インドIT向けのドキュメントは日本語ですか。英語ですか。 お客様からは日本語でもらいますが、我々が納品する資料はすべて英語です。英語はエンジニアが書きます。開発をするときには英語を使っています。お客様とコミュニケーションをするときには日本語を使っていますので、お客様からみると、日本語でプロジェクトが進んでいるように見えますが、基本は英語です。 (インドIT企業/インド人社長)
博士号を持つインド人社長との会話より。その4(最終回)。
――貴社の営業体制では、日本市場の開拓は難しいのでは?
◆日本企業は、プロジェクトを人月で見積もってアウトソーシングします。もしも、途中で修正がはいり、予定よりも1.5倍も工数オーバーしても追加請求は難しいでしょう。インドでは、10人月で請けた仕事は、特別な瑕疵がない限りは基本的には10人月で終わりです。逆にお聞きします。我々はどうすれば、よいでしょうか?
――私がお客様なら、規模が小さくて、高度な技術力が求められない案件は中国を選択します。インドの強みは、欧米市場で評価された高い技術力と運用実績ではないでしょうか。これからは、オペレーション分野のアウトソーシングが増えるでしょう。そのとき、インドの強みが発揮されると思います。
◆インドIT企業は、技術力のアピールは得意ですが、プロジェクト管理やセキュリティ対策、運用については殆ど言及しません。出来て当然だと思っているからです。
――中国ベンダとは対照的な営業スタイルですね。念のため、日本では、今後もコスト削減がオフショア開発の主目的であることは変わりません。日本企業のトップマネジメントの綺麗事と現場プロマネの本音は大きく乖離しています。
◆インドでは、技術者の判断が最優先されます。プロマネが「出来ない」と判断したら、インドの営業はお客様にお断りしなくてはいけません。我々は、約束は必ず守ります。出来ない約束はしません。
――ところで、コミュニケーションの問題はどのように解決しましたか?
◆東京の当社開発拠点に1名、インド拠点に3名の体制です。インド側の3名は日本語が全く分かりません。ですので、毎日1時間くらいテレビ会議をつないで、日本拠点のインド人PLと相談しました。
――ドキュメントは日本語ですか、それとも英語ですか。
◆お客様からは日本語でもらいますが、我々が納品する資料はすべて英語です。英語はエンジニアが書きます。開発をするときには英語を使っています。お客様とコミュニケーションをするときには日本語を使っていますので、お客様からみると、日本語でプロジェクトが進んでいるように見えますが、基本は英語です。
■成功の勘所
二人のインド人を相手に3時間に渡るロングインタビューを敢行。中国との比較対照を頭に置きながら、激しく議論を交わした。インドIT企業の優位性と劣位性を以下にまとめる。
【中国と比べてインドITの優れた点】
・圧倒的な技術力の高さ ・作りっぱなしではなく、保守運用、各種ITサービスの経験も豊富 ・実践経験が豊富なプロジェクトマネージャーが多数存在
【中国と比べてインドITが劣る点】
・日本市場の顧客心理を知らなさすぎ ・日本市場に適応させる意欲が弱い
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