能について、深く掘り下げてみたいと思う今日この頃。


■成功の勘所

管理とマネジメントの大雑把な分類(本誌だけのオリジナル解釈)。

・管理=帳票型の手続き管理
・マネジメント=マニュアル&チェックリスト型の成果管理


2007年01月26日 14:18 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

200KbytesのFTP転送に失敗 2007/1/22
上海のホテルからメルマガを配信しています
こちらから日本のサイトにアクセスしていますが、多少遅いかなーってな感じ。日中もこの程度なら、オフショアリングの通常業務には支障をきたさないと思います。

(本誌発行人 2007/1/19)

4泊5日の上海出張は今日が最終日。このあと、午後のANA便で帰国する。

先週末、上海から日本へのインターネット回線状況は概ね良好と伝えた。念のため、こちらでトラフィックが増える昼間の状況を確認したところ、先週お伝えした情報は間違いだったことに気づいた。

・相手によって接続時間に大きな差がある
- Google Gmailは快適、hotmailは調子悪い
・たかだか200KbytesのファイルのFTP転送に何度も失敗
・iTunesのインターネットラジオが聞けるのは深夜のみ
・メルマガの「配信ボタン」を押すだけで15分以上要した


一方で、私の環境では、以下の状況も確認された

・メール遅延は特に感じられない
・時間帯によっては動画も観られる


さらに、オフショア開発イベントの常連さんからも大連の状況が報告された。

大連へのオフショアリングを行っていますが、日中は10MB 程度のデータ量でも FTP は遅くて使い物にならず、メールも数時間遅延する等の影響が出ています。途中の経路(プロバイダ)にも依存しているのでしょうか。。。大連側の連絡では完全復旧は1月末になる、と聞いています。それまではテレビ会議もできず、メールを送って電話で確認、のようなことを繰り返すことになりそうです。

(日本人読者)


■成功の勘所

台湾地震の影響はいまだに残っている。一説によると、完全復旧は1月末。ちなみに、昨年12月31日に中国電信が発表した「1月15日に完全復旧する見込み」は、完全に間違いだった。


2007年01月22日 13:58 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

下請け専門のソフトハウスにメリットあるか 2007/1/17
少し前から我が社でもオフショア開発を始めました
貴社の無料メルマガを拝読させて頂き大変参考になっています。○ヶ月前から○○○○でのオフショア開発に取り組み中です

(日本人読者)

先日、上海と杭州に開発会社を持つ日本人社長とお会いしたときの雑談より。


「ほとんどの大企業では、大なり小なり、何らかの形でオフショア開発に取り組んでいる。だから、オフショアの新規営業は難しい。一方、今になってもオフショア開発に興味を示さないのは、それなりに強い信念があるからだろう。よって、オフショアベンダーの営業は門前払いだ。下請けに甘んじる大多数の中小企業は、もともと原価割れギリギリの線で動いている。そのため、コスト削減が目的のオフショア開発を提案してもメリットは少ない。では、これから新しくオフショア開発に営業するには、どうすればいいか。」


我々の関心は、オフショア開発の市場動向である。特にオフショアリングは小規模ソフト開発会社に直接的な影響を及ぼすか、地方都市のソフトハウスが中国を活用するメリットはあるか、など。


■成功の勘所

<発注企業限定>

あなたの会社のオフショア開発は成功していますか。つまり、当初の事業目標やプロジェクト計画を満足していますか。


◆大成功
◆大失敗
◆今のところ原価低減は難しい
◆品質に課題が残る
◆評価できない

○結果を見る
○コメントボード

締切:2007年01月25日23時00分
協力: クリックアンケート


2007年01月17日 17:09 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

間違った情報に振り回されるな2007/1/11

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ いまからオフショア開発をしようと思います

うちは中小企業なので、人件費の安いベトナムが最有力候補です。

                       (日本人読者)


──────────────────────────────
■■
■■ 間違った情報に振り回されるな
■■
───────────────────── アイコーチ解説 ─

●本誌発行人の元には、オフショア開発に関する相談が毎日のよう
に寄せられる。主な相談内容は以下の通り。

・社内研修プログラムに関する相談
・オフショア発注標準ガイドラインに関する相談
・お客さんを紹介して欲しいという依頼
・優秀な海外ベンダーを紹介して欲しいという依頼
・中国人IT技術者の派遣事業に関する協業の提案
・セミナーやイベント等の広告宣伝に関する相談
・日本市場の最新動向に関する調査の依頼
・中小企業の中国進出に関する相談
・中国とベトナム、インドの比較に関する相談


●たまに、間違った情報を前提に相談してくる者がいる。よくある
のが、オフショア企業の人月単価に関する誤解。

「中国の人件費が高騰して単価も○○まで上がりましたね」
「中国沿岸部と比べて内陸の□□は人件費が半分と聞きました」
「ベトナムは○○円/月が標準ですから・・・」
「沖縄ではSEでも○○円が相場ですよね」

↑残念ながら、自信満々で語る多く方は、
 誤った情報に振り回されています。(幸地)


──────────────────────────────
■ 成功の勘所 ■
──────────────────────────────

継続計画のない小規模プロジェクトのオフショア開発をお考えの発
注企業へ。マネジメント能力によほどの自信がないと、あなたが想
定する人月単価(+その他の条件)では、海外のオフショア企業か
ら門前払いを食らう可能性がある。


2007年01月11日 12:56 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

事前に休暇申請してくれたらいいのに (from India)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 休暇の違い

オフショア開発において相互の国・地域の文化の違いというのは常
に大きな壁になりがちですが、休暇の違いというのもなかなか厄介
な問題だなと常々感じてます

                 (インド在住の日本人読者)


──────────────────────────────
■■
■■ 事前に休暇申請してくれたらいいのに (from India)
■■
───────────────────── アイコーチ解説 ─

●インド在住の日本人から届いたメールより。


 ・・・
 「休暇をとる」ということに対する認識も大きく違いを感じ、
 日本であれば十分な時間を空けて前もって申請し、
 周囲に伝えておくことが普通ですが、インドでは1週間前に
 申請していればいいほうで、当日にいきなり「消えている」
 こともたまにあるほどです。
 ・・・

 日中間のオフショア開発の場合はどのようなのでしょうか?
 また3カ国以上のロケーションにわたるオフショア開発で
 出勤状況を把握するために何か特別な方策をやっている
 ケースはあるのでしょうか?

                 (インド在住の日本人読者)


●オフショア開発をやっていると、休暇や祝祭日、ないし勤務態度
に関する話題は尽きない。国や地域間の格差は言うまでもないが、
最近は世代間の格差も無視できない。

先月、東京銀座で開催されたオフショア開発交流会(忘年会)では、
日本人の若手IT技術者のモラル低下を嘆く会話が印象的だった。

・朝、起きられず、無断欠席を繰り返す若手社員(日本人)
・叱責すると「他の人もやってますから」と平然と言い訳する
・業務の大半は幼稚園児のお守りをしているようだと嘆く部門長

 →だらしない日本人社員(外注スタッフ)を使うくらいなら、
  やる気満々の中国人を育てた方がずっとましだ!(意気投合)

(新年早々、話が脱線してしまった・・・)


──────────────────────────────
■ 成功の勘所 ■
──────────────────────────────

「日本人のベテラン(50代以上)」
「日本人の中堅(30~40代)」 ←かつて、新人類と呼ばれた世代
「日本人の若手(20代)」
「在日中国人」
「大陸系中国人」

これらの人種は、勤務態度や会社への忠誠心に関して、全く異なる
性質を持っている。2007年は、中国だけではなくインドやベトナム
を加えた多国籍編成のプロジェクトが増えるだろう。


2007年01月10日 15:24 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

台湾地震の影響、2007年1月15日に完全復旧する見込み

●中国電信が2006年12月31日に発表したところによると、台湾地震で故障した海底ケーブルは、今年1月15日には完全に復旧する見込み。昨年末の時点で、既に70%復旧したとのこと。


出所元(中国語)
http://tech.sina.com.cn/i/2006-12-31/11451316518.shtml

↑大連に駐在する日本人読者からの情報。ありがとうございます。
 「完全復旧」との発表ですが、鵜呑みにしちゃダメ!(幸地)


もし、突然の障害で2週間ネット使えなくなったとしたら、あなたのオフショア開発プロジェクトはどうなるだろうか。最悪の事態に備えて、今からリスクマネジメントのガイドラインをしっかり整備しておこう。


2007年01月09日 06:22 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

緊急速報:台湾南部沖地震の影響
鳥インフルエンザや反日運動どころの騒ぎではない
台湾で地震があり、ケーブルが切断されたと聞きました。そのせいか、回線状態が非常に悪く、成果物のやり取りやskypeによるコミュニケーションに支障をきたしています。鳥インフルエンザや反日運動どころの騒ぎではないです。通信回線に依存した仕事であることを思い知らされています。

(オフショア開発サポーターズ/日本人)


緊急速報。

台湾南部沖地震の影響

【障害発生日時】
12/26(火) 20:26頃(中国時間)

【障害原因】
台湾南西沖を震源とした地震の影響により海底ケーブルが故障したため

【影響範囲】

<ホスティングサービス>
・メールの遅延または送信エラー
(1日経過して送れなかったメールは送信元へエラーとして戻ります)
・一部を除く海外から弊社ホスティングサーバへのアクセス速度の低下
(ホームページ、FTP、メール)

<プロキシーサービス>
一部を除く中国から海外ホームページへのアクセス速度の低下

(メールマガジン 上海IT管理者のひとり言 【Vol 46】(※)より)

※EVOLUTION NETWORKS(上海宏司計算机信息有限公司)

☆台湾南部沖地震により海底ケーブルが故障しました。
 オフショア開発への影響は?

◆既に甚大な影響あり
◆これからが心配
◆ほとんど影響はない
◆分からない

○結果を見る
○コメントボード

締切:2007年01月05日23時00分
協力:クリックアンケート


2006年12月28日 15:07 | 固定リンク | Comment(0) | TrackBack(0) |

アンケート「使用言語」

一人くらいは、英語力のあるSEを配置したい

すべての日本人SEが英語を流暢に操る必要はないが、プロジェクトに1人くらい英語が得意な者を用意できないだろうか。(本誌発行人 幸地司)

【アンケート】オフショア開発で使用する言語は何ですか?
●多くの日本企業にとって、オフショア委託先でも日本語が通じるかどうかは、とても大切な課題だ。

先日のアンケートでも、オフショア開発の新規パートナー開拓時、最も重視する判断基準は「日本語コミュニケーション」だと回答した数は全体第2位の14%。

これまでに本誌で掲載してきた主張はこうだ。

・どちらかにネイティブスピーカーがいる言語を使うべき・文書は日本語、会話では英語を補助的に用いるとよい

●コミュニケーションの方法については、読者からも多様な意見が寄せられてくる。

<タイ在住の日本人SE>
中国オフショアと決定的に違うのは、日本語が通じないと言うことです。日本語を話せるエンジニアはほぼ皆無です。
 
仕事では会話はタイ語、ドキュメントは英語です。
幸地さんの持論である、
  「どちらかにネイティブスピーカーがいる言語を使うべき」
に私も賛成です。

<中国オフショア開発を推進する日本人SE>
今後のオフショアのやりとりは日本語ではなく英語も視野に入れる必要があるような事が書かれていました。

でも、私自身、英語は駄目ですし、勿論、中国語もまだまだです。私は中国オフショアのメリットは中国人が日本語でコミュニケーションが取れることも重要な要素だと思っております。

インドが日本へのオフショアに失敗した典型が英語と日本語のやりとりが原因でもあったと聞きます。そういった意味で、本当に英語でのコミュニケーションでいいのか?と思っているのは私だけでしょうか。
              ※

●本誌読者の皆さまにお聞きしたい。あなたの会社のオフショア開発で使用する言語は何ですか。国によって異なるし、現場で工夫する点も山のようにあるだろう。ぜひコメント欄にお書きください。

ドキュメント、会話も含めすべて日本語
原則として日本語だが、ときどき英語も使う
ドキュメントは日本語、会話では英語をよく使う
ドキュメント、会話も含めすべて英語
その他(コメント欄に詳細をお書きください)
結果を見る
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締切:2005年06月09日23時

■成功の勘所
あなたの会社がブリッジSEに期待する役割をいま一度定義しなおしてみよう。単なる通訳者のことを「ブリッジSE」と呼んでいないだろうか。
※さらに濃厚な情報へ→ オフショア開発メールマガジン
2005年06月01日 09:45 | 固定リンク | Comment(9) | TrackBack(1) |

CMM取得は役立つか?

■質問
中国ベンダのCMM取得状況やレベル(1-5)は、発注側にとってどのような意味を持つのでしょうか?

→コメント欄にあなたの回答・ご意見をください。

今回の記事はいかがでしょうか?
少しでもお役に立てれば幸いです。
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2004年08月05日 10:54 | 固定リンク | Comment(3) | TrackBack(0) |