私の場合は、日本人部下の方が楽でした。 (東京/中国人プロジェクトリーダー)
(東京/中国人プロジェクトリーダー)
●昨日号の続き。
聞き手◇:幸地 話し手◆:中国人プロジェクトリーダー
◇ところで、中国人部下と日本人部下とでは、どちらがより仕事をしやすいですか。
◆私の場合は、たまたまかもしれませんが、日本人部下の方が楽でした。なぜかというと、自信過剰な年上の中国人男性を部下に持ったときに苦労したからです。
◇具体的にどのような苦労を?
◆彼は日本語ができないために仕方なく私のような語学が堪能なブリッジSEの下で働いていると思っていたようです。そのため、製造方針や設計に不満があると、私の指示を無視して自己流でプログラムを書き始めます。
◇よくある話です。
◆ところが、実際には、自己流のコーディングはすぐに行き詰ってしまいました。よく確認もせず、見切り発車したのが原因です。この後は、さすがにリーダーの指示に従うようになりましたけど。
◇プログラマにも総合力が要求されますね。
◆日本人部下も多様な個性を持っていますが、私の場合は中国チームよりも日本チームの方がより一体感が持てました。中国人部下は、設計と自分の考えが食い違っているとき、どうしても自己流で実践して確かめないと気がすまないのです。
◇手戻りが増えそうな気がしますが。
◆リーダーが「この方法では失敗するよ」と助言しても、無駄です。もし中国人部下の意向を無視してプロジェクトを進めると、彼らのモチベーションは著しく低下するでしょう。だから、リーダーは作業工程を小刻みに管理して、時間浪費を最小限に抑えるよう工夫します。
◇マネージャーがリーダシップを発揮した好例だと思います。
◆特殊な例かもしれませんが、私の場合はこうでした。
中国人リーダーは、部下の作業工程を小刻みに管理して、時間浪費を最小限に抑えるよう工夫する。
もし「中国人は言われたことしか作業しない」という偏見があれば、認識を改めたほうがよいかもしれない。中国と日本をよく知る中国人マネージャーは、素直で従順な日本人プログラマと、提案好きでちょっぴり頑固な中国人プログラマの性質を理解して、上手に活用する。
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