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 ウェブ・アクセシビリティ指針

高齢者や障害を持つ人たちにとっても利用しやすいホームページ制作の指針。視覚障害のある秀才プログラマー監修の下に、必須テクニックとプラスαをリポートします。
サイトコーチング・ラボでは「活きたホームページ」の条件の一つとしてウェブのアクセシビリティを重視します。

ウェブのアクセシビリティ、
最近はいろいろなところで話題になるようになってきましたが、 現場ではまだ見栄えだけを考えたページ作りがほとんどたといえます。

ウェブ制作者のプログラミングスキルが十分に開発されておらず、 アクセシビリティの施策を説明しても意味が通じなかったり 異なるブラウザで同じように「見える」ことの両立が、 技術的に難しくてどうしても切り捨てざるを得なかったりというのが現状でしょう。

ウェブのアクセシビリティの基本は

  • 正しい知識を持って、正しいHTMLタグを使って、正しく構造化して書く
  • W3CのWeb Accessibility GuidelineやIBM、富士通、総務省などのガイドライン、近く制定されるJISに準拠する
というのが一般論です。

ところが、私たちは実際に音声読み上げソフトを利用した使い方に慣れていませんので、 何をどうしたらいいかイメージがわかないですよね。 きれいな成功談ばかりでなく、実際に視覚障害者の協力を得て失敗談から得られる教訓についてもどんどん触れていく予定です。

タイトル ウェブ・アクセシビリティ指針
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 ウェブのJIS化の動きとパブリックコメント

★ウェブのJIS化が公開レビュー★

今ウェブのアクセシビリティで一番ホットな話題はなんと言っても「ウェブのJIS化」ではないでしょうか。 2003年の10/24から11/24までの一ヶ月は公開レビューといって、一般に素案が公開され意見募集が行われました。

JIS(日本工業規格)の中に高齢者・障害者等配慮設計指針 − 情報通信における機器・ソフトウェア・サービス −という企画が策定されようとしています。 その名のとおり、情報通信機器やサービスを高齢者や障害者にも使いやすいものにするにはどういうところに配慮すべきなのか、を規定しようとするものです。 3部構成になっていて、第1部「共通」と第2部「情報通信機器」は7月にパブリックコメント募集がありました。
http://www.jsa.or.jp/domestic/instac/review2003/itbf_review.htm

そして一足遅れて第3部の「ウェブコンテンツ」の公開レビューが始まったのです。
http://www.jsa.or.jp/domestic/instac/review2003/Web/itbf_web.html

★JIS規格の意義★

JIS規格は、認定されると何かがもらえたり、守らないものを販売すると罰金を取られたりするものかというとそうではありません。
特にウェブは誰でも簡単に作れることで広まった技術だと言えるのに、規格が制定されることでどういう影響があるのかと不思議に思う方もいらっしゃると思います。

JISは昔まだ日本の工業製品の品質がそれほどよくなかった頃には、JISマーク取得→安全、安心のように感じられることで売り上げにも貢献するというメリットがあったようです。 しかし、今の工業製品は規格品よりも、人と変わった特徴的なものをというニーズがあり、あまり重視されていないとも聞きます。

ウェブのアクセシビリティをJISとして規格化することの一番の意味は、政府が調達する時にできるだけJISに準拠したものをという努力義務があるというところにあるようです。 この企画が決定すると、政府が発注するウェブコンテンツにはアクセシビリティのJIS準拠が求められるようになるでしょう。 そしてそこから大企業、中小企業への波及効果と啓蒙が期待されています。 ウェブ開発者にとって必須の知識になってくるかもしれません。

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 メールマガジン・サンプル

★先に進めない登録画面〜マイクロソフト・パスポートアカウント申請〜★

それは、ある日曜日の午後でした。
私がお手伝いしている障害者対象のパソコン講習会での出来事です。 MSNメッセンジャーでの会話を楽しみながら、キーボード入力を練習する時間があります。練習の意欲を高めるためにMSNメッセ ンジャーを活用するのはなかなか良いアイデアですね。

MSNメッセンジャーを使うにはマイクロソフト・パスポートのアカウントを取得しないといけません。私は以前にやったことがあ ったので、特に気にすることなくWeb上のサインアップ用フォームに情報を入力して行きました。
ほとんどの項目に入力を終えたとき、耳慣れない言葉がPCのスピーカーから聞こえてきました。
以下のようなものです。
「画像の中に書かれている文字を下のボックスに入力してください」

そして、「文字を入力する理由」というリンク。

前に登録した時には全く見覚えがありませんでした。 手伝ってくださっている方に画面を確認していただくと、確かにそこには自動生成したと思われる文字列。
それも高齢の方には判読できない文字が混じっていると言うではありませんか。

★米Yahoo!のID取得はOK★

誤読による数度の失敗の後、やっとアカウントを登録することができました。その間、失敗するたびに画像は変化し、その都度内容を見てもらうしかありませんでした。
すでにお気づきの方は多いと思いますが、これは自動化スクリプトでSPAMに使うためのアドレスを無造作に取得されることを防止するための措置です。MSN側も頑張って防御しています。

しばらくして、アメリカの視覚障害者系メーリングリストでこれに似た問題が議論されました。 AOLのオンラインサインアップで同様に自力でサインアップできないことが問題となったのです。
その後、アメリカの障害者団体からの苦情に基づいて、軒並み多くのサイとで代替方式が提供されるようになってきました。

例えば、米Yahoo!のID取得では入力欄の近くに
If you cannot see this image, click here.

と書かれています。クリックすると電話番号と希望メールアドレスを書いてフォームを送信するように求められます。 実際に経験した人の話では、日本から申請しても向こうの営業時間に確認電話がかかってくるようです。ある意味親切とも言えますが。

◎Microsoft .NET Passportを取得
http://register.passport.net/

◎米Yahoo!のID取得
http://www.yahoo.com/ → "Sign up"をクリック

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